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クランとしての試練
第103話 この頃クーンは
しおりを挟むこの頃クーンは悩んでいた。
商人ギルドからの注文が多すぎて、限界をとうに超えていたからだ。
「パメラさん、これ以上は無理だ!」
「そんな事を言わず、今の内なんですよ!時間が経てばライバルも対策を練ってきますから!」
俺は断った。
白磁器の注文数が多すぎて、俺もそうだがヤーナの絵付けが間に合わないのだ。
だからと言って人を増やして・・・・既にクランメンバーのうち、希望者には実際作業をしてもらっているのだが、それは俺が用意した土を皿の形にする作業であったり、実際に絵付けの終わった皿を炉に投入する作業を受け持ってもらったり。
これらの作業は分担ができるのだが、白磁器本体の素材と釉薬及び絵付の素材は俺が用意しないと駄目な上に、実際の製品のデザインは全てヤーナが受け持っていた為、代わりの人が居ないのだ。
実際色々なクランメンバーがチャレンジしたが、残念ながらヤーナのレベルには遠く及ばず、2人の負担が増していたのだ。
「では絵付けを簡略した製品を出せば?」
そう言ってくれたのがドリースさん。
後に絵付けの工程はある事で簡略化できたのだが、この時はまだそう言った発想がなく、解決には程遠かった。
注:100話参照
そして温泉。
既にクランメンバーは温泉を満喫していたのだが、
「あの!今日は用意してきましたので、是非入らせて下さい!」
チャレンジャーパメラさん。
何と水着持参。
断っていたのだが、
「一度試させて下さい!可能性を大いに感じるのです!」
押しが強いパメラさん。
「王都は平原の真ん中にあるのですが、温泉があるとか信じられないですよクーンさん。」
ドリースさんもそんな事を言って俺をその気にさせようとしているが・・・・
一応この2人には、周りに俺達だけしか居ない時は、様付けをしないように言ってある。
請け合ってくれたが、日頃から様付けで人の名前を呼ぶのが習慣づけされているので、油断すると直ぐにクーン様と言ってしまうようだ。
まあ、あまり突っ込むのはやめておこう。
そして本日予定していた白磁器の加工が終了し、後は焼きを待つのみとなったのでこの場にいる全員で、水着を着用して温泉に入る事になった。
俺は天啓を受け?何やら温泉複合施設?それを目指すのであればプールっぽいのも必要と、大きな湯船も用意したのだ。
だがそれは一つのみ。
男女一緒に入るとなると、裸では色々と問題がありそうなので、水着なら・・・・と。
流石は商人を束ねる組織の職員だ。
こういった先見の明は流石としか言いようがない。
・・・・
・・・
・・
・
「くう!これは気持ちがいいですわあ!」
この場に大人の女性は彼女一人。
ヤーナやクランメンバーも一緒に居るのだが、残念ながら?全員まだ10代前半だ。
そんな大人の女性が一人、しかも中20代・・・・中々にスタイルがよく、つい目が行ってしまう。
あ!そこ泳ぐんじゃない!
信じられるか?ドリースさん大人の男性なのに泳いでるんだぞ!だがプールを目指すのだったらありなのか?
「私も泳ぎます!」
あ!大人が2人とも泳ぎやがった!
そんな折シロが突然やってきた。正確には念話なのだがそんな事はどうでもいいだろう。俺はヤーナと温泉でまったりしていたのに!
【主よ緊急事態だ。至急冒険者ギルドへ来てほしいとのニールス殿からの希望だ。】
ニールスにいが!
「分かったすぐ行く!他のわんこ部隊も連れて行け!それと天ちゃんはどうする?」
【そうしよう。すぐに戻るゆえ、準備をしていてほしい。天ちゃんには主が念話で伝えるのがよかろう。】
俺は湯から出て、急いで体を乾かそうと思ったが、
「何かあったのね?私も行くわ。脱衣所で精霊を召喚するから、精霊に乾かしてもらいましょ。」
ヤーナのスタイルもなかなか申し分なく・・・・5年後が楽しみだ!
「ほらほらバカな事を考えていないでさっさと行く!」
俺は何とかマッハで着替えを終え、そのままシロに連れて行かれてしまった。
また地面を行くのかよ!
注:地脈です。
シロのスキルらしいが、一体どうなっているんだろうといつも思う。
そしてわんこを持っているメンバーのうち、連絡が付いたのが他にはマースとフロリーナ、そして雲外蒼天のメンバーのうち、クランの拠点に残っていた2人。
全員地面の下を移動をする事になるようだ。
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