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王都襲来
第77話 急展開
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マースは商人を注視していた。
この中にあって、彼が一番怪しいからだ。
それに従魔が9体、全てに見覚えがある。
あれは僕がテイムした従魔だ。
全部ここに押し込んでいたのだと思いながら、どうしてこんな場所に?
しかしマースの思考は遮られた。見つかってしまったからだ。
「おい!其処に居るのは分かっている!出て来い!」
冒険者に見つかってしまったようだ。
どうしよう。
【我が仕掛けようか?】
従魔は主が明らかに攻撃を受けている場合を除き、勝手に人に対して攻撃をできない。
魔物相手であれば別だが。
だがマースは違う対応を選んでしまった。
「あ、あの、すいません!新たにテイムしたのですが、最近皆様とお会いしていなかったのでどうしたらいいかと思い、そう思っていたら見かけたので、声を掛けようとしたのですが、その何か取り込んでいるようでしたので、どうしようと思っていたんです。」
ここで商人がマースの従魔を見た。
「ほう、フェンリルじゃないですか。もしかしてこれは貴方がテイムしたのですか?そうであれば買い取りましょう。」
商人はここにきてようやく大物が手に入ると考え、計画を変えるべきか思案し始めた。
【我を手放すような真似はするなよ?絶対にろくでもない結果になるぞ。主が変わってしまえば新たな主に其方を攻撃せよと命じられると、我は其方を攻撃せねばならんからな。】
従魔は主の命令に絶対服従。先ほど勝手に人を攻撃できないと触れたが、抜け道が存在している。
自死を選択させられたり、明らかに無謀すぎる命令には拒否が出来る。
だが主が変われば別だ。
さっきまで主であっても新たな主に命令されれば攻撃する。
マースもそれは絶対にしたくない。
何せフェンリルはA級にランクされる従魔だ。人によってはS級
と判断するようだ。
そんなのに襲われたら自分では勝ち目がない。
「さあ、どうしたのですか?私に譲渡できないのですか?」
「あの、いつものようにギルドに向かいましょう!そうしないと僕の功績になりませんから。」
商人は内心焦った。正論だからである。
だが今すぐ必要だ。
ふう・・・・仕方がありませんね。
商人はノモズラナに何かをそっと伝えた。
そのまま離れるノモズラナ。
「ここからギルドは遠いですし、ほら、お金ならありますから色を付けますよ。」
商人が提示した金額は、到底フェンリルを譲渡できるような金額ではない。
「足りませんよ。これはフェンリルです。」
商人は気が付かれない様周囲に目配せをした。
元【唯我独尊】のパーティーが周囲を囲うのに成功した様子。
だがここでアクシデントが。
「一体いつまでこのような臭い獣に乗らなくてはならぬのだ!」
我慢ができなかったのか、3人のうちの1人がそう言いごね始める。
そして他の2人も同様ごねる。
「わかりました・・・・ではお願いします。」
マースは何をお願いしたのだろうと思ったが、
「行け!」
ノモズラナと呼ばれたリーダー格の男が突然命令を下した。
すると従魔が9体、一斉にマースを襲い始めたのだ。
【言わんこっちゃない!】
マースの天馬はマースを護りつつ、近づいてきた従魔を体当たりで無力化していく。
相手は殆どがEかFにランク付けされる従魔。
天馬の敵ではない。
だがここで人が襲ってきた。
ザシュ!
マースは避けきれずに少し切られた。
「痛い!」
そしてもう一人がマースに切りかかろうとしたその時、
「マースさま!」
天馬に乗ったフロリーナが乱入してきたのだ。
そしてもう一騎がすぐにやってきた。
「ふ、フロリーナさん!セバスチャンさん!」
フロリーナは・・・・フロリーナが乗る天馬がだが・・・・近くの冒険者を突き飛ばし、マースに合流した。
「マースさまお怪我をされたのですね!急いで治療します!」
フロリーナはそう言いつつ、マースに回復魔法を唱える。
マースの斬られた場所はあっという間に治っていった。
その間にセバスチャンが2人を護るように立ち回っている。
マースの怪我はあっという間に治り、
「フロリーナさん、ありがとう。あの商人が元凶と思われます!」
マースはフロリーナとセバスチャンに聞こえるように大声を出した。
「マース殿分かりました。無力化させましょう・・・・無駄です!二度は喰らいませんよ。」
セバスチャンは、何かの攻撃を受けたようで、どうやらその攻撃を防いだ様子。
こうして従魔と人がもみくちゃになりながらの戦いが開始されてしまったのだった。
この中にあって、彼が一番怪しいからだ。
それに従魔が9体、全てに見覚えがある。
あれは僕がテイムした従魔だ。
全部ここに押し込んでいたのだと思いながら、どうしてこんな場所に?
