有栖と奉日本『ミライになれなかったあの夜に』

過去との対話_有栖_1

有栖_1-4

　まぁ、空手道場でのそれは師範に見つかってそこそこの騒ぎになった。
　男子達は口裏を合わせて『私』のせいにしようとしたみたいだけど、さすがに無理がある。『私』も怪我をしていたし。
　結果、喧嘩両成敗、ということで『私』も男子達も厳しい叱責を受けた。そのあと、『私』のことを心配した両親の計らいもあり、『私』は空手道場を辞めることになる。
　後から聞いた話では、この行動によって男子達は道場でも、その他の場所でも冷たい目で見られることになったそうだ。まぁ、自業自得。

　道場には通わなくなったけど、自主練は続けていた。
　両親からは怒られるかな、と思ったけれど、空手道場の一件がトラウマにならなかったことの方が喜びとしては大きかったらしい。
　新しく何かを習いに行かせてもらえることはなかったけれど、『私』は暇なときは空手の自主練をし、その他のときは友達と遊ぶ。そんな子供として育ち、小学生を卒業した。