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歴史上最強の護衛、爆誕
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それから更に一週間が経過した。
依然としてこのガキは登校しない。
まぁ野田爺からおおよその話を聞いてしまって以降、俺も多少なりとも機微をよく確かめるようになった。
このガキは、反抗期の割には人の感情というのをよく読める中々賢い高校生の女児だと思う。
だからこそ、周りとのギャップに苛まれてこういう風になっているのだろうと勝手ながら見ている。
まぁでも、多分普通の女子高校生。そんな所まで計算はしていないだろう。
「ねぇ仁くん、今日は何する?」
「今日も何も、潔子さんの家事を手伝うだけだ」
「それじゃつまんないじゃん~!」
ソファの上で手足をバタつかせて駄々をこねる女子高校生。俺はなんとも頭が痛いのだが、それは俺が特殊だからとも言えるのかもしれない。
「最近は何が流行っているんだ?」
「なになに!? 自分特別だから流行りなんて知りませんって!?」
紬の何気ない一言だったが、聞いていた野田さんが突如怒鳴った。
「紬!!」
「な、何よ⋯⋯パパ」
普段全く声なんて荒らげない野田さんが、珍しく怒鳴っていた。潔子さんも思わずビクッと体を竦ませるほどで、その様子からも普段の振る舞いが分かる。
「仁には色々あるんだ。そんな風に言わないでやってくれ」
俺自身はあまり何も思っていなかったが、野田さんの表情は至って真剣。圧に耐えきれなかったガキは、すぐに背を向けてドンドン音を鳴らして部屋には帰っていく。
「あなた、言い過ぎなんじゃないの? 」
「分かってるさ。だが言わずにいられなかった」
「そうだぞ⋯⋯娘なんだろ」
「まぁな。だがこれだけ譲れん」
父親にも色々あるんだな。
「さて、俺も買い出しにでも行くとするかね」
「やめとけ、一度行ったのにまだ分からないのか?」
椅子に座って爪楊枝で歯に挟まったカスを取りながら、笑って見上げる。
「え?なんかあったっけ?」
「はぁ⋯⋯だから、もうお前がイケメン過ぎて、スーパーの連中の仕事が全く手に付かん」
「なんだよ。俺は病原菌かよ」
「ある意味そうかもな。おばちゃんたちの顔⋯⋯見たことあるか? 最近なんか皆念入りに化粧までしてやがる」
変なこと言いやがって。
「それで? 家事の手伝いの一つもできない10歳児なんて困るぞ」
「普通にしてればいい。別に特別な事をする必要はないだろう? ただの10歳児なんだから」
⋯⋯そんなことの為に俺はここに居させられてるのかいな。
「部屋は紬の隣だ。好きに使っていい」
「⋯⋯そりゃどうも」
背を向けてヒラヒラ手を振って俺は部屋に戻った。
静かに扉をパタンと閉め、俺は静かに脚を組んで瞑想を始める。
心法の日課を忘れるところだった。
さっさと一周天させないと。
***
それから一時間が経過した。
というより、物音がして瞑想状態が強制的に終わらせたというのが正しい。
理由は、隣からすすり泣く声が聞こえたからだ。俺は何かあったのかと思い、隣の扉をノックする。
「おい、ガキンチョ?」
無反応か。
もう一度ノックする。
「蹴破るけど良い?金ならあるし」
そう言うと、カチャンと閉じていた鍵が開き、ガキンチョが瞼を腫らした状態で俺の前に現れた。
「ほら、とりあえず入れろ」
入るといかにもな一人部屋だった。右側にベッド。左側に沢山の教材と友達との写真が貼られた学習机。壁には流行っているバンドのポスターが。
「ガキンチョはベッドに座れ」
泣きすぎて声は出ないが、無言で頷いてベッドにちょこんと座る。俺はといえば、机付属の椅子に足を組んで座り、しばらくガキを見つめた。
⋯⋯当然ながら静寂な時間が数分間流れた。
少し落ち着いたのを見計らって、俺は言葉を発し始める。
「他言するつもりは全く無い。だが、お前が隠していることを知っているのも事実だ。俺に解決できる事があるかもしれない──言ってみろ」
強い口調なのは理解している。
だが、本人に解決する気がなければ、俺が何を言ってもこの田舎ではあまり意味をなさない。
「なんで」
「なんで?」
「ケータイ、見たの?」
「まぁな。俺とは違って、お前は普通の学生だろ。不登校なのにはワケがあるなんてのは想像の範囲内だ」
