52 / 91
第一章
46話:誰かの記憶〈2〉
しおりを挟む
『ふむ、せっかくだ⋯⋯また旅でもしよう』
しかし視界には血とありえない方向へと曲がった四肢の人間が映る。
なら、今回は人間の街へ行ってみよう。
前回は偶然だったからな。
私の愛する黄金の木が並べられている林道を抜けると、あふれる程の骨がそこらじゅうに散らばっている。
⋯⋯確か。
少し考える。
あぁ、だいぶ前に死んだ人間たちの骨か。
はぁ、記憶力が低下しているな。
まぁいいだろう。
***
人間の街についた。
探す必要もなく近くにあったので、私はすぐに入口らしきところに向かい、中へ入ろうとする。
しかし入ろうとする私を、変な格好をした人間の男が私の姿を見る。
すると次は『身分証は』と言ってくる。
『身分証はない』と当たり前に伝えると、男たちは眉をぴくっと上げる。
そして次に発したのは、ならば入れないという言葉だった。
⋯⋯どうしよう。
そう思った時、知らない男たちが私を見るや、いきなり嬉しそうに声色を変えながら何やら男たちに話している。
見たことないはずだが、見覚えがあるような。
あぁ、彼らの顔は見たことがあった。
昔に木が欲しいと言ってきた者たちだ。
随分と体がたるんでいるように思う。
あの木はオドには及ばないが、品質の良い金を生み出したりできる私の力を込めた愛情たっぷりの苗だったから、良い生活ができているのだろう。
そう思って眺めていると、一斉に人間たちが地面に腰を落とし、こちらに向かって平伏の姿勢で⋯⋯『貴方様に対してなんて失礼な言葉遣いを』と必死に言ってきた。
そんなに気にはしていないのだが、入れるならそれで良い。
入れるのかと聞いてみると入れそうだったので、私は人間の街を見てみたいから来たと言うことを伝えた。
どうやら人間の街に入るには、身分証なるものが必要らしい。
なるほど。力がないと警備にも力を入れなければならないということだろう。
私が悪いと言えば悪いのか。
ならば仕方ないのかもしれない。
『おぉ⋯⋯壮観だ』
今まで私は自然の景色しか目にして来なかったが、こうして人間の作った町並みを見るのは10年ぶりだろう。
以前のような薄暗い町並みは卒業し、あちこちに人々の笑みが渦巻いている。
楽しそうな人間の声がオドを通じて私にやってくる。
⋯⋯楽しそうだ。
『神様、何かお口にしたいものでもありますでしょうか?』
そうだな、人間たちが食べているものの代表物でも聞いてみるとしよう。
『人間たちが一番食べている食事を私にも出してくれ』
これくらいなら誰も困りはしないだろう。
私がそう言うと急いで準備をしてくれ、すぐに椅子に座った。
『どうぞ! こちらが私達の街で一番の食事です!』
味付けを施した肉に野菜、そしてしっかりと素材を活かした汁物が並んでいる。
⋯⋯あの時の人間達からすれば、どれほど渇望した物だったのだろうか。
一口味わう。まずは肉から。
私が作った肉よりも遥かに美味い。
身体が喜んでいると錯覚するほどの肉汁と、適度に噛みごたえがあり、丁度よい固さ加減がこの素材の一流さを表現されている。
野菜も新鮮で良い。
特殊なやり方で作成した液体に様々な野菜が合わさった物。
どれも美味で中々に満足だ。
『汁物も美味だ、素晴らしい』
『ほほっ!そうですか! 我が町一番の料理人に作らせた一般食でございますゆえ!』
料理人か⋯⋯中々良いモノだな。
私も今度オドを使った料理人を創ってみよう。
『人間は⋯⋯』
『⋯⋯どうかされましたか?』
『私は、悪魔なのだろうか?』
つい数時間前に怒鳴られた私は若干気にしていた。
何がかは理解できないが、私に悪魔というのだから何か理由があるのだろう。
『そんな事、どこの誰が申したのですか!!』
『数時間前に、女の人間が泣きながらやってきたんだ』
『その不届き者が貴方様を悪魔だと?』
変な理由もあるわけではないから、私はそのまま素直に頷く。
すると、私の住む山に身元確認したいと言うので、勿論許可する。
何かがあったのかもしれない。
人間は感情が発達していて、何か私が嫌な感情を引き立たせたのかもしれないから、謝る訳ではないが理由くらいは聞いてみようと思った。
『そんな神に対してそのような非道な言動、一族諸々処すべきです!』
そこまでする必要はないだろう?
