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準備
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「なぁノア、お前最近ヴィンセント商会に出入りしてるって噂で持ちきりだぜ?」
「⋯⋯ただの挨拶回りだ」
アリィがニマニマした表情で木のジョッキ片手に言ってくる。
次の日の酒場でのことだ。いつものように呑んだくれていると、突然そんな事を言われた。
「そうか?」
「ん? まぁな」
俺は適当に返事を返す。確かに最近はヴィンセント商会によく顔を出していた。不本意だったが。
戦争が確実と決まった今、投資先が心配になるのは当たり前のこと。
「お前が何か動くって事は、何かあるんだろ?予定より早いのか?」
「あぁ」
「お前が挨拶回りだけの為によく顔を出すだって? 冗談はよせって」
お前は俺をなんだと思ってるんだ。
と、言いたいところだが、まぁそりゃそうだ。俺がわざわざ挨拶回りなんて面倒くさいことなんざするわけない。
「まぁ、色々あるんだよ」
「へぇ~」
グイッと酒を飲み干すと、じっと見てくる。
「で、本当のところはなんだ?」
「色々あんだよ」
「はぁ~まぁいいや。お前のことだ。どうせろくでもない事をしてんだろ」
「失礼なやつだな、相変わらず」
軽く笑いながら、酒を飲む。アリィの言う通り、俺が"ろくでもないこと"をしているのは間違いない。だが、それは俺なりの理由があってのことだ。
まぁコイツも勘が鋭いので、あまり必要以上に否定をしないように気をつけ適当に相槌を打ちながら楽しく1日を終えた。
そして翌日、俺は商会に顔を出していた。
「おやおや。ノア殿が最近来られることが多くなって来てこちらとしては嬉しい限りですぞ」
会長は満面の笑みで迎えてくれた。
「まーた変な事言って」
そんな会話の最中、店員くんの淹れた紅茶がやってくる。グラスを軽く持ち上げて礼代わりにして、小さく一口頂く。
「それでノア殿、どうかされましたかな?」
「レンシアの動きだ。あれから数日⋯⋯どうなのか聞こうと思ってな」
一瞬ヴィンセントが表情を曇らせたが、すぐにいつもの柔和な笑みを浮かべた。
「これはまた難しいことを⋯⋯」
「難しくはないだろう? 今や王都にも手が伸びているじゃないか。色々聞いてるんだろ?」
「まぁ、それはそうですが⋯⋯」
ヴィンセントは少し考え込んだ後、ため息をつく。
「あの時よりかなり流通が活発ですね。数字にするとかなり」
「ほう?」
「鉄鋼や革が特に」
やはり⋯⋯想定よりレンシアの本気っぷりが伺える。
本気で戦争を起こすつもりらしい。
3年前とは大違いだ。
「こちらの予想では、今までよりは力を入れていると感じております。保存食の買い占めも起きています」
「買い占めか」
「はい」
保存食をそこまで買い占めるということは、今回はかなり長期戦になりそうな予感だな。
「他には?」
「ええと⋯⋯」
ヴィンセントは少し躊躇したが、結局口を開いた。
「レンシアの貴族たちの視察が多くあり、地形の確認を再三している様子とも言っていました」
貴族が視察を頻繁にしているということは、かなり早く戦争の準備が出来上がり、いつでも始められるという合図にも近い。
「失礼ですが、ノア殿。もしかして⋯⋯」
「あぁ。俺も出兵するからな。どんな感じなのかを知っておきたくてな」
「そうでしたか。ノア殿はこの街の住民権を?」
「それはもう3年前に取っているから、もう一応この街の住民としての義務みたいなもんだ。商人はあくまで留まっている判定だしな」
出兵が逃れられないのは、このせいだ。
今や俺はこの町の住人で、守るべき街⋯⋯とまでは行かないが、義務ならば良いか。と言うくらいには愛着はある。
「くれぐれも無茶はしないでくださいね。命は一つですから」
「あぁ」