実際に見てはいないが、これで野田爺に被害が行かないならそれでいいだろう。
「裸⋯⋯みた?」
「やっぱりか。それはしらん。送らないとマズいという内容のメールは見た」
「そうなんだけど⋯⋯」
「それで? 他にもあるんだろ?」
割り込んで続けると、弱々しい声で事情を話し始めた。
要約すると⋯⋯こうだ。
学校にいる不良の代表格である草木という人物を筆頭に、学校中の女に対して襲うということはしないが、代わりにそっちのおかずを送れという⋯⋯何とも恥ずかしい事が日常的に行われているらしい。
幸い、まだ送ってはいないが、写真は取って彼女のケータイに入っているらしい。
そして──その草木という人物だけではなく、それ以外にも様々なことに巻き込まれているようだ。
そもそも彼女の学校は九州でもかなりの不良校であり、その辺の女に人権が無く、常に縄張り争いだの、大人が混ざっているだの、まぁ海外のギャング街っぽいことになっている様だ。
代表格の草木には誰も手が出せず、先生達ですら手に負えないのだとか。
そんな様な話を20分程聞いた。
野田爺が言うように、彼女の父親が自衛隊のお偉いさんに近いことを知っているせいか、よく狙われるらしく、それで過去に酷い時は護衛を付かせないと大変な事になりそうな事が何回かあったんだと。
──なるほど。爺が護衛を付けるのも納得だ。
そんで、俺に要請したいのは、信頼があるからだと言うことも。
俺は少し荒く髪を掻きながら溜息を吐き、顔を上げて彼女に問い掛ける。
「お前はどうしたい?」
「どうっ⋯⋯て?」
「まぁ、お前も良い状態ではないから真面目に聞くが、俺にはお前を助けれる力がある。だが、お前にその気がないなら助けるつもりはない。初対面の時、お前はいったな?10歳如きに何が出来るんだって」
「⋯⋯⋯⋯」
「別に責めたいわけじゃない。ただ、お前がやる気になんないと⋯⋯俺も微妙だって話だ」
「なんとか⋯⋯なるの?」
「イジメられている側の気持ちは俺にも分かる。勝てないイメージが付いていることも、事実目の前にした時に、ビビっちゃうのも。
だが、俺はどうにかしてやれる。
俺が問いたいのは、お前がそこまでして学校に行きたいのかって話だ。勉強や単位も大事だが、逃げないで将来心に消えない傷が付くことのほうが最悪だと俺は思う。だから、学校に元々行きたくないのなら、別に逃げてもいいだろう。行きたくもねぇ場所にわざわざ一生懸命精神すり減らして行く必要はねぇ」
俺の話を驚いた様子で聞いている。
そんなに変な事を言ったか? そんなつもりはないんだが。
「確かに10歳ではないね。大人の意見かと思った」
「別に何でもいいだろ。とりあえずは、お前が学校に行きたいのか行きたくないのかの二択を知りたい」
少し俯いて下を見ていた彼女は、腹を括ったように俺を見上げた。
「友達が⋯⋯いるの。大事な」
「ハッ、こんな時にお友達の方が大事か? 平和ボケも良いところだ」
「うん。だけど、学校に行きたい」
「─────決まりだ」
そう言って立ち上がり、ドアノブに手を掛ける。
「何処行くの?」
「ちょっと用事ができた。もちろん、他言はしない。いつから学校に行きたい?」
「あ、明日にでも⋯⋯」
「そうか。なら、護衛として付いていってやるもし俺が起きてなかったら起こせ」
「⋯⋯え? なんでそんな上か──」
バタンと勢い良く閉めてうるさいガキを黙らせ、俺はすぐにスマホの履歴からある人物に電話を掛け、階段を降りて玄関の外へと出る。途中二人に声を掛けられたが、こっちの用事が大事だ。
ーーお疲れ様ですsin。
「仕事だ。今から言う学校の全生徒の情報を用意しろ。全速力だ」
ーーかしこまりました。事前に調べていた所もあり、予定より早いと思われます。
「あぁ、ならいい。金は振り込んでおく」
通話を切ると、次の人物へと掛ける。
ーーこれはこれは。
「明日、俺はある小娘の護衛として学校へと出席する。理解できるな?」
ーーかしこまりました。神城様の仰る通り、手筈は整えさせていただきます。
「分かればいい。とりあえず用件は以上だ」
一方的に通話を終了させ、最後に一人。
ーーおー!どうした?珍しいじゃん。
「日本入りはどうだ?」
ーーちょうど先日日本入りした。今、ホテルで日本食どこで食べようかなって悩んでたところ。
「なら後で送る住所に神城に紹介されたって言えばある程度理解してくれるはずだ」
ーーえ!? マジで?ここお寿司じゃん!