何か私に対して行動を起こす理由があったのかもしれないから。
『問題ない。何か理由があったのだろう。私も、長い間人間社会に馴染んでいなかったから私の行いに非があったのだろう』
『神よ、そのよう事を仰らないでくださいませ! ⋯⋯なりません!』
一人がそう断言する。
『私はただ、人間たちが困っていたから手を差し伸べたのだが、何を理由にそこまでの事を言われるのかが気になっただけ。もしかしたら私が悪魔と言われる理由があるのかも知れない』
すると後ろの方で男に報告をしている兵士がいた。
聞こえないようにしているのだが、私には全て聞こえている。
(実は)
(なんだ?我らが神より大事な事があるのか?)
(身元が割れました。相手は隣国のアヘトのようです)
(ふん、アヘトの奴らめ、我が国を恨んでいるのか? しかも武神に向かわせたはずだが、残党を残したのか?)
(⋯⋯そのようです)
隣の国の人間なのか。
そして恨んでいるという発言から、この国は発展して戦争でもしていたのだろうか。
武神と呼ばれる男がアヘトへと向かい、相手を殲滅したと。
ほう、武神が現れたなんて⋯⋯この国は随分良き発展をしたのだな。
『神よ、失礼ながらお聞きしたいのですが』
『どうかしたのか?』
『神にお名前はあったりしないのでしょうか? 石碑や像に神の名前がないと、皆も困ってしまっているのです』
『神とはなんだ?』
『か、神は全知全能の存在でございます』
確かに近くはあるが、私はその観点で言うと神ではない。
『私に名前がない。それに、私はその話で言うと神ではないのだが』
『何をおっしゃいますか!神よ! 我が一族をお救いになられたのが、貴方様でございます。ここで我らが神を崇めるために土地を広げ、やっとこの国も安定し始めました! 貴方様が分けてくださった木も──ご覧ください!』
男の言う通りその方向へと目を向けると、巨大な黄金の木が粒子を撒き散らしながらそびえ立っている。
あの苗がここまで巨大になるなんて、チレンくらいはあるな。
※(50mは超えている)
『貴方様のお陰で、ここまで私達が進化することができたのです!』
『そうなのか、それはよかった』
──ジジ。
──ジジ。
ノイズが脳内を走り回る。
『コウセイ!!』
⋯⋯??
あれ? 今まで何してたんだ?
「あれ? アルカ」
『大丈夫だったか? 凄まじいオドの吸収率じゃった!人間ではありえない量だったが、大丈夫か? 本当に?』
アルカが心配の表情をしながらこちらに声をかけてくれているのだろうが、俺の頭はそれどころではなかった。
あの記憶の人たちは誰だったのか、そして、顔も何も分からない自分の視点だった神と言われた男は何者だったのかが頭の中をかけ巡った。
にしても一番良いところで終わってしまったけど、結局あの続きが気になってしまう。
『だからコウセイ──』
「ごめんアルカ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
『どうしたきぃ?』
「アビロニアって知ってる?」
『⋯⋯当たり前きぃ? ここはアビロニアだった場所なんだから』
⋯⋯え?
「ここがアビロニアだって?」
『何を言ってるんだきぃ? コウセイ、コウセイはこの辺の人間じゃないのかもしれないきぃな⋯⋯アヘトか、コリンくらい遠い場所かもしれない』
アヘトって、確か⋯⋯。
「ねぇ、神って言われた存在は⋯⋯いる?」
もし、本当なら⋯⋯。
『んん? いたきぃよ。もうこの国にはいないきぃらしいが』
「何処に行ったの?」
『この星から消えてしまったと伝えられているきぃ遥か数万年前の話きぃだけど』
「歴史書とかあったりする? それか言い伝えられている話でもいい!」
『やけに必死きぃな、どうかしたのきぃ?』
馬鹿正直に神だと言われた男の記憶が自分の今までの時間で途中まで見たと喋った。
アルカは俄に信じがたい話ではあるが、喋った内容はほとんど事実らしく、俺が見た記憶が嘘ではないことが判明した。
『そうか、やはり実在したきぃな』
「それから、どうなったんだ?」
『実は、アビロニアにかつてあったという黄金の木は、黄金を無限に生み出すという特別な木であり、そして話したその力は今、お主に継承最中の武神が残したオドの心法で、陶芸品と言われたものは、様々なゴーレムなんかの産物を無限に作る事ができる特別な神物だったきぃ』
「そ、それで?」
『武神と言われる男──その名をオルビスという。存在していたオルビスは力を得た後、恨みを買った者たちに家族を奪われ、怒りに任せて一つの村を破壊し、別人のように生まれ変わって軍を作ったと言われているきぃ。
世界中がその産物を欲しがったが、神の恵みが宿る力には勝てず、全ての憎しみがこの国に矛先が向いて、大戦争が起こった。結果、大陸には神が住んでいたという場所以外全てが荒れ果て、生命体は全てその神によって殺戮の限り尽くされた。怒りを買ったということできぃな』
