なんか黄金とかいう馬鹿みたいなスキルを得たのでダラダラ欲望のままに金稼いで人生を楽しもうと思う

ちょす氏

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第一章

☆:椎蘭志遠

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こんにちは! 
昨日はちゃんと投稿し忘れてしまい、大変申し訳ございませんでした!

本日は2話投稿の予定でございやす!

 閑話に続いて、ちょっと彼に関する核心にミリくらい迫れる回となっております!
 それと、一応他の人の視点の時の話は、星マークでも付けようと思います!

最近死ぬほど寒くなりましたよね、作者は半袖半ズボンで笑われております。

まだある程度の量を書けていないのでアレなのですが、昔から書いてみたかった成り上がり物、そしてこの現実世界でのお話、そしてリメイクした最初のアタクシ書いた小説の外伝(最新追えてないと分からない)4作品を同時進行していまして、久し振りに小説書くのが楽しくなっています(笑)

出るのが早いのは成り上がりの方かなと思います。
もし出た時は、チラッと様子見しに来ていただけると嬉しく思います。

⋯⋯長くなりましたが、以上業務連絡でした!


──ギルド長室

 時は煌星が帰還する少し前。
 大量の書類に襲われながらも事務仕事をこなしている五香の部屋に、数回のノックがあった。

「ん? 誰かな?」
「三神です。白のお客様をお連れしました」
「分かった、通して」

 『白』というのは⋯⋯五香と三神の秘密の暗号のようなもので、『白』の意味するところは──五香が対応している中で、もっとも五香が重要視しているレベルの相手という意味だ。

「失礼します」

 扉が開く。
 入ってきたのは三神と、ひょろひょろな体格をしている男性。

 身長は180cmくらいの長い髪に臭う体臭。
 ボロボロの服装に身を包んだ40手前の浮浪者のおっさん⋯⋯というのが見た感じの感想だ。

「やぁ、久し振りだね!」
「五香~⋯⋯元気してっかぁ?」

 背後で三神がバレないように鼻をつまみ、臭いに耐えている。

「とりあえず⋯⋯座らないで立ち話でもしようよ」
「おい⋯⋯いくら俺から異様な臭いがするからってちと酷くねぇ?」
「分かっているなら結構。黙って立ち話にしてください」
「はいよ」

 投げやりに溜息をこぼして五香の近くの壁に寄りかかった。

「それで? そこの嬢ちゃんは追い出さなくて平気なのかい?」
「あぁ、担当受付嬢であり、そもそも異変を感じ取ったのは彼女もだから」
「へぇ⋯⋯」

 まるで品定めでもするかのように三神の全身を舐め回しながらジッと見つめる男の後頭部を引っ叩く五香。

「イテッ!」
「三神くんはウチでも指折りの美女なんだ、やめてくれ」
「わぁーってるよ。こんな浮浪者じゃそもそも女を抱くなんて無理すぎる」
「分かってるならいい」

 そう言って五香は男に向かって寄越せと言わんばかりに手を伸ばした。

「はいはい」

 男から大きい紙が入る大きさの封筒を受け取る。
 中身を開け、出てきた書類を読んでいく五香の表情は──段々と深刻そうな表情に変えていく。

「これは⋯⋯本当かい?」
「あぁ、かなり大変だったぜ? なんせ四大クランの一つ──聖王の宴ユリウス・アンヘルが関わっているからな」
「よりによって⋯⋯あの異常者達と関わりが」
「まぁそれはわからねぇが」

 男の言葉に「ん?」と五香は首を傾げた。

「関わっているんじゃないのかい?」
「まぁ、正確には、徹底的に『椎蘭志遠』を隠しているのは⋯⋯ユリウスの連中と、十家門の複数が関わってる」

 そこまで話した浮浪者の男は煙草に火をつけ、深く一吸い。言葉を溜めた男は先程とは違って──真剣そのモノだ。

「この黄河とかいうガキ⋯⋯相当やべぇ奴らから一心に護られてる。五香、手を引くなら今だぞ」
「⋯⋯言いたいことは分かるけど、それだけじゃ僕も分からない。具体的に撤退理由は?」
「ハァ⋯⋯勘弁してくれよ」
「情報については君の右に出るものはいないはずだけど? 謳い文句は嘘だったのかい?」

 ヘラヘラしている五香の見上げる瞳は、男を震え上がらせた。何故なら目の前で座っている男は、元とはいえ──国単位でそう多くはいないS級冒険者。

 時代錯誤しがちな非冒険者の論争。
 昔と違って、今は銃が最強でも、生まれ持った身体能力が最強でもないのだ。

 "生まれ持ったスキルと職業"なのだ。

 ハハッ、腐ってもこのクソガキはS級冒険者か。
 しっかし⋯⋯どうすっかな。

「⋯⋯少なくとも黄河とか言うガキは、多分自分の名前を椎蘭志遠だなんて微塵も思っちゃいない。奴らは徹底的にその男の身分と存在を消したがっている。もっと深ぼれば⋯⋯その存在知っているのは、世界でもたった15人にも満たない」
「思ったよりデカイ話だね」
「そりゃそうさ。どうやら⋯⋯そのガキは、予言の子だの、約束された子だの、世界を導く神の生まれ変わりだの言われてる」

