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有栖-4
有栖-4-2
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「貴様、何を言ったのか解っているのか!」
ユースティティアが極秘の任務を行う――その日の夜。最終の作戦を確認する為に大会議室へと対象者が集まろうとしているとき、その怒号が響き、会場に入った一色やその場の面々は声の方向に注目した。
全員の視線は会議室の前方にいる怒号の主でこの任務の責任者である佐倉課長とその怒号を真正面から受けている有栖の姿に向いていた。
「あのアホ……」
一色は頭を抱えて呟くと、何が起きたのかは何となく想像がつきながらも二人のいる場所へと向かった。
「もう一度、言って見ろ――有栖隊員」
佐倉課長がそれを尋ねたのは聞き間違えの確認ではなく、彼女の訂正を期待してだった。
「はい、自分はこの任務を抜けます」
しかし、有栖は怒号を受けた回答を一言一句変えることなく返した。
「貴様――」
再び、怒号を響かそうとする佐倉課長だったが、
「佐倉課長、すみません。うちのアホが迷惑かけまして」
一色が間に入ることでそれは未然に防がれた。彼の登場に佐倉課長は言葉を飲み込んだあと、ぎろり、と睨んだ。
佐倉課長は一色よりも年上で四十代前半の男性だ。体格は小柄だが、少々短気でオールバックによって剥き出しになっている鋭い眼光は多くの隊員を竦み上げてきた。しかし、綿密に練られた作戦とその成功率の高さから多くの成功を納め、スピード出世をしている人物でもある。今回の任務を成功させると更に上層部へ出世する見込みが噂されており、だからこそ、作戦に歪みを発生させようとしている有栖の発言を彼が許すはずがない。
「一色、彼女はどういうつもりだ?」
「それは、俺も聞いてみないと――有栖、どういうつもりや?」
一色は、有栖へと向いて彼女が何故このようなことを言ったのかを察しながらも尋ねた。
有栖は姿勢を正し、真っ直ぐに二人を見据えながら、この数日間悩んで、導いた答えを述べた。
「自分はこの任務を辞退し、松下優也を救いに行きます」
ユースティティアが極秘の任務を行う――その日の夜。最終の作戦を確認する為に大会議室へと対象者が集まろうとしているとき、その怒号が響き、会場に入った一色やその場の面々は声の方向に注目した。
全員の視線は会議室の前方にいる怒号の主でこの任務の責任者である佐倉課長とその怒号を真正面から受けている有栖の姿に向いていた。
「あのアホ……」
一色は頭を抱えて呟くと、何が起きたのかは何となく想像がつきながらも二人のいる場所へと向かった。
「もう一度、言って見ろ――有栖隊員」
佐倉課長がそれを尋ねたのは聞き間違えの確認ではなく、彼女の訂正を期待してだった。
「はい、自分はこの任務を抜けます」
しかし、有栖は怒号を受けた回答を一言一句変えることなく返した。
「貴様――」
再び、怒号を響かそうとする佐倉課長だったが、
「佐倉課長、すみません。うちのアホが迷惑かけまして」
一色が間に入ることでそれは未然に防がれた。彼の登場に佐倉課長は言葉を飲み込んだあと、ぎろり、と睨んだ。
佐倉課長は一色よりも年上で四十代前半の男性だ。体格は小柄だが、少々短気でオールバックによって剥き出しになっている鋭い眼光は多くの隊員を竦み上げてきた。しかし、綿密に練られた作戦とその成功率の高さから多くの成功を納め、スピード出世をしている人物でもある。今回の任務を成功させると更に上層部へ出世する見込みが噂されており、だからこそ、作戦に歪みを発生させようとしている有栖の発言を彼が許すはずがない。
「一色、彼女はどういうつもりだ?」
「それは、俺も聞いてみないと――有栖、どういうつもりや?」
一色は、有栖へと向いて彼女が何故このようなことを言ったのかを察しながらも尋ねた。
有栖は姿勢を正し、真っ直ぐに二人を見据えながら、この数日間悩んで、導いた答えを述べた。
「自分はこの任務を辞退し、松下優也を救いに行きます」
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