⋯⋯ただのダンジョンじゃない。
なんなんだここは。
確かユニークダンジョンの時、騎士オルビスって⋯⋯
『今日の所は一旦止めにしようきぃ』
「そうだね、ちょっと色々整理もしたいし⋯⋯」
それから村に戻るのだが、アルカの視線が妙に尊敬の念が入っているのはあえて口に出さなかった。
*
コウセイ、先程の言葉から、身体中にオドが吸収の限りを始めているきぃ。
こんな事、何千年生きている儂ですら見たことがない程の量きぃ。
もしかしたら⋯⋯目の前の人間は、神の生まれ変わりなのかも知れない。
アルカは煌星を横目に村へと向かった。
しかし視界には血とありえない方向へと曲がった四肢の人間が映る。
なら、今回は人間の街へ行ってみよう。
前回は偶然だったからな。
私の愛する黄金の木が並べられている林道を抜けると、あふれる程の骨がそこらじゅうに散らばっている。
⋯⋯確か。
少し考える。
あぁ、だいぶ前に死んだ人間たちの骨か。
はぁ、記憶力が低下しているな。
まぁいいだろう。
***
人間の街についた。
探す必要もなく近くにあったので、私はすぐに入口らしきところに向かい、中へ入ろうとする。
しかし入ろうとする私を、変な格好をした人間の男が私の姿を見る。
すると次は『身分証は』と言ってくる。
『身分証はない』と当たり前に伝えると、男たちは眉をぴくっと上げる。
そして次に発したのは、ならば入れないという言葉だった。
⋯⋯どうしよう。
そう思った時、知らない男たちが私を見るや、いきなり嬉しそうに声色を変えながら何やら男たちに話している。
見たことないはずだが、見覚えがあるような。
あぁ、彼らの顔は見たことがあった。
昔に木が欲しいと言ってきた者たちだ。
随分と体がたるんでいるように思う。
あの木はオドには及ばないが、品質の良い金を生み出したりできる私の力を込めた愛情たっぷりの苗だったから、良い生活ができているのだろう。
そう思って眺めていると、一斉に人間たちが地面に腰を落とし、こちらに向かって平伏の姿勢で⋯⋯『貴方様に対してなんて失礼な言葉遣いを』と必死に言ってきた。
そんなに気にはしていないのだが、入れるならそれで良い。
入れるのかと聞いてみると入れそうだったので、私は人間の街を見てみたいから来たと言うことを伝えた。
どうやら人間の街に入るには、身分証なるものが必要らしい。
なるほど。力がないと警備にも力を入れなければならないということだろう。
私が悪いと言えば悪いのか。
ならば仕方ないのかもしれない。
『おぉ⋯⋯壮観だ』
今まで私は自然の景色しか目にして来なかったが、こうして人間の作った町並みを見るのは10年ぶりだろう。
以前のような薄暗い町並みは卒業し、あちこちに人々の笑みが渦巻いている。
楽しそうな人間の声がオドを通じて私にやってくる。
⋯⋯楽しそうだ。
『神様、何かお口にしたいものでもありますでしょうか?』
そうだな、人間たちが食べているものの代表物でも聞いてみるとしよう。
『人間たちが一番食べている食事を私にも出してくれ』
これくらいなら誰も困りはしないだろう。
私がそう言うと急いで準備をしてくれ、すぐに椅子に座った。
『どうぞ! こちらが私達の街で一番の食事です!』
味付けを施した肉に野菜、そしてしっかりと素材を活かした汁物が並んでいる。
⋯⋯あの時の人間達からすれば、どれほど渇望した物だったのだろうか。
一口味わう。まずは肉から。
私が作った肉よりも遥かに美味い。
身体が喜んでいると錯覚するほどの肉汁と、適度に噛みごたえがあり、丁度よい固さ加減がこの素材の一流さを表現されている。
野菜も新鮮で良い。
特殊なやり方で作成した液体に様々な野菜が合わさった物。
どれも美味で中々に満足だ。
『汁物も美味だ、素晴らしい』
『ほほっ!そうですか! 我が町一番の料理人に作らせた一般食でございますゆえ!』
料理人か⋯⋯中々良いモノだな。
私も今度オドを使った料理人を創ってみよう。
『人間は⋯⋯』
『⋯⋯どうかされましたか?』
『私は、悪魔なのだろうか?』
つい数時間前に怒鳴られた私は若干気にしていた。
何がかは理解できないが、私に悪魔というのだから何か理由があるのだろう。
『そんな事、どこの誰が申したのですか!!』
『数時間前に、女の人間が泣きながらやってきたんだ』
『その不届き者が貴方様を悪魔だと?』
変な理由もあるわけではないから、私はそのまま素直に頷く。
すると、私の住む山に身元確認したいと言うので、勿論許可する。
何かがあったのかもしれない。
人間は感情が発達していて、何か私が嫌な感情を引き立たせたのかもしれないから、謝る訳ではないが理由くらいは聞いてみようと思った。
『そんな神に対してそのような非道な言動、一族諸々処すべきです!』
そこまでする必要はないだろう?
