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再生、そして
第151話 伯爵令嬢と元S級冒険者の女
しおりを挟むさてこいつらにはこれでいいが、後はこの我が儘女だな。何で女を求めているかは知らんが。
「さて、あんたには同じくやって来た女を任せたい。」
「きゃああ!やっと、やっとなのね!早く連れてきなさいよ!」
この3人の中でこいつが一番質が悪そうだが、奴隷の女共は大丈夫か?ちょっと同情したくなるが、まあ元々冒険者としてそれなりに死線をくぐり抜けてきた連中だ。
身の危険にはちゃんと対処するだろう?そんな事を気にしてやるほど俺はお人好しではないが、ヤーナから言わせれば人でなし?まあ今回奴隷落ちし、この場に連れられてきた連中は、その理由から俺には人扱いが出来ないのだが。
まあ内緒だな。
「いいか、元S級の冒険者の連中だ。【一騎当千】というクランぐらいは聞いた事があるだろう?その元メンバーだ。」
拠点を破壊してくれた女は、俺が貴族令嬢に発した言葉に対しぎゃあぎゃあ言っているが、俺は密かに(小声で)、
『あのバカ女を管理しろ。それぐらいできるだろう?』
『何よそれ!これでも私はS級冒険者よ!何であんな中身が空っぽな連中の管理をしないといけないのよ!』
この女、魔族にかどわかされた、あるいは何らかの洗脳をされていたようだが、一応元はまともな部類に入るはず。ちゃんと言っておけばやってくれるよな?
『あんたの罪はこれぐらいで消えはしない・・・・だが、あんたに管理してもらうのは腐っても貴族の令嬢だ。親はどうやら国にとって重要な位置付けにあるらしい(ヤーナに教えてもらった)。あんたにならあの女の管理ぐらい簡単にできるだろう?それにちゃんと管理をやっていれば、悪いようにはしない。つまりだな、あの令嬢の周囲にはそこそこ良い設備を用意してあるから、温泉も含めた設備だが、上手くあの令嬢を利用・つまり管理する上でのと言う意味でだが、ちゃんと管理していれば使っていいぞ。そうそう、何かあればすぐに報告するのを忘れるな。』
注:管理とは
1 ある規準などから外れないよう、全体を統制すること。「品質を―する」「健康―」「―教育」
2 事が円滑に運ぶよう、事務を処理し、設備などを保存維持していくこと。「―の行き届いたマンション」「生産―」
3 法律上、財産や施設などの現状を維持し、また、その目的にそった範囲内で利用・改良などをはかること。
goo引用
あ、目つきが変わった。どうやら奴隷落ちしてからまともな扱いを受けていなかったらしい。
『それ本当よね?』
『ああ、女同士ではどうなのかは知らんが、男同士だったらいわゆる裸のお付き合いだ。頑張って自分にとって都合がよくなるように導いてくれ。』
さて、我が儘女に傲慢女。
この2人が接触するとどうなるか見物だな。あれ?一緒か?ちょっと違うよな?
それと忘れそうになったが、豚共も連れてこないとな。
俺はもう一度2人の令息に向き合った。
「この地を治めていた元男爵3人を任せたい。貴族の子であるあんた達であれば扱いも心得ているだろう?」
「む!元男爵か?我等は伯爵(の子供)だ。それぐらい容易い。任せるがよい。」
3人はそれぞれの居場所へ戻っていった。
さて、次が大事だ。
俺はさっきの盆暗3人、あれに従って待機していた面々を呼んだ。
「すまないね。あの盆暗共にはちょうどいいと思うんだが、暴走しないようにしっかりと見ておいてほしい。どうやらあの盆暗共の親は、国にとって無下に扱う事が出来ない要人らしく、こっちでも扱いに困っていたんだ。はっきり言って何かをされるのは迷惑なんだが、だからと言って遊ばせると色々と問題になりそうで、ああして何かをしている体裁を整えてみたから頼むよ。それと、あいつ等のせいできちんと決まっていないが、この地には遊技・遊戯があまりなくて、今それを考えている。差し当たっては賭けをしたい。今有力なのはホーンラビットによるレースだ。」
色々と要求をしたが、この3人は頭の回転が速いようで、直ぐに俺の言っている事を理解したらしい。
ぶっちゃけ俺の説明は下手だ。
だがそれでも理解できるのだから、相当優秀なのだろう。
「クーン卿も、色々と面倒な事柄を押し付けられたのですね。あの3人に関しては元々密命を受けていますのでご安心下さい。」
「元【一騎当千】の、しかも【大胆不敵】の傲慢女をここへ投入するとは。クーン卿にはいつも驚かされますわ。それに先だって言っていた事をこれほど早く準備して下さるとは驚きですわ。」
注:145話での会話の内容です。
そしてこの試みは、意外な結果をもたらす事になる。
遊びに関して、3人の盆暗共は意外な一面を見せたのだ。
そう、無駄に知識が豊富だったのだ。
ホーンラビットのレースはこちらが主導して行ったが、もっと身近な遊びに関しては押し付けた奴隷共々結果を出す事になる。
毒が薬になったって事か?
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