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第一章
6話:日給
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「ピピッ!」
「おっ、来るか?」
あれから一時間。
俺はスライムと遭遇した。
「確かスライムは体当たりくらいしかできないって書いてあったな、跳ねるしかできない某ポケ〇ンのアイツを思い出すな!」
俺の言っていることを理解したのか、少し怒り気味に突進からの体当たりで向かってくる。
「ピッ!?」
「ようやく身体の使い方が分かるようになってきたぞ」
向かってくるスライムの真上を飛びながら背後に着地する。
一時間⋯⋯俺は違和感を感じなかった身体の使い方について気付き始めていた。
ダンジョン内だからかはまだわからないが、身体を使えば使うほど身体能力の変化に差が生まれていくことに気付いた。
最初に到着したときと比べて、もう力の感覚の違いが生まれたことに気づくほど⋯⋯ステータスカードの効力はとんでもない。
「そりゃ、冒険者にならない理由は無い、か」
少し助走をつけて飛び上がると、今みたいに宙に浮いて身を翻しながらモンスターを捉えることも可能になってきた。
もう少しスライムちゃんと一緒に明らかに変わったこの体の感覚を慣らしていこう。
それから俺は数十分の時間を掛けて様々な動きや力の加減を確かめていく。
基本的な動作はかなり操作しやすくなったような気がする。
「ピッ!」
「そろそろスライムちゃんを倒させてもらうとするか」
俺はリュックから取り出した鉄の槍を構え、試し振りをしてみる。
「おー、ステータスって凄いな」
振っても振っても今の所疲れる気がしない。
これが職業適性ってやつか。
今度はカッコイイ感じに柄を強く握ってクルクルと回転させながら、スライムにここぞとばかりに刃先を最終的に向けてみる。
「上手く行った。職業適性の効力恐るべし」
なんか最初から出来るような⋯⋯そんな感じがする。
「そしたら⋯⋯可愛らしいスライム君に悪いけど、経験値を貰うよ」
足に力を入れると一気に地面が抉れ、急加速してスライムに三歩ほどで目の前に移動する。
「ふっ!」
右上から一気に左下の軌道で振り切る。
⋯⋯使い方はまるで剣だ。
操作性はかなり身に付いているが使い方がなっていない。俺は後で槍術について深く勉強する必要がありそうだなと内心苦笑いで倒したスライムを見下ろしていた。
「ごめんな、スライムちゃん。許しておくれよ」
ダンジョン内にいるモンスターは、死ぬと紫色の粒子となって灰すら残らずに消えていき、代わりにドロップアイテムというものが落ちたりする。
これは確定ではないから、運がかなり左右される。
⋯⋯そうパンフレットに書いてありました。
「おっ、スライム君のドロップアイテムだ」
スライムのドロップアイテムはムラが激しいらしいが、一般的には先程も言ったとおり極小魔石という本当に小さい紫色の魔石が落ちるらしい。
しかし稀にスライム特有のアイテムが落ちたりもするとの情報が出回ったりもして、かなり複雑そうだ。
とにかく今は、経験値と極小魔石を手に入れるか。
俺はそのまま落ちた極小魔石を拾い、慣れてきた為、そこから暫くスライムを狩ることに集中した。
そして気付けば、飯も食わずに15時を過ぎていたのだった。
「あぁ~疲れたー!」
実際はそこまで疲れていないけど。
ステータスさんのお陰であまり疲れていないっぽい。
「深入りは禁物だな。まだ初回だし、アイテムとか色々あるみたいだからそういうのも調べなきゃいけないしな」
俺は深入りする事なく初心者ダンジョンからギルドへと帰る。 帰ると受付のお姉さんがこちらに気付いて駆け寄ってくる。
「黄河さん、お疲れ様でした! 怪我なんかは⋯⋯問題なさそうですね! どうでした? 初めてダンジョンは?」
「中々楽しかったです! お姉さんの助言に従って、深入りはせずにスライムを結構倒して帰ってきました」
そう言って俺は事前に必要だと言っていた大きい巾着袋にギチギチに詰めた極小魔石をお姉さんに渡した。
「預からせて頂きます。そういえば黄河さんだけ知っていて私の名前を名乗っていませんでしたね」
「あ、確かに! お姉さんのお名前は何ていうんですか?」
「私は受付嬢の三神友梨です、よろしくお願いします」
