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ものつくり
第83話 厨房
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王子と王女と知り合ってしまって、こうなるだろうと予想はしたのだが、まさかこんなに早く国王と会う事になってしまうとは!
異世界あるあるでは、この後褒賞とか言って貴族にさせられるんだよ!そして面倒すぎる領地経営!
それだけは避けたかったんだが、対処する猶予を与えないとか、なかなかやるなあ。
俺はそんな事を考えながら、ヤーナに手を引かれ走っていた。
「なあヤーナ、何処に向かっているんだ?」
何だか国王に会うとか違うんじゃない?と思う場所にやってきた。
「あ、あら?此処は何処かしら?」
「なあ、ヤーナが自信満々に俺の手を引くからてっきりわかっていると思ったんだが、ここはどう見ても厨房だよな?」
「し、仕方ないじゃない!慌てていたのよ!」
もう既に手遅れの気がするんだが。
ヤーナは方向音痴だったか。今後は気を付けよう。
しかし効率悪そうだな、この厨房。
俺は竈を見て、そして水回りを見てそう判断した。
竈がいけない!なんだあれ。
「何だよこの竈は!こんなのでよく料理してたな!」
思わず突っ込んでしまった。
すると険しそうな顔をしたおっさんがやってきた。
「ほう、何処の小僧かは知らんが、突然城の厨房にやってきてケチをつけるとはいい度胸ではないか!何がいけないというのだ?」
「形が悪い!あれでは熱効率が悪すぎる!よくこんな竈で我慢していたな!」
俺は思わず怒ってしまった。
「な、何を言う?何処でもこれが一般的じゃないか。しかもここは城の厨房だ。腕利きの職人に作らせたのだ。」
確かに造りは素晴らしい。だが形状そのものが駄目だな。
「ちょっと待ってろ!」
俺はダッシュで外に出た。
因みに厨房の奥に何やら出入り口があって、そこが外に近いと気が付いたからだ。
食材を搬入したりするのに都合がいいのだろう。
俺は外に出た。そして地面から大量の土をかき集め、台車を形成、そのまま竈3基分ほどの土を厨房に運び、竈を次々と作っていった。
何やらおっさんがジーッと見ているが、気にしちゃ負けだ!それにヤーナも俺を見ているが、何か手伝ってほしいんだが。
ふう、まずは一基だな。
「ね、ねえクーン、精霊がこの竈気に入っちゃったみたいなんだけど、入れたら駄目かな?」
「因みに誰だ?」
精霊に誰って変だが、どうなんだろう。
「それ竈でしょ?サラマンダーがうずうずしているのよ。」
・・・・それはいい。魔石を用いて熱源にしようと考えていたが、精霊がいるなら好都合だ。
「その精霊はずっとこの竈の中に居続ける事が出来るのか?」
「ええ、それは問題ないわ。このお城、【魔素】が濃そうだからそれを取り込む事でずっと居られそうよ。」
「【魔素】ってなんだ?」
今ヤーナ、えっ?って顔した!
もしかして常識なのか?魔素の知識って。
「後で教えてあげるわよ。じゃあ呼ぶわよ。」
ヤーナは竈の中にサラマンダーを招き入れ、サラマンダーは暫く竈の周囲を見たり?出たり入ったりした後気に入ったのか、そのまま竈の中で消えてしまった。
その間に3基の竈が全て完成。
全てにサラマンダーが入り込むという、中々の出来になった。
「よし、完成だ。あんたなら使えば違いがわかるはずだ。」
おっさんがわなわな震えている。
「こ・・・・これが、竈なのか?この発想はなかった!おいお前達!早速これを覚えるんだ!見ろここの形状を!溢れても受け止める工夫がなされている!それにこれを用いれば、重い鍋も無駄に持たずに移動できる!」
竈の台にも工夫したからな。
水回りをもっと良くしたいが一応シンクと竈は繋がっている。
今までのは離れすぎていたんだよ。
「ねえ、今度はアクアが・・・・」
「そいつは命令すれば好きな時に水を出せるのか?」
「勿論よ!」
こうしてヤーナと俺の合作【城の新型厨房一式】が出来上がった。
今まで水魔法のスキル持ちが居なかったのか、井戸から水をくみ上げ、火も薪を集めての重労働だったらしい。
ああ、精霊だがここは城の厨房だから大型の精霊を用いたが、家庭のだったら下位の精霊で充分だ。
これが後に反響を呼び、王国中の厨房が・・・・家庭の場合はなんて言うのだっけ?キッチンか?いやそれじゃあそのまんまだな。
キッチンだ!何でキッチンを思い出せないかなあ。
俺は試す事なく城の使用人?に連れ去られてしまった。
どうやら俺とヤーナが見当たらなくなったからと、探してくれていたらしい。
「「「「ありがとう!」」」」
何か厨房からそんな声がするが、
「陛下がお待ちです!急いで!」
と言って振り返る事が出来なかった。
異世界あるあるでは、この後褒賞とか言って貴族にさせられるんだよ!そして面倒すぎる領地経営!