何か私に対して行動を起こす理由があったのかもしれないから。
『問題ない。何か理由があったのだろう。私も、長い間人間社会に馴染んでいなかったから私の行いに非があったのだろう』
『神よ、そのよう事を仰らないでくださいませ! ⋯⋯なりません!』
一人がそう断言する。
『私はただ、人間たちが困っていたから手を差し伸べたのだが、何を理由にそこまでの事を言われるのかが気になっただけ。もしかしたら私が悪魔と言われる理由があるのかも知れない』
すると後ろの方で男に報告をしている兵士がいた。
聞こえないようにしているのだが、私には全て聞こえている。
(実は)
(なんだ?我らが神より大事な事があるのか?)
(身元が割れました。相手は隣国のアヘトのようです)
(ふん、アヘトの奴らめ、我が国を恨んでいるのか? しかも武神に向かわせたはずだが、残党を残したのか?)
(⋯⋯そのようです)
隣の国の人間なのか。
そして恨んでいるという発言から、この国は発展して戦争でもしていたのだろうか。
武神と呼ばれる男がアヘトへと向かい、相手を殲滅したと。
ほう、武神が現れたなんて⋯⋯この国は随分良き発展をしたのだな。
『神よ、失礼ながらお聞きしたいのですが』
『どうかしたのか?』
『神にお名前はあったりしないのでしょうか? 石碑や像に神の名前がないと、皆も困ってしまっているのです』
『神とはなんだ?』
『か、神は全知全能の存在でございます』
確かに近くはあるが、私はその観点で言うと神ではない。
『私に名前がない。それに、私はその話で言うと神ではないのだが』
『何をおっしゃいますか!神よ! 我が一族をお救いになられたのが、貴方様でございます。ここで我らが神を崇めるために土地を広げ、やっとこの国も安定し始めました! 貴方様が分けてくださった木も──ご覧ください!』
男の言う通りその方向へと目を向けると、巨大な黄金の木が粒子を撒き散らしながらそびえ立っている。
あの苗がここまで巨大になるなんて、チレンくらいはあるな。
※(50mは超えている)
『貴方様のお陰で、ここまで私達が進化することができたのです!』
『そうなのか、それはよかった』
──ジジ。
──ジジ。
ノイズが脳内を走り回る。
『コウセイ!!』
⋯⋯??
あれ? 今まで何してたんだ?
「あれ? アルカ」
『大丈夫だったか? 凄まじいオドの吸収率じゃった!人間ではありえない量だったが、大丈夫か? 本当に?』
アルカが心配の表情をしながらこちらに声をかけてくれているのだろうが、俺の頭はそれどころではなかった。
あの記憶の人たちは誰だったのか、そして、顔も何も分からない自分の視点だった神と言われた男は何者だったのかが頭の中をかけ巡った。
にしても一番良いところで終わってしまったけど、結局あの続きが気になってしまう。
『だからコウセイ──』
「ごめんアルカ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
『どうしたきぃ?』
「アビロニアって知ってる?」
『⋯⋯当たり前きぃ? ここはアビロニアだった場所なんだから』
⋯⋯え?
