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第一章
42話:予想外
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まじで14時間くらい連続数日寝てました。
誠に申し訳ありません(泣)
俺は未だに信じられずにいる。
「あはははは」
なんやこのストア。バグやんけ。
え? てことは、もしかしてこのストア⋯⋯全部こんなんなん? マジで?
⋯⋯頭パンクしてまう。
いてもたっても居られず、もう一度壊れたショートソードを覗く。
───
[壊れかけのショートソード]
使用レベル1~
特性:なし
・壊れかけのショートソード。1階で使うなら間違いなしの逸品!
"入手難易度S"
───
一見すると、特に何も感じない。
「⋯⋯ん?」
"入手難易度S"
⋯⋯S!?
心の叫びを漏らさなかっただけ御の字だ。
え? S?
消えかけの言葉が自分の脳内を巡る。
ど、どゆこと?
1階とやらで使うんだから、こんな商品あったらまずいだろ?
──それともナニか!?1階とやらはそんな魔境なんか?
ネット民みたいで今の気持ち悪いな。
「ま、まじでどういうことだよ?」
もう一度ストアを開いて購入ページへと飛ぶ。
⋯⋯こんなん買うほかないだろ!?
「あ、まだある」
なんで他の人はこんな馬鹿みたいな剣を買わないんだ?
理由はないのか?
それからそれらしい理由がないかといくら探してみても答えは見つからず。なんなんだよ、なんでみんな買わないんだ?
「駄目だわからん、頭パニクってる」
一旦落ち着こう。ひっ、ひっ、ふー!
「はぁ⋯⋯!」
寝っ転がって空を見上げる。
ダンジョンなのにも関わらず、空は綺麗に澄んでいる。
綺麗な星空だわ。
ダンジョンってこんな感じなのか。
⋯⋯少し歩き回ってみるか。結構広いっぽいし。
結果、この円形の場所は特に罠など類は何もなく、あるのは一つの通路のみとなった。
「さすが初心者ダンジョン。複雑なダンジョンじゃなくて感謝だ」
ガチガチの初心者ダンジョンだから、全く難易度を感じない。まぁそれに、さっきの剣のおかげで⋯⋯だいぶ今後の難易度の崩壊は必ずと言っていいほど起きるだろう。
それからある程度の把握を終えた俺は、残された通路の中を進んでいく。
一本道を少し進むと十字路に出て、一応全部探索。
しかし何かがあるわけではなく、ほとんど罠部屋。
勿論俺には罠感知があるので効くわけではないが、中々の量だった。
「ん?」
割と広いダンジョンももう後半かなと思った頃。
通路を歩いていると、気配探知に10以上の塊がいくつもある場所を発見した。
なんだ? 全部でかなりの数がいるぞ?
おそらく100以上はゆうにいる。
場所はちょうどこの先。
「この剣を用意するか」
念の為俺は壊れたショートソードを一本手に持って今歩いている道の先を進む。
「⋯⋯?」
一筋の光明が入ってくる。
光が差す方へと進むと、そこは広い森だった。
森? ダンジョンの先はこんな広い森だったのか。
「そんなはずはない。ここは初心者ダンジョンだろ」
気配探知に掛かったのはこの先だ。
慎重に進む。
⋯⋯恐らくゴブリン共の家だろう。100はカウント出来ている。
──いた!
俺は咄嗟に木の影に隠れて様子を伺う。
しかし、自分が想像していたゴブリンではない。
⋯⋯なんだ?
清潔感のある服装に、汚い小人って感じではなく、人間みたいだ。
⋯⋯どういう事だ? あっちで入った初心者ダンジョンの時はゴブリンらしいゴブリンだったのに、こっちのゴブリンは人間が少し緑色になったような⋯⋯そんな感じだ。
気が付けば、自分の手は色んな意味で震えていた。
⋯⋯何故ならゴブリンだと分かっていれば殺せるものの、実物が人間だと──躊躇してしまうからだ。
所詮俺はクソほど最近に冒険者になったばっかの新人なんだから。
ど、どうする⋯⋯。
やばい、さっきのゴブリンはゴブリンだったのに、なんでこっちは違うんだ? ⋯⋯進化か?
『そこで何をしてるのきぃ?』
「⋯⋯っ!?」
気配探知に引っかからなかった。
なんだ!?何処だ?
