異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ

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クランとしての試練

第136話 知っていた事実と知らなかった事実

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 クーン工房の炉に宿っていた精霊が暴走、そして炉が爆発、周囲がクレーター状になり全てが消えてしまった。

 知っていた事実を伝えられる。
 それはこの目でも見たからわかる。
 但し精霊の気配はなかった。

 それとこの報告には間違いがある。
 全てが消えたわけではない。
 源泉が湧くという事は、源泉の元まで穴を掘る必要があり、筒がそこまで通してあるのだ。
 その筒が無事だった。
 今日俺が直接見て確認したから間違いないのだが、源泉の筒には逆流防止の弁を設置してあったが、機能していた。本来はこのような事態を想定して設けた訳ではないが、結果として源泉は守られた。

 だから源泉はその弁を機能させればまた湧き出す。
 栓は破壊されたから、もう一度作り直しだが、【土】スキルがあれば簡単だ。

 俺は報告を止めさせた。
「ちょっと待ってくれ。その報告は間違っている。」
 驚いたのは国王夫妻だ。
「クーンよ、報告の何が間違いなのだ。国の威信をかけて調べさせたのだぞ。かの地には何も残っておらん。」
「それは間違っている。俺は城に来る前に源泉の様子を見てきた。源泉は無事だ。」
「馬鹿な!あの地は余も直接目視したが、実際何もなかった!」
「そうだわえ。円状の陥没、周囲の盛り上がり以外何も見つからなかったのじゃ。」
 国王と王妃が指摘する。
「俺は少し地面を掘った。クレーターの中心から少し離れた場所だ。炉の設置してあった場所と源泉の筒を通していた位置は頭に入っていたからな。しかも逆流防止弁が機能していたから、源泉が湧きだす事が無かった。栓を設け弁を機能させれば温泉はすぐにでも再開できる。」

「それは真かえ?この際じゃ、城まで源泉を通すのじゃ。」
 王妃が凄い剣幕だ。どれだけ温泉好きだったんだよ!

 それなりに距離があるが、王都の中だからな。
 地下を通すか、道の下に埋めるか。
 地下だったらシロ達に頼めば地脈を利用できるか?

 暫く温泉復興の話となってしまった。
 だが報告が終わったわけではない。

 物理的な被害状況の報告が終わり、今度は精霊についてだ。

 やはり炉に宿っていた精霊を含め、温泉複合施設に宿っていた精霊も軒並みその気配が消えていたそうだ。

 湯が出る場所には全て、そして料理を作るのに必要な竈、そこにも精霊が宿っていたんだ。
 それが全て居なくなるというのはどうもおかしい。
「私も確認いたしましたが、あの地には精霊が居ませんでした。普通は下位の精霊が漂っていますが、それすら・・・・」
 ヤーナが半ば泣きそうだ。
 炉に宿っていた精霊はサラマンダーだったかイフリートだったか、上位の精霊だったはず。
 それを暴走させるとは、ヤーナ以上の精霊使いの仕業か、強力な魔道具を用いた?

「精霊に関しては後に話があります。それに関連する事柄になりますが、今度はクラン【一騎当千】に関してでございます。」
 ここで関わってくるのか?
「では引き続き・・・・【一騎当千】の中心たるパーティー【大胆不敵】でございますが、クラン総出でダンジョンの攻略を推し進めておりましたが、見事70層を攻略、その後引き返せばいいものを欲をかき、無謀にも75層を目指したようでございます。過去に70層以降の攻略成功の報告が何故ないのか、理解していたのかしていなかったのか、74層で断念したようでございますが、パーティー【大胆不敵】は6名中3名の未帰還となった様でございます。そしてクラン【一騎当千】でございますが、サポートとして追従していたようですが、こちらもメンバーの過半数が未帰還となっております。」

 おいおいどれだけ無謀だったんだよ。

「そして精霊使いのスキル持ちが、【大胆不敵】の生き残りのメンバーにおりまして。」
 何となくわかった気がする。
因みに今説明してくれているのは進行役でもあるセバスチャンだ。議長だっけ?
「なあ、ここでそいつの話があるって事は、炉の爆発に関わっているんだよな。」
「左様でございますクーンさま。生き残ったのは女性でございますので、温泉施設にて温泉を利用する時、我々男性より警戒が薄くなってしまうのでございます。そしてどうやら温泉を起点とし、精霊を暴走させていったとか。残念ながら彼女のレベルはヤーナ殿をはるかに上回っており、ヤーナ殿が召喚・使役している精霊を暴走させるにはヤーナ殿より術者のレベルが上回っていれば可能で御座いまして、最終的に炉が暴走したとの見解でございます。」
「何でその女がそんな事をしでかしたんだよ!」
 意味不明だ。理由がわからん。
「どうやらまた魔族にそそのかされたように御座います。」
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