「今送ったのにもう見たのかよ」
ーーやる~! それで?どうかしたの?
「そういえば日本のヤクザと関わりってあった?」
ーーまぁ多少?
「九州で有名な所は?」
ーー山路組と國立だったはず。情報網で言うと、ここ最近阿修羅連合っていう学生グループのバックに色々付いているらしいよ?
「中々日本も物騒になって来たな」
ーーまぁね。最近は結構な量で日本に参入しているみたいだし、結構治安もよろしくないっぽいよね。
「とりあえず了解。あとは⋯⋯」
ーーあー!そんで、いつ会えんのよ。
「来週?」
ーーおー! そんな早い会えると思ってなかったわ! そしたらそっち行こうか?
「良いのか?」
ーー九州って言ったら、家系ラーメンも色々あるでしょ? 飯も美味いって言うし!
「なら、後でそれも送る」
ーーおっけー!じゃあまた来週!
ピッ。と通話が終わり、俺は至急仲間にスーツを送るよう頼み、家に戻った。
依然としてこのガキは登校しない。
まぁ野田爺からおおよその話を聞いてしまって以降、俺も多少なりとも機微をよく確かめるようになった。
このガキは、反抗期の割には人の感情というのをよく読める中々賢い高校生の女児だと思う。
だからこそ、周りとのギャップに苛まれてこういう風になっているのだろうと勝手ながら見ている。
まぁでも、多分普通の女子高校生。そんな所まで計算はしていないだろう。
「ねぇ仁くん、今日は何する?」
「今日も何も、潔子さんの家事を手伝うだけだ」
「それじゃつまんないじゃん~!」
ソファの上で手足をバタつかせて駄々をこねる女子高校生。俺はなんとも頭が痛いのだが、それは俺が特殊だからとも言えるのかもしれない。
「最近は何が流行っているんだ?」
「なになに!? 自分特別だから流行りなんて知りませんって!?」
紬の何気ない一言だったが、聞いていた野田さんが突如怒鳴った。
「紬!!」
「な、何よ⋯⋯パパ」
普段全く声なんて荒らげない野田さんが、珍しく怒鳴っていた。潔子さんも思わずビクッと体を竦ませるほどで、その様子からも普段の振る舞いが分かる。
「仁には色々あるんだ。そんな風に言わないでやってくれ」
俺自身はあまり何も思っていなかったが、野田さんの表情は至って真剣。圧に耐えきれなかったガキは、すぐに背を向けてドンドン音を鳴らして部屋には帰っていく。
「あなた、言い過ぎなんじゃないの? 」
「分かってるさ。だが言わずにいられなかった」
「そうだぞ⋯⋯娘なんだろ」
「まぁな。だがこれだけ譲れん」
父親にも色々あるんだな。
「さて、俺も買い出しにでも行くとするかね」
「やめとけ、一度行ったのにまだ分からないのか?」
椅子に座って爪楊枝で歯に挟まったカスを取りながら、笑って見上げる。
「え?なんかあったっけ?」
「はぁ⋯⋯だから、もうお前がイケメン過ぎて、スーパーの連中の仕事が全く手に付かん」
「なんだよ。俺は病原菌かよ」
「ある意味そうかもな。おばちゃんたちの顔⋯⋯見たことあるか? 最近なんか皆念入りに化粧までしてやがる」
変なこと言いやがって。
「それで? 家事の手伝いの一つもできない10歳児なんて困るぞ」
「普通にしてればいい。別に特別な事をする必要はないだろう? ただの10歳児なんだから」
⋯⋯そんなことの為に俺はここに居させられてるのかいな。
「部屋は紬の隣だ。好きに使っていい」
「⋯⋯そりゃどうも」
背を向けてヒラヒラ手を振って俺は部屋に戻った。
静かに扉をパタンと閉め、俺は静かに脚を組んで瞑想を始める。
