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第二章:ファイティングプロレス

有栖_2-5

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 オフィス内を歩いているときから感じていた清潔感のある白を基調とした様子は、案内された会議室も同様だった。会議室内には長机が四つ縦長になるように二つずつを長辺でくっつけたものをペアでつくり、そのペア同士を短辺同士でくっつけて大きなデスクにしている。そこに椅子が六個ある。林と棚神選手が有栖達と向かい合うように座った。

「改めまして、私は林、と申します。主にファイティングプロレスのマーケティングを担当しています」
「林さんはかなり優秀な社員でね。この会社の幹部クラスなんですよ」
「やめてくださいよ。私なんて長く勤めていることだけが取り柄ですよ」

 談笑する二人の様子は仲が良さそうに見える。雰囲気は決して悪くない。

「では、早速ですが我々の業務の説明をさせていただきますね」

 そこから林がオフィスで勤める社員達の業務内容を説明してくれた。

 グッズ制作と販売
 会場の予約と現地での準備
 ネット配信の準備とその対応
 経営方針を含む計画とマーケティング

 その他にも様々な業務内容を教えてもらい、プロレスが選手以外にもその裏で様々な人に支えられていることがよく解った。
 一通り話し終わり、区切りができたところで有栖が一つ質問をした。

「海外への進出もマーケティングになるんですか?」
「そうですね。私が主担当で対応している業務になります。よりよい方法を求めて、模索の毎日ですよ」
「なるほど」

 林の回答に言い淀む様子はない。彼の浮かべた苦笑いには苦労が含まれていることだけは解る。その苦労が何によるものか今は解らない。

「以上が業務内容のざっくりとした説明になります」
「ありがとう、林さん。ユースティティアのみなさんも他に質問はありますか?」
「大丈夫です、ありがとうございました」
「では、他のフロアの案内と行きましょうか」

 棚神選手がそう言って立ち上がる。

「あぁ、棚神さん。このあと、会議もあるので忘れないようにしてくださいね」
「解ってますよ、林さん」

 棚神選手と林が会話を終えると、有栖達も立ち上がり棚神選手の後ろに続いた。会議室を出る前に有栖が振り向くと林は彼女の視線に気づき、穏やかに微笑み一礼をしてくれた。
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