慌てて振り返ると、そこに身長2mはあるゴブリンが俺を見下ろしていた。
近くで見るとゴブリンではなくまるで人間みたいだ。
醜悪な見た目ではなく、しっかりと人間だ。
臭いも多少する程度。
「す、すみません」
そんなんじゃ済むかぁー!
絶対マズイ! 殺される!!
「迷ったきぃか?」
「あ、あれ」
「どうしたきぃ?」
⋯⋯あれ? 喋れる?
それに、人間に敵対しない?
ヤバイ、この剣以上にワケがわからない存在に出くわしたぞ。
「あ、あのあなた方を初めてみたので、敵なのかと⋯⋯」
ここは、無知なフリをしてなんとかやり過ごすぞ!!
「うん? 俺達は大鬼族って言って、ゴブリンの上位進化だきぃ。人間はだいぶ昔に滅んだって聞いたきぃから、オレも初めてみたきぃ」
滅んだ⋯⋯?
ここはダンジョンじゃないのか?
「そ、そうなんですね! ところでそれは?」
最初から気になっていた。
ウォーヒューの頭上には、巨大な猪のような物を両手で持ち上げているままだったからだ。
「これきぃ?これはバースボアきぃ」
「バースボア?」
「知らないきぃ? 中には魔石がいっぱい入ってて、俺達にはご馳走になるきぃ。成人の議でも使われる強い魔物きぃ」
バースボアね。覚えておこう。
「そうなんだ」
「一緒に来てみるきぃ?」
「え? いいの?」
「勿論だきぃ。人間と言っても、オーラが暖かいきぃ」
オーラ?なんだそれ?
「ウォーヒューは何か見えているの?」
「そうだきぃ。ウォーヒューは色々見えない物が見える事が多いきぃ」
「そうなんだ、人間より凄いな」
「人間も凄いきぃ。昔の人間は知能がとても優れていて、食べ物から戦いの道具まで発明した優れた種族だと聞いているきぃ。もしかしたら大先祖から続いている唯一の血統かもしれないきぃ。こっちに来るきぃ」
少し動揺しながらも俺は、このウォーヒューとかいうゴブリンについて行った。
誠に申し訳ありません(泣)
俺は未だに信じられずにいる。
「あはははは」
なんやこのストア。バグやんけ。
え? てことは、もしかしてこのストア⋯⋯全部こんなんなん? マジで?
⋯⋯頭パンクしてまう。
いてもたっても居られず、もう一度壊れたショートソードを覗く。
───
[壊れかけのショートソード]
使用レベル1~
特性:なし
・壊れかけのショートソード。1階で使うなら間違いなしの逸品!
"入手難易度S"
───
一見すると、特に何も感じない。
「⋯⋯ん?」
"入手難易度S"
⋯⋯S!?
心の叫びを漏らさなかっただけ御の字だ。
え? S?
消えかけの言葉が自分の脳内を巡る。
ど、どゆこと?
1階とやらで使うんだから、こんな商品あったらまずいだろ?
──それともナニか!?1階とやらはそんな魔境なんか?
ネット民みたいで今の気持ち悪いな。
「ま、まじでどういうことだよ?」
もう一度ストアを開いて購入ページへと飛ぶ。
⋯⋯こんなん買うほかないだろ!?
「あ、まだある」
なんで他の人はこんな馬鹿みたいな剣を買わないんだ?
理由はないのか?
それからそれらしい理由がないかといくら探してみても答えは見つからず。なんなんだよ、なんでみんな買わないんだ?
「駄目だわからん、頭パニクってる」
一旦落ち着こう。ひっ、ひっ、ふー!
「はぁ⋯⋯!」
寝っ転がって空を見上げる。
ダンジョンなのにも関わらず、空は綺麗に澄んでいる。
綺麗な星空だわ。
ダンジョンってこんな感じなのか。
⋯⋯少し歩き回ってみるか。結構広いっぽいし。
結果、この円形の場所は特に罠など類は何もなく、あるのは一つの通路のみとなった。
「さすが初心者ダンジョン。複雑なダンジョンじゃなくて感謝だ」
ガチガチの初心者ダンジョンだから、全く難易度を感じない。まぁそれに、さっきの剣のおかげで⋯⋯だいぶ今後の難易度の崩壊は必ずと言っていいほど起きるだろう。
それからある程度の把握を終えた俺は、残された通路の中を進んでいく。
一本道を少し進むと十字路に出て、一応全部探索。
しかし何かがあるわけではなく、ほとんど罠部屋。
勿論俺には罠感知があるので効くわけではないが、中々の量だった。
「ん?」
割と広いダンジョンももう後半かなと思った頃。
通路を歩いていると、気配探知に10以上の塊がいくつもある場所を発見した。
なんだ? 全部でかなりの数がいるぞ?