それだけは避けたかったんだが、対処する猶予を与えないとか、なかなかやるなあ。
俺はそんな事を考えながら、ヤーナに手を引かれ走っていた。
「なあヤーナ、何処に向かっているんだ?」
何だか国王に会うとか違うんじゃない?と思う場所にやってきた。
「あ、あら?此処は何処かしら?」
「なあ、ヤーナが自信満々に俺の手を引くからてっきりわかっていると思ったんだが、ここはどう見ても厨房だよな?」
「し、仕方ないじゃない!慌てていたのよ!」
もう既に手遅れの気がするんだが。
ヤーナは方向音痴だったか。今後は気を付けよう。
しかし効率悪そうだな、この厨房。
俺は竈を見て、そして水回りを見てそう判断した。
竈がいけない!なんだあれ。
「何だよこの竈は!こんなのでよく料理してたな!」
思わず突っ込んでしまった。
すると険しそうな顔をしたおっさんがやってきた。
「ほう、何処の小僧かは知らんが、突然城の厨房にやってきてケチをつけるとはいい度胸ではないか!何がいけないというのだ?」
「形が悪い!あれでは熱効率が悪すぎる!よくこんな竈で我慢していたな!」
俺は思わず怒ってしまった。
「な、何を言う?何処でもこれが一般的じゃないか。しかもここは城の厨房だ。腕利きの職人に作らせたのだ。」
確かに造りは素晴らしい。だが形状そのものが駄目だな。
「ちょっと待ってろ!」
俺はダッシュで外に出た。
因みに厨房の奥に何やら出入り口があって、そこが外に近いと気が付いたからだ。
食材を搬入したりするのに都合がいいのだろう。
俺は外に出た。そして地面から大量の土をかき集め、台車を形成、そのまま竈3基分ほどの土を厨房に運び、竈を次々と作っていった。
何やらおっさんがジーッと見ているが、気にしちゃ負けだ!それにヤーナも俺を見ているが、何か手伝ってほしいんだが。
ふう、まずは一基だな。
「ね、ねえクーン、精霊がこの竈気に入っちゃったみたいなんだけど、入れたら駄目かな?」
「因みに誰だ?」
精霊に誰って変だが、どうなんだろう。
「それ竈でしょ?サラマンダーがうずうずしているのよ。」
・・・・それはいい。魔石を用いて熱源にしようと考えていたが、精霊がいるなら好都合だ。
「その精霊はずっとこの竈の中に居続ける事が出来るのか?」
「ええ、それは問題ないわ。このお城、【魔素】が濃そうだからそれを取り込む事でずっと居られそうよ。」
「【魔素】ってなんだ?」
今ヤーナ、えっ?って顔した!
もしかして常識なのか?魔素の知識って。
「後で教えてあげるわよ。じゃあ呼ぶわよ。」
ヤーナは竈の中にサラマンダーを招き入れ、サラマンダーは暫く竈の周囲を見たり?出たり入ったりした後気に入ったのか、そのまま竈の中で消えてしまった。
その間に3基の竈が全て完成。
全てにサラマンダーが入り込むという、中々の出来になった。
「よし、完成だ。あんたなら使えば違いがわかるはずだ。」
おっさんがわなわな震えている。
「こ・・・・これが、竈なのか?この発想はなかった!おいお前達!早速これを覚えるんだ!見ろここの形状を!溢れても受け止める工夫がなされている!それにこれを用いれば、重い鍋も無駄に持たずに移動できる!」
竈の台にも工夫したからな。
水回りをもっと良くしたいが一応シンクと竈は繋がっている。
今までのは離れすぎていたんだよ。
「ねえ、今度はアクアが・・・・」
「そいつは命令すれば好きな時に水を出せるのか?」
「勿論よ!」
こうしてヤーナと俺の合作【城の新型厨房一式】が出来上がった。
今まで水魔法のスキル持ちが居なかったのか、井戸から水をくみ上げ、火も薪を集めての重労働だったらしい。
ああ、精霊だがここは城の厨房だから大型の精霊を用いたが、家庭のだったら下位の精霊で充分だ。
これが後に反響を呼び、王国中の厨房が・・・・家庭の場合はなんて言うのだっけ?キッチンか?いやそれじゃあそのまんまだな。
キッチンだ!何でキッチンを思い出せないかなあ。
俺は試す事なく城の使用人?に連れ去られてしまった。
どうやら俺とヤーナが見当たらなくなったからと、探してくれていたらしい。
「「「「ありがとう!」」」」
何か厨房からそんな声がするが、
「陛下がお待ちです!急いで!」
と言って振り返る事が出来なかった。
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