しかしマースの思考は遮られた。見つかってしまったからだ。
「おい!其処に居るのは分かっている!出て来い!」
冒険者に見つかってしまったようだ。
どうしよう。
【我が仕掛けようか?】
従魔は主が明らかに攻撃を受けている場合を除き、勝手に人に対して攻撃をできない。
魔物相手であれば別だが。
だがマースは違う対応を選んでしまった。
「あ、あの、すいません!新たにテイムしたのですが、最近皆様とお会いしていなかったのでどうしたらいいかと思い、そう思っていたら見かけたので、声を掛けようとしたのですが、その何か取り込んでいるようでしたので、どうしようと思っていたんです。」
ここで商人がマースの従魔を見た。
「ほう、フェンリルじゃないですか。もしかしてこれは貴方がテイムしたのですか?そうであれば買い取りましょう。」
商人はここにきてようやく大物が手に入ると考え、計画を変えるべきか思案し始めた。
【我を手放すような真似はするなよ?絶対にろくでもない結果になるぞ。主が変わってしまえば新たな主に其方を攻撃せよと命じられると、我は其方を攻撃せねばならんからな。】
従魔は主の命令に絶対服従。先ほど勝手に人を攻撃できないと触れたが、抜け道が存在している。
自死を選択させられたり、明らかに無謀すぎる命令には拒否が出来る。
だが主が変われば別だ。
さっきまで主であっても新たな主に命令されれば攻撃する。
マースもそれは絶対にしたくない。
何せフェンリルはA級にランクされる従魔だ。人によってはS級
と判断するようだ。
そんなのに襲われたら自分では勝ち目がない。
「さあ、どうしたのですか?私に譲渡できないのですか?」
「あの、いつものようにギルドに向かいましょう!そうしないと僕の功績になりませんから。」
商人は内心焦った。正論だからである。
だが今すぐ必要だ。
ふう・・・・仕方がありませんね。
商人はノモズラナに何かをそっと伝えた。
そのまま離れるノモズラナ。
「ここからギルドは遠いですし、ほら、お金ならありますから色を付けますよ。」
商人が提示した金額は、到底フェンリルを譲渡できるような金額ではない。
「足りませんよ。これはフェンリルです。」
商人は気が付かれない様周囲に目配せをした。
元【唯我独尊】のパーティーが周囲を囲うのに成功した様子。
だがここでアクシデントが。
「一体いつまでこのような臭い獣に乗らなくてはならぬのだ!」
我慢ができなかったのか、3人のうちの1人がそう言いごね始める。
そして他の2人も同様ごねる。
「わかりました・・・・ではお願いします。」
マースは何をお願いしたのだろうと思ったが、
「行け!」
ノモズラナと呼ばれたリーダー格の男が突然命令を下した。
すると従魔が9体、一斉にマースを襲い始めたのだ。
【言わんこっちゃない!】
マースの天馬はマースを護りつつ、近づいてきた従魔を体当たりで無力化していく。
相手は殆どがEかFにランク付けされる従魔。
天馬の敵ではない。
だがここで人が襲ってきた。
ザシュ!
マースは避けきれずに少し切られた。
「痛い!」
そしてもう一人がマースに切りかかろうとしたその時、
「マースさま!」
天馬に乗ったフロリーナが乱入してきたのだ。
そしてもう一騎がすぐにやってきた。
「ふ、フロリーナさん!セバスチャンさん!」
フロリーナは・・・・フロリーナが乗る天馬がだが・・・・近くの冒険者を突き飛ばし、マースに合流した。
「マースさまお怪我をされたのですね!急いで治療します!」
フロリーナはそう言いつつ、マースに回復魔法を唱える。
マースの斬られた場所はあっという間に治っていった。
その間にセバスチャンが2人を護るように立ち回っている。
マースの怪我はあっという間に治り、
「フロリーナさん、ありがとう。あの商人が元凶と思われます!」
マースはフロリーナとセバスチャンに聞こえるように大声を出した。
「マース殿分かりました。無力化させましょう・・・・無駄です!二度は喰らいませんよ。」
セバスチャンは、何かの攻撃を受けたようで、どうやらその攻撃を防いだ様子。
こうして従魔と人がもみくちゃになりながらの戦いが開始されてしまったのだった。
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