丁寧に頭を下げる三神さんに俺も挨拶をし返す。
「そしたら計算しますね⋯⋯おっ、凄いですね! 極小魔石が123個、スライムの粘液が一つ、すべて売却なさいますか?」
「三神さん的にはどうするのがいいと思いますか? 例えばスライムの粘液は何かに使えるとかが分かれば色々選択肢があると思うんですが⋯⋯」
「スライムの粘液は医学に数十年前から採用され始めているので、割と良い値で売却できますね。他にも粘液を使用して罠を張ったりも出来ますので、結構色々使えますが、お金が必要であれば売却でもいいんじゃないですかね」
「極小魔石は所有した方がいいんでしょうか?」
「生産系の職業の方は持っておいて損はないでしょうが、戦闘職の方は中魔石くらいまでは必要ないかなーという感覚です」
ふむふむなるほど。勉強になる。
「ひとまず売却でお願いします」
「はーい、それではすべて売却されるという事ですので、合計がこの額になります。ご確認ください」
そこには合計18450円という表記が映った。
「え?マジですか?」
「⋯⋯ご不満でしたか?」
「いえ、いい方のマジですかっす」
思わず敬語とタメ口が混ざってしまって慌てて言葉を直そうとする俺。
三神さんはなるほどと軽く微笑みながら会計を進めていく。
「これでもかなり安い方ですよ?難関ダンジョンやそこそこのダンジョンでもこれの10倍以上を一日で稼ぐ方も多くいらっしゃますから」
こりゃ就職なんかするわけないわな。
別にスライムを狩っている時なんて疲労感のひも感じなかったくらいだ。
こんな作業で俺の一日のバイト代の2倍を稼げるとなると⋯⋯色々今までの自分が崩れさりそうなんだが。
「ありがとうございます、もしよかったら何ですが、フリマ的なサイトってあったりするんですかね?先程言ってた生産職の方が売っていたり、素材だったりとか」
「あぁ、でしたら冒フルというサイトがオススメですね。冒険者の多くの割合が利用しているサイトです」
「おぉ、ありがとうございます! ぜひ見てみます!」
「できればギルドで売却してくださいね?」
俺の意図が読めたのか、三神さんはビジネススマイルで俺を牽制しにくる。
「勿論ですよ」
そう言って俺はウキウキで家路へとついた。
帰りはしっかりいつも以上に奮発してラーメンと惣菜、それからミルクティーの欲張りセットを購入して1人祝賀会を始める俺だった。
「おっ、来るか?」
あれから一時間。
俺はスライムと遭遇した。
「確かスライムは体当たりくらいしかできないって書いてあったな、跳ねるしかできない某ポケ〇ンのアイツを思い出すな!」
俺の言っていることを理解したのか、少し怒り気味に突進からの体当たりで向かってくる。
「ピッ!?」
「ようやく身体の使い方が分かるようになってきたぞ」
向かってくるスライムの真上を飛びながら背後に着地する。
一時間⋯⋯俺は違和感を感じなかった身体の使い方について気付き始めていた。
ダンジョン内だからかはまだわからないが、身体を使えば使うほど身体能力の変化に差が生まれていくことに気付いた。
最初に到着したときと比べて、もう力の感覚の違いが生まれたことに気づくほど⋯⋯ステータスカードの効力はとんでもない。
「そりゃ、冒険者にならない理由は無い、か」
少し助走をつけて飛び上がると、今みたいに宙に浮いて身を翻しながらモンスターを捉えることも可能になってきた。
もう少しスライムちゃんと一緒に明らかに変わったこの体の感覚を慣らしていこう。
それから俺は数十分の時間を掛けて様々な動きや力の加減を確かめていく。
基本的な動作はかなり操作しやすくなったような気がする。
「ピッ!」
「そろそろスライムちゃんを倒させてもらうとするか」
俺はリュックから取り出した鉄の槍を構え、試し振りをしてみる。
「おー、ステータスって凄いな」
振っても振っても今の所疲れる気がしない。
これが職業適性ってやつか。
今度はカッコイイ感じに柄を強く握ってクルクルと回転させながら、スライムにここぞとばかりに刃先を最終的に向けてみる。
「上手く行った。職業適性の効力恐るべし」
なんか最初から出来るような⋯⋯そんな感じがする。
「そしたら⋯⋯可愛らしいスライム君に悪いけど、経験値を貰うよ」
足に力を入れると一気に地面が抉れ、急加速してスライムに三歩ほどで目の前に移動する。
「ふっ!」
右上から一気に左下の軌道で振り切る。
⋯⋯使い方はまるで剣だ。
