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クランとしての試練

第105話 嫌がらせ

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 あれから【一騎当千】の嫌がらせが何度もあった。
 そっちはS級クランなのに何しちゃっているんだ!と思うが、地味な嫌がらせだ。

 別の街で【以一当千】を名乗り街の至る所に糞尿をまき散らしたり、街道で俺達の名の下でワザと魔物と戦い道をふさぎ、その後街道をボコボコにしていったり後始末をしなかったり。

 そう言った苦情が連日冒険者ギルドに来るのだとか。
 だがこっちにはアリバイがある。
 そう、俺達【以一当千】のメンバーは王都以外で活動をした事が無いのだ。
 だから他の街で何かをすると言った事がそもそもない訳で、こういった苦情があるたびに、俺達は作業の手を休め、冒険者ギルドへ全員顔を出す羽目になる。
「ご、ごめんなさいね。」

 ベテラン?受付嬢のフスタさんが俺達に謝罪をして来る。
 因みに他の街での悪行は、全て男性の仕業なのだが、俺達クランの男性と女性の比率は圧倒的に女性が多い。
 確か女性が20名後半に対し、男は・・・・10名ほど?
 俺とニールスにい、ティーデとマース、そしてディーデリック、ああそうそう、セバスチャンは人数に入れていない。そもそも拠点の管理が彼の仕事。

 残りの5名は・・・・採取を中心に頑張っている。
 そして致命的な違いなのだが、俺達全員10代半ばまでなんだ。
 街で悪さをしている連中はどう見ても20代か、それより上なんだとか。
 じゃあ何でわざわざ俺達が、こうして出頭しないといけないんだよ!

 そんな中流石にディーデリックが怒り心頭で、
「その悪さをしている連中を何とかしてもらうよう、父に進言するとしよう。そして正式に依頼を出す。」
 父って、国王ですやん。
「しかしディーデリック王子、国王陛下のお手をこのような事で・・・・」
「いいかフスタ嬢よ、これは王族への挑戦と見た。クラン【以一当千】に二人の王族が在籍しているという事実は、広く知れ渡っているはずだ。」

「それはそうなのですが・・・・実は調べはついているんです。」
 ここでニールスにいがため息を。
「はあ・・・・また【一騎当千】ですか?逆恨みも大概だと思うのだけれど、しかも相手はS級クラン。こちらは最近C級にランクアップしたばかり。何故このような事が続くのでしょうね。」
 そう、我等が【以一当千】は、いつの間にかC級にランクアップしていたのだ。
 Ðをすっ飛ばした気もするが・・・・え?俺が冒険者ギルドに来ていないからだって?
 こう言った事は副代表でもいいんだよな。
 ほぼ毎日顔を出しているニールスにいが受け持ってくれるし。

 そんな時、緊急の連絡が入った。
「・・・・え?まさか!今【以一当千】の男性メンバーは全員この場に居るんですよ!絶対に違う組織ですから、取り締まって!」
 何やら他の街のギルド同士で通信できる魔道具で連絡をしていた様だ。

「なあ、そこって近いのか?」
 俺は聞いてみた。
「と、隣の街ですから、辺境とは正反対側に馬車で半日と言った所ですわ。」
【我の陰隠で地脈に乗れば夕方までには着くぞ。】

 今はお昼過ぎ。そしてシロの言葉。
「シロのスキルですぐに着く様だが、行った方がいいのか?」

「あ、で、では私を含め3名のギルド職員を連れて行ってはくれませんか?」
【なあ、複数の人を運べるか?】
【できなくはない。他の仲間に頼むか?クランの女性メンバーの仲間を借り受ければよかろう。】

 因みにこのメンバーで、いやクラン【以一当千】のメンバーの中でもクーンが圧倒的に速く移動できる。
 従魔が己の能力以上の力を発揮しようと思うと、主の魔力を用いる事になるからに他ならない。

【じゃあ俺は後から向かうから、シロは他の従魔に連絡をしてくれ。そして俺は天ちゃんで行く!】
 シロは他の従魔に連絡をするために消えた。
「そういう訳で、俺は後から行くけれど、必ず追いつく。」
「分かったクーン。僕達今居合わせているメンバーで、何とか先行する。従魔を総動員だな。但し天馬は半数が貸し出し中だ。」
 2体の天馬が貸し出し中。

「そういう事であれば、我がドラゴンを呼び出そう。あれは近くに居るはず。」

 3体とも魔境の向こうに戻ったんじゃないのか?
 少なくともポチは魔境に居るはず。
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