心法の日課を忘れるところだった。
さっさと一周天させないと。
***
それから一時間が経過した。
というより、物音がして瞑想状態が強制的に終わらせたというのが正しい。
理由は、隣からすすり泣く声が聞こえたからだ。俺は何かあったのかと思い、隣の扉をノックする。
「おい、ガキンチョ?」
無反応か。
もう一度ノックする。
「蹴破るけど良い?金ならあるし」
そう言うと、カチャンと閉じていた鍵が開き、ガキンチョが瞼を腫らした状態で俺の前に現れた。
「ほら、とりあえず入れろ」
入るといかにもな一人部屋だった。右側にベッド。左側に沢山の教材と友達との写真が貼られた学習机。壁には流行っているバンドのポスターが。
「ガキンチョはベッドに座れ」
泣きすぎて声は出ないが、無言で頷いてベッドにちょこんと座る。俺はといえば、机付属の椅子に足を組んで座り、しばらくガキを見つめた。
⋯⋯当然ながら静寂な時間が数分間流れた。
少し落ち着いたのを見計らって、俺は言葉を発し始める。
「他言するつもりは全く無い。だが、お前が隠していることを知っているのも事実だ。俺に解決できる事があるかもしれない──言ってみろ」
強い口調なのは理解している。
だが、本人に解決する気がなければ、俺が何を言ってもこの田舎ではあまり意味をなさない。
「なんで」
「なんで?」
「ケータイ、見たの?」
「まぁな。俺とは違って、お前は普通の学生だろ。不登校なのにはワケがあるなんてのは想像の範囲内だ」
実際に見てはいないが、これで野田爺に被害が行かないならそれでいいだろう。
「裸⋯⋯みた?」
「やっぱりか。それはしらん。送らないとマズいという内容のメールは見た」
「そうなんだけど⋯⋯」
「それで? 他にもあるんだろ?」
割り込んで続けると、弱々しい声で事情を話し始めた。
要約すると⋯⋯こうだ。
学校にいる不良の代表格である草木という人物を筆頭に、学校中の女に対して襲うということはしないが、代わりにそっちのおかずを送れという⋯⋯何とも恥ずかしい事が日常的に行われているらしい。
幸い、まだ送ってはいないが、写真は取って彼女のケータイに入っているらしい。
そして──その草木という人物だけではなく、それ以外にも様々なことに巻き込まれているようだ。
そもそも彼女の学校は九州でもかなりの不良校であり、その辺の女に人権が無く、常に縄張り争いだの、大人が混ざっているだの、まぁ海外のギャング街っぽいことになっている様だ。
代表格の草木には誰も手が出せず、先生達ですら手に負えないのだとか。
そんな様な話を20分程聞いた。
野田爺が言うように、彼女の父親が自衛隊のお偉いさんに近いことを知っているせいか、よく狙われるらしく、それで過去に酷い時は護衛を付かせないと大変な事になりそうな事が何回かあったんだと。
──なるほど。爺が護衛を付けるのも納得だ。
そんで、俺に要請したいのは、信頼があるからだと言うことも。
俺は少し荒く髪を掻きながら溜息を吐き、顔を上げて彼女に問い掛ける。
「お前はどうしたい?」
「どうっ⋯⋯て?」
「まぁ、お前も良い状態ではないから真面目に聞くが、俺にはお前を助けれる力がある。だが、お前にその気がないなら助けるつもりはない。初対面の時、お前はいったな?10歳如きに何が出来るんだって」
「⋯⋯⋯⋯」
「別に責めたいわけじゃない。ただ、お前がやる気になんないと⋯⋯俺も微妙だって話だ」
「なんとか⋯⋯なるの?」
