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現在_奉日本_3

奉日本_1

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「すみません。伊東さんとは仕事の話しかした記憶はありません。プライベートで仲が良かったわけではありませんし。最後の別れは印象的でしたが」

 奉日本は何かを思い出す素振りを見せたあとに、そう言った。それを聞き、有栖は彼をじっと見つめたあとに、大きな溜め息をつく。その表情には残念、という文字が明確に浮かんでいた。

「そうですか……いや、現状は何でも良いから手がかりが欲しいんですよ。こちらでも調査したところ、その元上司に落の情報を与えたのが伊東のようなのですが彼と関わっていた人物、というのは少なくて。だから、高本さんが何か知っていればいいなぁ、と思ったのですが」
「力になれず申し訳ないですね」
「いえいえ、空振りは慣れてますので。ところで、これについて見覚えとか、何か解ることはありますか?」

 有栖が一枚の紙を奉日本に見せる。そこに書かれていたのは――


『geisya,elephant and cat,wush2,water of life』=『PW:six characters』


「……解りますよ」
「ですよね。解らないです――え?」

 予想外の言葉に有栖は思わず身を乗り出した。

「解るんですか?」
「えぇ、解りますよ」
「何でですか?」
「そりゃまぁ、この店を経営していますから」
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