異世界オ○ホ英雄奇譚〜そのインポ童貞はオ○ホで世界を無双する〜

子猫紳士

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ティンポラス編

24 そして彼の物語は続いていく

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 パンッ!!!

 オレの目の前で紫の肉棒が弾け飛ぶ。

 「お待たせしましたね、江口さん。」

 オレの前で拳を振るうランさんが微笑みかける。

 「ランさん! あの骸骨は!?」

 「全員ぶっとばしてきましたよ。」

 (半端ねぇなこの人……!!)

 魔王がゆらゆらと近づいてくる。

 「一人増えたところで何も変わらねぇだろ。まとめて逝け!」

 魔王は百本にも上る紫の肉棒を形成しオレたちに狙いを定める。

 「おい江口さん、流石に儂でもあの量はきついぞ。」

 「いや、ありがとうランさん。あなたのおかげで戦える!」

 足が動く。

 手も動く。

 頭も回る。

 大丈夫だ。あの時とは違う。オレは一人じゃない!

 今はこいつオ○ホもオレと戦ってくれる人も、オレを待ってくれてる人もいる!

 バンッ!!!

 オレは対象を魔王に設定し、一気に間合いを詰める。

 「速いっ! だがそれがどうした!」

 魔王は全ての攻撃をオレに集中させる。

 「逝けぇぇぇ!!!」

 「イクのはお前だぁぁぁぁぁ!!!」

 オレの相棒オ○ホが魔王本体の肉棒めがけて飛んでいく。

 「スキル【感度深化もっと深く突いて❤︎】を発動します。」

 頭の中に電子音が鳴り響く。

 目の前に見覚えのある白い液体が浮遊する

 オレの体内を侵し尽くした忌々しき液体が。

 「お゛!? んおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ❤︎❤︎❤︎ 」

 洞穴に信じられないほど長い、野太い雄叫びが響く。

 そこに魔王は倒れていた。

 いつかの日にオレを犯した人で無し野郎は地面に突っ伏し、痙攣しながら消えていった。

 「勝ったんですかい?」

 「えぇ、終わりましたよ。何もかも。」

 そう、終わったんだ。やっと因縁に決着がついた。

 これでオレも少しは……

 「まだ終わりじゃないですよ。」

 「え?」

 「これから儂らで人間とドワーフが安心して暮らせる世界を作っていかにゃならんだろ?」

 「えぇ、そうですね。そうでした。」

 そうだ、これからだ。

 これからオレは、いやオレ達は新しい人生を送るんだ。

 「帰りましょうか。」

 「そうだな、佐川の奴も心配してんじゃねぇのかい?」

 「そうっすね、早く帰ってあげないとですね。」

 「あぁ、腹も減ってきたしな。店主さんに特上の料理を振る舞ってもらわんとな!」

 「無料で振る舞ってもらってるんですから、ちょっとは遠慮ってものをした方がいいんじゃないすか?」

 「いやいや、もらえるモンはもらえる時にもらっとかんとな!」

 「平和な世界ができる前にオレ達の拠点が潰れちゃいますよ。」

 ランさんと軽口を叩き合っていると頭の中にまた電子音が聞こえる。

 「特殊状態【試練を乗り越える者】となりました。これにより、一回性スキル【神への挑戦権】を使用可能になりました。」

 「どうした?」

 動きを止めたオレにランさんが問いかける。

 「あ、いえ、なんか新しいスキルが手に入ったみたいで……」

 オレがそう言いかけたとき、上から紙切れのようなものが降ってきた。
 
 「ん? なんか降ってきたぞ?」

  ランさんはその紙切れを指差す。

 「なんすかね?」

 オレはその紙切れを拾い上げる。

 それにはただ一言、『神への挑戦権』とだけ書かれていた。

 「それ、さっき言いかけてた新しいスキルってやつと何か関係あるんじゃないのか?」

 ランさんが紙切れを覗き込む。

 「そうかもしれませんね。」

 「ん? おい、どうした!?」

 「え、何ですか?」

 いきなり取り乱したランさんにオレは少し動揺する。

 「お前さん、自分の体を見てみろ!」

 「オレの体がどうしたんすか? ……え?」

 透けていた。

 オレの体は足から胸辺りまですでに実体を持っていなかった。

 「え? 何で?」

 「よく分からんが待ってろ! すぐにあいつらを連れてくる! いいか、それまで絶対持ち堪えろ。待ってろよ、必ず!」

 そう言ってランさんは全力で走り去っていく。

 ランさんの背中が霞んでいくーーー


 真っ暗な世界の中で電子音が響いた。



 一回性スキル【神への挑戦権】を使用しました。

 
 

 

 
 
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