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王都襲来

第75話 ニールスと雲外蒼天

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 クーンがドラゴンと戯れている頃、ニールスは一人で魔物と戦っていた。
 正確には天馬と共に戦っていたのだが。
 ニールスの天馬は命令を忠実に守り、次々と魔物を仕留めていた。

 そしてニールスは・・・・
「くっ!まだか?そろそろきつい!」

 相変わらず剣は炎を纏い、魔物を切り裂いていく。
 そして魔物は切り裂かれた部位から炎を吹き出し、やがて燃え尽きていく。

 ニールスは体力の限界が近づいていた。
 流石に一人では無理がある。
 そんな時、油断をてしまったのだろう。
 後方から何かが急接近してきたのだが、気が付くのが遅くなり、振り返ると目の前には魔物の姿が!
「しまった!」

 そう思ったが、魔物はニールスの横をすり抜け、別の魔物に向かっていく。
「リーダー!遅くなったよ!」
 ノールチェがやってきた。
 雲外蒼天メンバーはノールチェを先に向かわせたのだ。
 そうするために他のメンバーは魔物を引き付け、ノールチェだけがフリーに。
【早くリーダーの所に!】

 皆に背中を押され急いでやってきたノールチェ。

 遅れる事数秒、他のメンバーもやってきた。
「間に合ったわ!」

 雲外蒼天のメンバーが揃った。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

「ふう、これでもうこの辺りには魔物はいないな。」
 合流した雲外蒼天は凄まじかった。

 ニールスが指揮を執り、ノールチェが魔物に突っ込んでいく。
 他のメンバーは魔法で攻撃、そして補助魔法で強化。
 A級の魔物であろうとお構いなし。

 それに天馬とフェンリルの存在が大きかった。

 だが無傷という訳ではない。
「いたたたた・・・・」
 ノールチェが深手を負っていた。
 だが、
「回復するわよ!」
 雲外蒼天のパーティーにはヒーラーが居るのだ。
 彼女の名は、
 ヘンリエッテ・ラウハ

 雲外蒼天のパーティー3人目の名前が発覚した瞬間だった。

「貴女のお陰で私も名持ちになれたわ!名無しはずっとモブ扱いなのよ!」
 喜ぶヘンリエッテだが・・・・
「なあヘンリエッテ、何それ?」
「気にしなくていいのよ。それよりリーダー、弟さんと合流するの?」
 ノールチェとヘンリエッテの会話。
 意味深な会話だったような気がするが、深く追求するのはやめておこう。そう思ったニールスだった。

「そうだね、もう暫く様子を見て、問題なさそうなら一度合流しよう。」

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

 雲外蒼天のパーティーがクーンの所にやってきたのだが、皆一様に驚いた。
 何故なら、この場にテイマーが居ないにもかかわらず、ドラゴンがクーンに従っていたからだ。

「クーン、大丈夫なのかい?」
 流石のニールスも驚く。
「何だか訳ありのようなんだ。」
 未だドラゴンが求める3人が、自分達の住んでいた故郷の元領主の事だと思っていなかったクーン。
 そのせいでこんな答えを。

「3人とは誰の事かな?それよりティーデとヒセラはこっちに居ないのかい?」
 ニールスは弟と妹が居ない事に気が付いた。
 それに未だ数人が居ない。

「え?そう言えば見なかったけれど、ニールスにいの所には来なかったの?」

「いや知らないね。ノールチェ、見なかったかい?」
 5人は顔を見合わす。雲外蒼天のパーティーはニールス以外は皆フェンリルの背に乗ってきたからだ。
「あの2人はずいぶん先に進んでいたみたいだけど、ここに着くまで見なかったよ。」

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