「ここがアビロニアだって?」
『何を言ってるんだきぃ? コウセイ、コウセイはこの辺の人間じゃないのかもしれないきぃな⋯⋯アヘトか、コリンくらい遠い場所かもしれない』
アヘトって、確か⋯⋯。
「ねぇ、神って言われた存在は⋯⋯いる?」
もし、本当なら⋯⋯。
『んん? いたきぃよ。もうこの国にはいないきぃらしいが』
「何処に行ったの?」
『この星から消えてしまったと伝えられているきぃ遥か数万年前の話きぃだけど』
「歴史書とかあったりする? それか言い伝えられている話でもいい!」
『やけに必死きぃな、どうかしたのきぃ?』
馬鹿正直に神だと言われた男の記憶が自分の今までの時間で途中まで見たと喋った。
アルカは俄に信じがたい話ではあるが、喋った内容はほとんど事実らしく、俺が見た記憶が嘘ではないことが判明した。
『そうか、やはり実在したきぃな』
「それから、どうなったんだ?」
『実は、アビロニアにかつてあったという黄金の木は、黄金を無限に生み出すという特別な木であり、そして話したその力は今、お主に継承最中の武神が残したオドの心法で、陶芸品と言われたものは、様々なゴーレムなんかの産物を無限に作る事ができる特別な神物だったきぃ』
「そ、それで?」
『武神と言われる男──その名をオルビスという。存在していたオルビスは力を得た後、恨みを買った者たちに家族を奪われ、怒りに任せて一つの村を破壊し、別人のように生まれ変わって軍を作ったと言われているきぃ。
世界中がその産物を欲しがったが、神の恵みが宿る力には勝てず、全ての憎しみがこの国に矛先が向いて、大戦争が起こった。結果、大陸には神が住んでいたという場所以外全てが荒れ果て、生命体は全てその神によって殺戮の限り尽くされた。怒りを買ったということできぃな』
⋯⋯ただのダンジョンじゃない。
なんなんだここは。
確かユニークダンジョンの時、騎士オルビスって⋯⋯
『今日の所は一旦止めにしようきぃ』
「そうだね、ちょっと色々整理もしたいし⋯⋯」
それから村に戻るのだが、アルカの視線が妙に尊敬の念が入っているのはあえて口に出さなかった。
*
コウセイ、先程の言葉から、身体中にオドが吸収の限りを始めているきぃ。
こんな事、何千年生きている儂ですら見たことがない程の量きぃ。
もしかしたら⋯⋯目の前の人間は、神の生まれ変わりなのかも知れない。
アルカは煌星を横目に村へと向かった。
0
お気に入りに追加
523
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)
愛飢男
ファンタジー
最強の攻撃、それ即ち超硬度超質量の物体が超高速で激突する衝撃力である。
ってことは……大型トラックだよね。
21歳大型免許取り立ての久里井戸玲央、彼が仕事を終えて寝て起きたらそこは異世界だった。
勇者として召喚されたがファンタジーな異世界でトラック運転手は伝わらなかったようでやんわりと追放されてしまう。
追放勇者を拾ったのは隣国の聖女、これから久里井戸くんはどうなってしまうのでしょうか?
治癒術師の非日常―辺境の治癒術師と異世界から来た魔術師による成長物語―
物部妖狐
ファンタジー
小さな村にある小さな丘の上に住む治癒術師
そんな彼が出会った一人の女性
日々を平穏に暮らしていたい彼の生活に起こる変化の物語。
小説家になろう様、カクヨム様、ノベルピア様へも投稿しています。
表紙画像はAIで作成した主人公です。
キャラクターイラストも、執筆用のイメージを作る為にAIで作成しています。
更新頻度:月、水、金更新予定、投稿までの間に『箱庭幻想譚』と『氷翼の天使』及び、【魔王様のやり直し】を読んで頂けると嬉しいです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最強のコミュ障探索者、Sランクモンスターから美少女配信者を助けてバズりたおす~でも人前で喋るとか無理なのでコラボ配信は断固お断りします!~
尾藤みそぎ
ファンタジー
陰キャのコミュ障女子高生、灰戸亜紀は人見知りが過ぎるあまりソロでのダンジョン探索をライフワークにしている変わり者。そんな彼女は、ダンジョンの出現に呼応して「プライムアビリティ」に覚醒した希少な特級探索者の1人でもあった。
ある日、亜紀はダンジョンの中層に突如現れたSランクモンスターのサラマンドラに襲われている探索者と遭遇する。
亜紀は人助けと思って、サラマンドラを一撃で撃破し探索者を救出。
ところが、襲われていたのは探索者兼インフルエンサーとして知られる水無瀬しずくで。しかも、救出の様子はすべて生配信されてしまっていた!?
そして配信された動画がバズりまくる中、偶然にも同じ学校の生徒だった水無瀬しずくがお礼に現れたことで、亜紀は瞬く間に身バレしてしまう。
さらには、ダンジョン管理局に目をつけられて依頼が舞い込んだり、水無瀬しずくからコラボ配信を持ちかけられたり。
コミュ障を極めてひっそりと生活していた亜紀の日常はガラリと様相を変えて行く!
はたして表舞台に立たされてしまった亜紀は安らぎのぼっちライフを守り抜くことができるのか!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる