なんか黄金とかいう馬鹿みたいなスキルを得たのでダラダラ欲望のままに金稼いで人生を楽しもうと思う

ちょす氏

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二章

閑話:動く黒龍の騎士

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 他の作者の作品を読んている方に若干のサービスでございます(笑)まぁ元がありますからね。
 
 
 黒龍の騎士の朝は早い。
 まだ深夜2時なのにも関わらずモゾモゾし始め、勢いよくガバッと起き上がる。

 「ムラムラが止まらん!!」

 この特異な力を得る前は普通のOLだった。
 ゲームキャラの同人でプンスカするような普通の人間。そんな自分が、まさかこんな豪華で、全てが満ち足りた生活が出来るようになるなんて⋯⋯昔だったら考えられなかっただろうと思う。

 「駄目だ、意識があるのがだんだん嫌になってきた!」

 この力はとてもつない程素晴らしい物で、名前に恥じない強力な職業だ。

 黒龍の騎士。
 通り名ではあるが、実際の名称は"黒龍の加護を受けし者"という名称だ。

 最初はなんとなくでしかわからなかったが、時間と共に段々と分かってくる。

 正確にはどこの生物とかは分かってはいないが、黒龍が持つ力を自分に宿す事のできるチートスキルである。

 その使用制限に多少の制約はあるが、事実上竜種と同様の力を得ることができるということで、即私の名前は当時新聞紙一面に張り出された。

 ま、そんなわけで私の生活は一変した。

 ダンジョンに潜るようになって、好きなゲームや機材も買えるようになったし、親孝行は簡単にできるようになった。それに家や食事だって良いものになった。

 様々な物が変わっていく中で、唯一⋯⋯頼むからやめてほしいモノがある。

 それは、性欲だ。

 竜種というのは様々なモノが規格外の力を誇るわけだが、ソッチも対象のようで、私は加護を得たその日から、毎日10回以上一人打席を組んでもまだ足りないほど性欲という領域に支配され始めた。

 それに、頭まで本能に忠実になってしまい、本能的に強い男を見ると、即座に心のアレがスタンディングオベ~ションしてしまうわけ。

 黒龍の騎士と言われていた私だが、いつの間にか性欲の騎士に改名するんじゃないかと言われた時は泣きかけた。

 ⋯⋯体が反応しているだけなのに。

 私ももう30を過ぎてしまった。

 そろそろ結婚をなんて思っているのだが、いかんせん男で私のこの高ぶりに耐えられる者がいない。そのせいでこんな優雅な生活をしている私でも、"独身"という地獄みたいな世界に残されているのである。

 私は言いたい。
 強がりを言ってました。
 一人はやっぱり寂しいです!!


***


 準備(一人打席)を終え、私はテレビをつけ、動画を見漁る。こう見えても、他の冒険者たちの動向を見るのは日課だ。

 『日高さん、もう時期オークションの時期ですね。新しい冒険者の方が提示したあのポーションも出るようですが、どのような考えをしているでしょうか?』

 『はい。身近に冒険者の知り合いが沢山いますが、ポカンとするような値段を皆さん予想されていました』

 当たり前だ。魔力を持たないものが、持てるようになるのだ。この話が出た時から、日本の情勢が変わるのは目に見えていた。

 「一本しかないのが怖い」

 ポテチを片手にそう呟く。
 それから数時間後、携帯に一件の着信があった。

 「はいはいー」

 ーー青木、久し振りだな

 「司じゃん、どったの?」

 ーーそういえば帰還者の男についてなんだが、何か聞いているかい?

 「いいや? 一応ネットだと名前と顔が割れているようだけど⋯⋯」
 
 ーー青木は興味がないかい?

 「まぁ⋯⋯無いかも」

 特別何かを知っているわけでもないし、そこまでして情報はいらないかな。

 ーー頼みたい事があるんだ。話だけでも聞いてもらえないか?

 「まぁ、それなら」

 それから司の言う提案というものが始まった。
 聞き終わった私はすぐに着替え、ビルの屋上に向かう。


 早朝の冷たい風が私の頬を撫で、抱かれている気分にすらなる。

 「そろそろいいかな」

 来て、ロイヤード・・・・・

 頭上の空には次元の割れ目が現れ、巨大な影を見せた直後、割れ目から動く圧倒的な破壊力と威圧感を発する黒龍が姿を現す。

 ウネウネ蛇行して青木のもとまで降りて、青木の体の周りをその身を使って渦巻く。

 「久し振り」
 『久し振りだな、短期契約者』
 「ねぇ、いっつも言うけど、短期契約者って何?」

 『私はたった一人の御方に仕える黒龍であるが、対価と引き換えにお前の呼び声に応じ、力を与えてやるという事をしているだけだ。余興にも近い』

 「へぇ⋯⋯人間の寿命も短いしね」
 『我らは悠久にも近い時間生きる。人間の寿命などたかが知れている』
 「ねぇ、これから様子見がしたい男の子がいるんだけど、一緒に見に行かない?」
 『良いだろう』

 傾げながらも青木が乗りやすいように低空飛行で待つロイヤード。

 「それじゃあレッツゴ~!!」

 ロイヤードを乗る青木は、ある場所へと向かうようウッキウッキで行くのだった。
 
 
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