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神爪村の祟り

有栖-3

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「なるほど、詳細調査ですか。有栖さんは神爪村には行ったんですか?」
「えぇ、自然は豊かで、村の人達も穏やかで優しい人が多かったです。山菜そばが美味しいのでオススメですよ」
「それは良かったですね。でも『祟り』については解らなかった、と」
「今は秋ですからね、シーズンオフでした」
 有栖の表現に高本は小さく笑う。
「祟りのシーズンまで待てるんですか?」
「神爪村は冬になると雪が積もって行き来ができなくなるそうです。冬に神爪村の調査をするなら雪が降る前に入って、雪が溶けるまで滞在する必要があるので避けたいところですね」
「それで少しでも多くの情報が欲しい、と……解りました。では、俺の方でもお客様に聞いてみます」
「助かります。でも、無理はしなくて良いですから」
 有栖の気遣いに高本は小さく微笑んだ。
「いえいえ。俺としてはその祟りについて、是非とも意見を聞いてみたい人がいますので」
「へぇ、オカルトマニアとか?」
 有栖が興味深そうに尋ねると、高本は首を横に振り、バーの準備を進めながらその人物について教えてくれた。
「いえ――その正反対の存在です」
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