「イジメられている側の気持ちは俺にも分かる。勝てないイメージが付いていることも、事実目の前にした時に、ビビっちゃうのも。
だが、俺はどうにかしてやれる。
俺が問いたいのは、お前がそこまでして学校に行きたいのかって話だ。勉強や単位も大事だが、逃げないで将来心に消えない傷が付くことのほうが最悪だと俺は思う。だから、学校に元々行きたくないのなら、別に逃げてもいいだろう。行きたくもねぇ場所にわざわざ一生懸命精神すり減らして行く必要はねぇ」
俺の話を驚いた様子で聞いている。
そんなに変な事を言ったか? そんなつもりはないんだが。
「確かに10歳ではないね。大人の意見かと思った」
「別に何でもいいだろ。とりあえずは、お前が学校に行きたいのか行きたくないのかの二択を知りたい」
少し俯いて下を見ていた彼女は、腹を括ったように俺を見上げた。
「友達が⋯⋯いるの。大事な」
「ハッ、こんな時にお友達の方が大事か? 平和ボケも良いところだ」
「うん。だけど、学校に行きたい」
「─────決まりだ」
そう言って立ち上がり、ドアノブに手を掛ける。
「何処行くの?」
「ちょっと用事ができた。もちろん、他言はしない。いつから学校に行きたい?」
「あ、明日にでも⋯⋯」
「そうか。なら、護衛として付いていってやるもし俺が起きてなかったら起こせ」
「⋯⋯え? なんでそんな上か──」
バタンと勢い良く閉めてうるさいガキを黙らせ、俺はすぐにスマホの履歴からある人物に電話を掛け、階段を降りて玄関の外へと出る。途中二人に声を掛けられたが、こっちの用事が大事だ。
ーーお疲れ様ですsin。
「仕事だ。今から言う学校の全生徒の情報を用意しろ。全速力だ」
ーーかしこまりました。事前に調べていた所もあり、予定より早いと思われます。
「あぁ、ならいい。金は振り込んでおく」
通話を切ると、次の人物へと掛ける。
ーーこれはこれは。
「明日、俺はある小娘の護衛として学校へと出席する。理解できるな?」
ーーかしこまりました。神城様の仰る通り、手筈は整えさせていただきます。
「分かればいい。とりあえず用件は以上だ」
一方的に通話を終了させ、最後に一人。
ーーおー!どうした?珍しいじゃん。
「日本入りはどうだ?」
ーーちょうど先日日本入りした。今、ホテルで日本食どこで食べようかなって悩んでたところ。
「なら後で送る住所に神城に紹介されたって言えばある程度理解してくれるはずだ」
ーーえ!? マジで?ここお寿司じゃん!
「今送ったのにもう見たのかよ」
ーーやる~! それで?どうかしたの?
「そういえば日本のヤクザと関わりってあった?」
ーーまぁ多少?
「九州で有名な所は?」
ーー山路組と國立だったはず。情報網で言うと、ここ最近阿修羅連合っていう学生グループのバックに色々付いているらしいよ?
「中々日本も物騒になって来たな」
ーーまぁね。最近は結構な量で日本に参入しているみたいだし、結構治安もよろしくないっぽいよね。
「とりあえず了解。あとは⋯⋯」
ーーあー!そんで、いつ会えんのよ。
「来週?」
ーーおー! そんな早い会えると思ってなかったわ! そしたらそっち行こうか?
「良いのか?」
ーー九州って言ったら、家系ラーメンも色々あるでしょ? 飯も美味いって言うし!
「なら、後でそれも送る」
ーーおっけー!じゃあまた来週!
ピッ。と通話が終わり、俺は至急仲間にスーツを送るよう頼み、家に戻った。
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