 五香はその話を真剣な眼差しを向けながら聞いている。

「それくらい隠されたガキなんだよ。今回の依頼だって⋯⋯まさに命がけだったんだぜ? あの宗教じみた場所に行くのはもう二度とゴメンだ」
「しっかりと報酬は上乗せしておくよ」
「勿論だ! 馬鹿言うなよ」
「わかってる、それで? この書類には、両親は『超一流企業』の息子、だなんて書かれているけど?」
「あぁ、その辺は割とすぐに出てきた。椎蘭⋯⋯聞き覚えはないか?」

 五香は数秒悩んだ結果⋯⋯ピコンと閃き男を見た。

「あぁ⋯⋯! 最近話題のマナウォーターの事か!」

 無言で頷く男。

「そう、元々普通の一流企業ではあったが、冒険者というのが表に出てから突出した企業へ進化を遂げた。⋯⋯と、表ではそう言わているが⋯⋯」
「なるほど」

 そう返事を返す五香の持つ書類には、経歴としてその椎蘭志遠の両親が──星理教へ入信していたという記述があった。

「この両親は何かしらお告げがあったと当時身内に話していたそうだ。それからというもの、まるで変わったようにビジネスの才能を発揮し始め、様々な事業へと手を出せば成功を掴み、冒険者の存在が出始めた頃には⋯⋯超一流企業へと王座に座る如く君臨したとされている」
「⋯⋯まるで悪魔との契約だな」

 五香はフッと言葉をこぼした。

「そりゃいくら俺でも否定しねぇぜ。いくら一流と言っても、割とギリギリの位置付けだったらしいからな」
「ところでこの星理教というのは?」

 数枚ある書類の一枚に映る結果を男に見せながら尋ねる五香。

「結構前からあるマイナー宗教だなんて言われているが、しかしとんでもなく根強い信者が多数で、入信するのも一苦労するレベルの知る人ぞ知る宗教らしい。噂によれば、超大手にいる金持ちや重鎮たちも入信しているらしく、献金の額はとんでもない量だと」
「⋯⋯⋯⋯」

 深い鼻息と共に、五香は黙って星理教の調査結果を眺める。

「おいおい、やめとけ」

 男が興味をありげに眺める五香を止める。

「何が?」
「星理教はかなりヤバイって聞く。それこそお前さんが言ったように⋯⋯悪魔と取引している、なんて噂も聞く」
「⋯⋯⋯⋯」
「まぁ、弱肉強食の世界にいたお前さんが宗教なんてハマるわけもないだろうがな」
「そうだね」

 五香はまた食い入るように星理教の記事を眺め始める。
 そして数分が経ったあと、五香は口を開いた。

「星理教の場所はどこにある?」
「おいおいマジで行くのか? ギルド長の職務は?」
「まぁいいさ、黄河くんの身元を正しく理解する必要があるんだ、ギルド長としてね」
「まぁ、望むんなら教えてやるけどよ。後悔するなよ?」

 そう言って五香はURLが記載された紙の切れ端を貰う。

「あぁ、ありがとう」
「それと俺からも一つ」
「ん?」
「このガキを何かしらの理由で検挙とか何かしようだなんてもし考えているのなら──絶対にやめておけ」
「何故だい?」
「⋯⋯関わった奴はもれなく、全員行方不明で処理されているからだよ」
「そうかい」

 そう言って男は情報を出し切り、扉の方へと歩き出した。

「それじゃ五香のガキ、またな」
「ええ、今回もいい仕事をしてくれて感謝です」

 扉から男は出ていく。
 三神がそれを追おうと扉を開けた時にはもう、男の姿は風のように居なくなっていた。

「あの人は大丈夫だよ、護衛とか見送りは」
「ギルド長がそう仰るなら」

 さて、黄河くんは想像以上に手に余る人材というわけか。

 昔、お袋が星理教の本を読んでいたのを覚えている。
 もしかしてその本を読めば、なんとなく色々見えてくるのか?

「いずれにしても、この件──表に出すわけにいかなそうだね」
「ギルド長。黄河さんは一体⋯⋯何者なんでしょうか?」
「分からない、あの元国家S級隠密部隊伝説の情報屋がこれだけしか用意出来なかったのをみると、国を相手にしていると思ったほうが良さそうだね」

 想像以上にデカイ。
 まずはこの星理教とかいうマイナー宗教にアポを取ってみようか。
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