操作性はかなり身に付いているが使い方がなっていない。俺は後で槍術について深く勉強する必要がありそうだなと内心苦笑いで倒したスライムを見下ろしていた。
「ごめんな、スライムちゃん。許しておくれよ」
ダンジョン内にいるモンスターは、死ぬと紫色の粒子となって灰すら残らずに消えていき、代わりにドロップアイテムというものが落ちたりする。
これは確定ではないから、運がかなり左右される。
⋯⋯そうパンフレットに書いてありました。
「おっ、スライム君のドロップアイテムだ」
スライムのドロップアイテムはムラが激しいらしいが、一般的には先程も言ったとおり極小魔石という本当に小さい紫色の魔石が落ちるらしい。
しかし稀にスライム特有のアイテムが落ちたりもするとの情報が出回ったりもして、かなり複雑そうだ。
とにかく今は、経験値と極小魔石を手に入れるか。
俺はそのまま落ちた極小魔石を拾い、慣れてきた為、そこから暫くスライムを狩ることに集中した。
そして気付けば、飯も食わずに15時を過ぎていたのだった。
「あぁ~疲れたー!」
実際はそこまで疲れていないけど。
ステータスさんのお陰であまり疲れていないっぽい。
「深入りは禁物だな。まだ初回だし、アイテムとか色々あるみたいだからそういうのも調べなきゃいけないしな」
俺は深入りする事なく初心者ダンジョンからギルドへと帰る。 帰ると受付のお姉さんがこちらに気付いて駆け寄ってくる。
「黄河さん、お疲れ様でした! 怪我なんかは⋯⋯問題なさそうですね! どうでした? 初めてダンジョンは?」
「中々楽しかったです! お姉さんの助言に従って、深入りはせずにスライムを結構倒して帰ってきました」
そう言って俺は事前に必要だと言っていた大きい巾着袋にギチギチに詰めた極小魔石をお姉さんに渡した。
「預からせて頂きます。そういえば黄河さんだけ知っていて私の名前を名乗っていませんでしたね」
「あ、確かに! お姉さんのお名前は何ていうんですか?」
「私は受付嬢の三神友梨です、よろしくお願いします」
丁寧に頭を下げる三神さんに俺も挨拶をし返す。
「そしたら計算しますね⋯⋯おっ、凄いですね! 極小魔石が123個、スライムの粘液が一つ、すべて売却なさいますか?」
「三神さん的にはどうするのがいいと思いますか? 例えばスライムの粘液は何かに使えるとかが分かれば色々選択肢があると思うんですが⋯⋯」
「スライムの粘液は医学に数十年前から採用され始めているので、割と良い値で売却できますね。他にも粘液を使用して罠を張ったりも出来ますので、結構色々使えますが、お金が必要であれば売却でもいいんじゃないですかね」
「極小魔石は所有した方がいいんでしょうか?」
「生産系の職業の方は持っておいて損はないでしょうが、戦闘職の方は中魔石くらいまでは必要ないかなーという感覚です」
ふむふむなるほど。勉強になる。
「ひとまず売却でお願いします」
「はーい、それではすべて売却されるという事ですので、合計がこの額になります。ご確認ください」
そこには合計18450円という表記が映った。
「え?マジですか?」
「⋯⋯ご不満でしたか?」
「いえ、いい方のマジですかっす」
思わず敬語とタメ口が混ざってしまって慌てて言葉を直そうとする俺。
三神さんはなるほどと軽く微笑みながら会計を進めていく。
「これでもかなり安い方ですよ?難関ダンジョンやそこそこのダンジョンでもこれの10倍以上を一日で稼ぐ方も多くいらっしゃますから」
こりゃ就職なんかするわけないわな。
別にスライムを狩っている時なんて疲労感のひも感じなかったくらいだ。
こんな作業で俺の一日のバイト代の2倍を稼げるとなると⋯⋯色々今までの自分が崩れさりそうなんだが。
「ありがとうございます、もしよかったら何ですが、フリマ的なサイトってあったりするんですかね?先程言ってた生産職の方が売っていたり、素材だったりとか」
「あぁ、でしたら冒フルというサイトがオススメですね。冒険者の多くの割合が利用しているサイトです」
「おぉ、ありがとうございます! ぜひ見てみます!」
「できればギルドで売却してくださいね?」
俺の意図が読めたのか、三神さんはビジネススマイルで俺を牽制しにくる。
「勿論ですよ」
そう言って俺はウキウキで家路へとついた。
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