そうして商会を後にする。
外に出ると、もう日が傾き始めていた。
空を見上げポケーっとしながら、情報を整理する。
最終段階の視察に買い占め。
もう、早くに攻めてくるのは確定だな。
「とりあえず今回も、補給部隊だな」
バレたくねぇし。
独り言を呟きながら宿へと向かう。
途中市場を通り掛かると、いつもより人が多い事に気づく。
「おい、今朝から市場が荒れてるぜ」
「レンシアの野郎⋯⋯イカれてる!」
「アイツらを全員殺し──」
この国はレンシアと仲が悪い。
だからまぁあのような発言も否定はしない。
しかし日本人であるが故なのか、人種差別という物をどうしても理解できなかった。
「ん~⋯⋯別にいいと思うけどな」
肩にかかる薄黒い襟足をくるくるさせる。
俺はハーフだ。仲が悪い二国の。
幼少期に死んだもんだから、あまり思い出は少ないが、それでも仲が悪いなんてことはなかった。
両親がいた頃も、周りがやいのやいのうるさくてうんざりしていたことすらあった。
両親がいなくなって二国の親戚に身を寄せようとした時も、同じ反応だったのを覚えている。
「あらまぁ忌々しい髪色⋯⋯」
「そんな髪切りなさい!」
結構悪くないと思うんだよなぁ。
ま、そんな事⋯⋯今はいいか。
「というより」
味噌汁⋯⋯保存食として良さそうだな?
ピタリと足が止まる。
そうだ。俺専用に保存食を作らないと。
出兵の最中でも美味しいもんを食えるように研究しないとな!
この世界での娯楽なんて美味しいもんを見つけてアレンジすることなんだから。
あとはあそこでアイツらに何かある前に色々手を施しておかないと⋯⋯。
やる事が多いな。ちくしょう。
ちっともダラダラできねぇ。
⋯⋯まぁ、去年なんて一年中呑んだくれてたんだから、文句はいけねぇか。
そんなお気楽な俺だったが、次の日、ギルドで貼り紙が出た。
内容はさらに早い徴兵についてで、この街の住人は部隊を選んで即時出兵準備をする事だった。
こっちのお気楽さを汲んではくれず、保存食の研究は延期にさせられて⋯⋯朝からブルーな俺だった。
「⋯⋯ただの挨拶回りだ」
アリィがニマニマした表情で木のジョッキ片手に言ってくる。
次の日の酒場でのことだ。いつものように呑んだくれていると、突然そんな事を言われた。
「そうか?」
「ん? まぁな」
俺は適当に返事を返す。確かに最近はヴィンセント商会によく顔を出していた。不本意だったが。
戦争が確実と決まった今、投資先が心配になるのは当たり前のこと。
「お前が何か動くって事は、何かあるんだろ?予定より早いのか?」
「あぁ」
「お前が挨拶回りだけの為によく顔を出すだって? 冗談はよせって」
お前は俺をなんだと思ってるんだ。
と、言いたいところだが、まぁそりゃそうだ。俺がわざわざ挨拶回りなんて面倒くさいことなんざするわけない。
「まぁ、色々あるんだよ」
「へぇ~」
グイッと酒を飲み干すと、じっと見てくる。
「で、本当のところはなんだ?」
「色々あんだよ」
「はぁ~まぁいいや。お前のことだ。どうせろくでもない事をしてんだろ」
「失礼なやつだな、相変わらず」
軽く笑いながら、酒を飲む。アリィの言う通り、俺が"ろくでもないこと"をしているのは間違いない。だが、それは俺なりの理由があってのことだ。
まぁコイツも勘が鋭いので、あまり必要以上に否定をしないように気をつけ適当に相槌を打ちながら楽しく1日を終えた。
そして翌日、俺は商会に顔を出していた。
「おやおや。ノア殿が最近来られることが多くなって来てこちらとしては嬉しい限りですぞ」
会長は満面の笑みで迎えてくれた。
「まーた変な事言って」
そんな会話の最中、店員くんの淹れた紅茶がやってくる。グラスを軽く持ち上げて礼代わりにして、小さく一口頂く。
「それでノア殿、どうかされましたかな?」
「レンシアの動きだ。あれから数日⋯⋯どうなのか聞こうと思ってな」
