異世界オ○ホ英雄奇譚〜そのインポ童貞はオ○ホで世界を無双する〜

子猫紳士

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ティンポラス編

18 いずれ来るその日に向けて……

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 オレ達四人は真っ二つに割れた机を呆然と眺める。

 「あれ? ランさんって人間ですよね? 化物はむしろそっちじゃないっすか!」

 「えぇ~、なんだよこの馬鹿力は……」

 「これが支配領域の拡大による影響ですか……」

 ランさんも店主さんも脳の情報処理が追いつかないといった顔つきだ。

 「ランさん、ついに人間をやめてしまったんですね。俺は悲しいです。」

 凛が力なく呟く。

 「いやぁ凛、お前だって何かしら強くなってるんじゃないのか?」

 オレはそう聞くが、凛は首を横にふる。

 「ほんっとに何にも無いんです。体には何の変化もありませんし、この世界では人間ではなく武器にしかステータスがついてないみたいですから、その唯一の武器ですら無くしてしまった俺は、たとえ今スキルを貰っていたとしても使いようがないんです。」

 凛は拗ねたような口調で言う。

 「そうだったな。そういやお前さん、杖を折られちまったとか言ってたな。
 つまり役立たずって訳だ!」

 「ううぅぅぅぅ~~~」

 ランさんの追い討ちを食らって凛は半ベソをかいている。

 「ちょっ、ランさん! そこまで言わなくてもいいじゃないっすか。」

 「すまんすまん、ちょっとからかってみただけだよ。」

 「ぐぬぬぅ……ランさんはいつも意地悪です! こっちの気持ちも考えてください!」

 「へいへい、悪かったね。だけど、あながち全部が冗談って訳じゃないぜ。」

 「どういう事でしょうか?」

 店主さんが尋ねる。

 「儂らの最終目標はこの世界を人間とドワーフ…と言ってもほとんどいなくなっちまったが……まぁ儂らで平和な世界を作ろうってことだろ?」

 「そう…ですね。」

 「まぁつまり、儂らがこの世界を治めようとするなら当然またにも行かなけりゃならん。ま、要するに儂らはあの攻撃をも難なくいなせるくらいには強くならんといかん。」

 「だけど転生者の一番の強みである武器を持たない俺は、どうしても成長が遅くなるって事ですか……」

 「そういう事だな。これから支配領域が拡大したことによる影響が儂らの体にじわじわ現れてくるだろう。だが、武器を持たないお前はその恩恵を十分に受け取れないんじゃないか?」

 「だったら体を鍛えるのはどうっすかね?」

 オレはひとつ提案をする。

 「この体は元いた世界の体の身体機能をそのまま引き継いでるみたいだし、自分自身のステータスとかも出ないって事は身体能力を高めようとしたら、普通に鍛えるしかないんじゃねぇのかなって…」

 「鍛える……」

 凛は少し考えてパッと顔を上げる。

 「そうですね、やってみます! 俺も少しでも皆さんのお役に立ちたいので!」

 うむ、健気だ。そして可愛い。
 ……いや、だからオレは断じてホモなどでは(以下略)

 「じゃあ儂もトレーニングしないとな。この異常なパワー、今のところ全然使いこなせてないし。」

 「ではランさん、私もご一緒します。」


 「じゃあ凛は、オレと筋トレでもするか?」

 「はい、お願いします!」


 こうして各々は次の決戦に備えて自らを鍛え上げることとなった。

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