おそらく100以上はゆうにいる。
場所はちょうどこの先。
「この剣を用意するか」
念の為俺は壊れたショートソードを一本手に持って今歩いている道の先を進む。
「⋯⋯?」
一筋の光明が入ってくる。
光が差す方へと進むと、そこは広い森だった。
森? ダンジョンの先はこんな広い森だったのか。
「そんなはずはない。ここは初心者ダンジョンだろ」
気配探知に掛かったのはこの先だ。
慎重に進む。
⋯⋯恐らくゴブリン共の家だろう。100はカウント出来ている。
──いた!
俺は咄嗟に木の影に隠れて様子を伺う。
しかし、自分が想像していたゴブリンではない。
⋯⋯なんだ?
清潔感のある服装に、汚い小人って感じではなく、人間みたいだ。
⋯⋯どういう事だ? あっちで入った初心者ダンジョンの時はゴブリンらしいゴブリンだったのに、こっちのゴブリンは人間が少し緑色になったような⋯⋯そんな感じだ。
気が付けば、自分の手は色んな意味で震えていた。
⋯⋯何故ならゴブリンだと分かっていれば殺せるものの、実物が人間だと──躊躇してしまうからだ。
所詮俺はクソほど最近に冒険者になったばっかの新人なんだから。
ど、どうする⋯⋯。
やばい、さっきのゴブリンはゴブリンだったのに、なんでこっちは違うんだ? ⋯⋯進化か?
『そこで何をしてるのきぃ?』
「⋯⋯っ!?」
気配探知に引っかからなかった。
なんだ!?何処だ?
慌てて振り返ると、そこに身長2mはあるゴブリンが俺を見下ろしていた。
近くで見るとゴブリンではなくまるで人間みたいだ。
醜悪な見た目ではなく、しっかりと人間だ。
臭いも多少する程度。
「す、すみません」
そんなんじゃ済むかぁー!
絶対マズイ! 殺される!!
「迷ったきぃか?」
「あ、あれ」
「どうしたきぃ?」
⋯⋯あれ? 喋れる?
それに、人間に敵対しない?
ヤバイ、この剣以上にワケがわからない存在に出くわしたぞ。
「あ、あのあなた方を初めてみたので、敵なのかと⋯⋯」
ここは、無知なフリをしてなんとかやり過ごすぞ!!
「うん? 俺達は大鬼族って言って、ゴブリンの上位進化だきぃ。人間はだいぶ昔に滅んだって聞いたきぃから、オレも初めてみたきぃ」
滅んだ⋯⋯?
ここはダンジョンじゃないのか?
「そ、そうなんですね! ところでそれは?」
最初から気になっていた。
ウォーヒューの頭上には、巨大な猪のような物を両手で持ち上げているままだったからだ。
「これきぃ?これはバースボアきぃ」
「バースボア?」
「知らないきぃ? 中には魔石がいっぱい入ってて、俺達にはご馳走になるきぃ。成人の議でも使われる強い魔物きぃ」
バースボアね。覚えておこう。
「そうなんだ」
「一緒に来てみるきぃ?」
「え? いいの?」
「勿論だきぃ。人間と言っても、オーラが暖かいきぃ」
オーラ?なんだそれ?
「ウォーヒューは何か見えているの?」
「そうだきぃ。ウォーヒューは色々見えない物が見える事が多いきぃ」
「そうなんだ、人間より凄いな」
「人間も凄いきぃ。昔の人間は知能がとても優れていて、食べ物から戦いの道具まで発明した優れた種族だと聞いているきぃ。もしかしたら大先祖から続いている唯一の血統かもしれないきぃ。こっちに来るきぃ」
少し動揺しながらも俺は、このウォーヒューとかいうゴブリンについて行った。
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