一瞬ヴィンセントが表情を曇らせたが、すぐにいつもの柔和な笑みを浮かべた。
「これはまた難しいことを⋯⋯」
「難しくはないだろう? 今や王都にも手が伸びているじゃないか。色々聞いてるんだろ?」
「まぁ、それはそうですが⋯⋯」
ヴィンセントは少し考え込んだ後、ため息をつく。
「あの時よりかなり流通が活発ですね。数字にするとかなり」
「ほう?」
「鉄鋼や革が特に」
やはり⋯⋯想定よりレンシアの本気っぷりが伺える。
本気で戦争を起こすつもりらしい。
3年前とは大違いだ。
「こちらの予想では、今までよりは力を入れていると感じております。保存食の買い占めも起きています」
「買い占めか」
「はい」
保存食をそこまで買い占めるということは、今回はかなり長期戦になりそうな予感だな。
「他には?」
「ええと⋯⋯」
ヴィンセントは少し躊躇したが、結局口を開いた。
「レンシアの貴族たちの視察が多くあり、地形の確認を再三している様子とも言っていました」
貴族が視察を頻繁にしているということは、かなり早く戦争の準備が出来上がり、いつでも始められるという合図にも近い。
「失礼ですが、ノア殿。もしかして⋯⋯」
「あぁ。俺も出兵するからな。どんな感じなのかを知っておきたくてな」
「そうでしたか。ノア殿はこの街の住民権を?」
「それはもう3年前に取っているから、もう一応この街の住民としての義務みたいなもんだ。商人はあくまで留まっている判定だしな」
出兵が逃れられないのは、このせいだ。
今や俺はこの町の住人で、守るべき街⋯⋯とまでは行かないが、義務ならば良いか。と言うくらいには愛着はある。
「くれぐれも無茶はしないでくださいね。命は一つですから」
「あぁ」
そうして商会を後にする。
外に出ると、もう日が傾き始めていた。
空を見上げポケーっとしながら、情報を整理する。
最終段階の視察に買い占め。
もう、早くに攻めてくるのは確定だな。
「とりあえず今回も、補給部隊だな」
バレたくねぇし。
独り言を呟きながら宿へと向かう。
途中市場を通り掛かると、いつもより人が多い事に気づく。
「おい、今朝から市場が荒れてるぜ」
「レンシアの野郎⋯⋯イカれてる!」
「アイツらを全員殺し──」
この国はレンシアと仲が悪い。
だからまぁあのような発言も否定はしない。
しかし日本人であるが故なのか、人種差別という物をどうしても理解できなかった。
「ん~⋯⋯別にいいと思うけどな」
肩にかかる薄黒い襟足をくるくるさせる。
俺はハーフだ。仲が悪い二国の。
幼少期に死んだもんだから、あまり思い出は少ないが、それでも仲が悪いなんてことはなかった。
両親がいた頃も、周りがやいのやいのうるさくてうんざりしていたことすらあった。
両親がいなくなって二国の親戚に身を寄せようとした時も、同じ反応だったのを覚えている。
「あらまぁ忌々しい髪色⋯⋯」
「そんな髪切りなさい!」
結構悪くないと思うんだよなぁ。
ま、そんな事⋯⋯今はいいか。
「というより」
味噌汁⋯⋯保存食として良さそうだな?
ピタリと足が止まる。
そうだ。俺専用に保存食を作らないと。
出兵の最中でも美味しいもんを食えるように研究しないとな!
この世界での娯楽なんて美味しいもんを見つけてアレンジすることなんだから。
あとはあそこでアイツらに何かある前に色々手を施しておかないと⋯⋯。
やる事が多いな。ちくしょう。
ちっともダラダラできねぇ。
⋯⋯まぁ、去年なんて一年中呑んだくれてたんだから、文句はいけねぇか。
そんなお気楽な俺だったが、次の日、ギルドで貼り紙が出た。
内容はさらに早い徴兵についてで、この街の住人は部隊を選んで即時出兵準備をする事だった。
こっちのお気楽さを汲んではくれず、保存食の研究は延期にさせられて⋯⋯朝からブルーな俺だった。
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