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第一章:八日前
一色_1-6
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「お? 反保しかおらんのか?」
一色が特務課に戻ると、オフィスでは反保がパソコンに向かって作業をしており、有栖は不在だった。
反保は手を止めて一色へと向き直り、
「有栖先輩は外出中ですね。見回りです」
そう報告すると、一色が近づき、彼のデスクにある書類を覗き込むと、
「ほんで、反保は書類の整備か。ご苦労さん」
そう言って、一色は積んでいた書類の半分を持って行く。
「あ、全部僕が――」
「俺でも出来るし、手も空いてるから手伝わせてくれ」
「す、すみません」
「いや、反保が来るまではこういう雑務は全部俺がやってたからな。正直、めっちゃ楽になってんねん。せやから、感謝もこめて、これぐらい任せろ」
一色が笑うと、反保は照れくさそうに軽く頭を下げた。
「寧ろ、最近は俺の方も外出が多くて申し訳ないと思ってんねん」
「いえいえ、そんな。指示はメールで頂いていますし問題ありません。それより、大丈夫ですか? 有栖先輩とも話していたんですが、手伝えることがあれば言ってください。
僕はまだまだ余力がありますし、それに……僕は一色さんのおかげでユースティティアに来れましたし、『この場所』が大切で大好きですから、何か出来ることがあるなら何でもしたいんです」
反保は真っ直ぐに一色を見据え、嘘偽り無く感謝と心意気を真っ直ぐに伝えた。それを受けて一色は少し微笑んで、何気なく、いつもの口調で言葉を返す。
「大丈夫や。もうすぐ終わるから」
一色が特務課に戻ると、オフィスでは反保がパソコンに向かって作業をしており、有栖は不在だった。
反保は手を止めて一色へと向き直り、
「有栖先輩は外出中ですね。見回りです」
そう報告すると、一色が近づき、彼のデスクにある書類を覗き込むと、
「ほんで、反保は書類の整備か。ご苦労さん」
そう言って、一色は積んでいた書類の半分を持って行く。
「あ、全部僕が――」
「俺でも出来るし、手も空いてるから手伝わせてくれ」
「す、すみません」
「いや、反保が来るまではこういう雑務は全部俺がやってたからな。正直、めっちゃ楽になってんねん。せやから、感謝もこめて、これぐらい任せろ」
一色が笑うと、反保は照れくさそうに軽く頭を下げた。
「寧ろ、最近は俺の方も外出が多くて申し訳ないと思ってんねん」
「いえいえ、そんな。指示はメールで頂いていますし問題ありません。それより、大丈夫ですか? 有栖先輩とも話していたんですが、手伝えることがあれば言ってください。
僕はまだまだ余力がありますし、それに……僕は一色さんのおかげでユースティティアに来れましたし、『この場所』が大切で大好きですから、何か出来ることがあるなら何でもしたいんです」
反保は真っ直ぐに一色を見据え、嘘偽り無く感謝と心意気を真っ直ぐに伝えた。それを受けて一色は少し微笑んで、何気なく、いつもの口調で言葉を返す。
「大丈夫や。もうすぐ終わるから」
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