有栖と奉日本『ミライになれなかったあの夜に』

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「どういうことですか？」
「『geisya』は希少種で有名ですし、『elephant and cat』はこれらの動物から得られるものとしてコピルワクとブラックアイボリーというものがあります、『wush2』はウシュウシュと呼ばれるものでこちらも希少種ですね。『water of life』は生命の水という意味でウイスキーを表すのならウイスキーの樽で寝かせて作るものがありますから」
「な、何の話ですか？」
「これらは全て『コーヒーに使用される豆』です。つまり、これらに共通する『six characters』ということは六文字なので『COFFEE』でしょうね」

　そこまで奉日本が話し終えると、有栖はぽかんと口を半開きにして目を丸くしていた。

「じゃあ、パスワードはそれってことですか？」
「その単語から導かれる六文字はそれぐらいしかない、と思いますよ」
「あ、ありがとうございます」

　有栖が驚き、戸惑いながら礼を言うと、彼女のスマホが震え振動音が二人に割って入った。彼女は画面に映った相手の名前を確認すると、通話で応答した。

「はい、有栖です。はい……解りました。こちらも情報がありますので……はい、ではもうすぐ戻ります」

　有栖は通話を切ると、スマホをポケットに戻した。

「別で動いていたチームに進展があったみたいです。こちらも高本さんのおかげで大きな情報を得ました」
「いえ、力になれたなら嬉しい限りです」
「では、最後にすみません――営業許可証を見せて頂けますか？」