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王都襲来
第71話 城壁での攻防
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そう言えば王子と王女って、どんなスキルを持っているんだ?
さっきの言い草だと、あの2人も一つスキルではないかと俺は睨んでいるんだがどうなんだろう。
しかもあの2人は王様の子供だ。
そうであれば何か特殊なスキルだったりするのではなかろうか。
離れた場所まで、あんな衝撃を与えた何かに躊躇なく挑みに行ったんだ。
それなりに腕に覚えがあるに違いない!
そうと決まれば俺も急ぐぜ!
「天ちゃんかっ飛ばせ!」
【どうでもいいが、勢いがあり過ぎてさっきの二の舞に成らぬ様せいぜい気を付ける事だ。】
反省はしている。後悔はしていないが。
俺は他の天馬を引き離し、速度を上げまくり空を駆けて行く。
ヤーナが何か言っているが、今はそれどころではない!
あれ?今一瞬だが、街に入った時にデブったおっさんを見かけた気が・・・・しかも見知った顔に見えたんだが気のせいか?
天ちゃんは俺の言う通りにかっ飛ばしてくれてるから、さっき見たのがどんなおっさんなのかは確認できなかったが、まあいいか。
そうは言っても壁に囲まれた街だ。
あっという間に壁の反対側、つまり辺境側にやってきた。
ドゴ―――ン!!!!!!!
おうおう派手にドンパチやっているなあ!
空から見ればよくわかるが、壁の上から誰かが魔法をぶっ放しているのがよくわかる。
そして壁の向こうには多数の魔物がひしめいているのが見て取れる。
あれを相手にしているのか?
そして・・・・いた!確かビーフジャーキーだったか?
確かそんな名前だったよなあの天馬。
もう少しセンスのいい名前をだな・・・・
注:ディーデリック王子の事をそう評しているクーンだが、天馬の名前を間違える事といい、センスと言いどっこいどっこいなのだが、本人は全く気が付いていないのだった。
さてそんな風に再び名を間違えられているとはつゆ知らず、天馬のビーフストロガノフはディーデリック王子とサスキアや王女を乗せたまま、右に左へと忙しく駆けていた。
「ビーフカレー!今度は右上だ!」
三度間違えられた天馬だが、何故ビーフだけ合っているのだ!と憤懣遣る方無いのだが、従魔故その気持ちは心の中に押し込んでいた。
【我が名はビーフストロガノフ!そうと決めたのは其の方だが何故こうも間違えるのだ!】
心の中に押し込んではいなかった。
「兄さまあちらですわ!」
妹のサスキアは兄であるディーデリックに指示を出していた。
「我が妹ながら的確な指揮っぷり、私は大変うれしいよ!では魔物よこれでも喰らえ!」
妹共々何かを放ったようだが・・・・
うーん、何も変化がないな。
「兄さまのレベルではどうにもならないようですわね。私もですわ。」
じゃあ何で真っ先に飛び出したんだよ!
だが彼等は魔物の前方へ飛び出してしまったようで、魔物が攻撃をしようとしている!・・・・ってあれはまたもやトカゲじゃないか!
あの2人の目の前に!
「よし今だ!」
うわ!2人してトカゲの頭の上に飛び降りた!
で、トカゲが落下していくが何故だ?
「ふむ!やはり接触しないと無理だったか!うはははは!重いだろう!自重で押し潰れてしまえ!」
「うう、何故私の能力は【怪力】ですの!お陰でこうして鱗を引き抜く事が出来ていますけれど。」
王女は【怪力】?
魔法とは無縁な存在だな。
そして王子は・・・・【重力】でも操作しているのか?
いかん!俺も負けてはいられない!
「地面に降りられるか?」
【少し離れた場所であればなんとか。】
「よし頼む!」
俺は天ちゃんに地面に下ろしてもらい、直ぐに【土】を用いて周囲にいる魔物を仕留めていく。
「トカゲの分際で人間を襲うとは2万年早いぜ!」
●どっかの誰かが言ったようなセリフだが・・・・
これ分かる人いるかな?
特に後半。▲ロの言葉です。
●
クーンの認識としては相手はトカゲ。それ以外にも多数の魔物が居るが、まずはでかいトカゲを!
こう思い地面から出来る限り尖った、しかも硬くした棒状の物をどんどん出現させては串刺しにしていく。
まるで剣山。
クーンは以前にもこうして魔物を仕留めている。
「ふん!トカゲの分際で!そんな柔らかい鱗では俺の槍は防ぐ事はできないぜ!」
因みにドラゴンの鱗は、魔物の中でも随一を誇る強度がある。
目の前のトカゲもクーンに傷つけられるまで、同族以外から手傷を負った事が無かった。
【ぐわああ!我の鱗をこうも易々と突破するとは其方何者だ!】
あれ?何だか知らんがトカゲの念話?頭に入り込んでくるぞ。
「俺か?俺の名は土砂剛史!別の名はクーン・カウペル!もう死ぬから覚えなくてもいいぜ!」
【ま、待て!我は魔境を超えてきた3人を追っているだけだ!3人を引き渡せばこのまま魔境へ引き下がる!】
そんなの知らん!
あと途中からヤーナが妙に静かなんだがどうした?
出発した時何か言っていた気がするんだが。
今回ヤーナは俺の後ろだ。
後ろを見ると、
「何?今思い出そうとしているんだけど。王都の門をくぐった時、一瞬だったけど貴族らしい3人と商人風の人を見かけたわ。何故あんな場所にいるのかしらと思ったのよ。そして誰かしらって。」
そう言えば見かけたが、具体的な場所までは分からなかったぞ?
さっきの言い草だと、あの2人も一つスキルではないかと俺は睨んでいるんだがどうなんだろう。
しかもあの2人は王様の子供だ。
そうであれば何か特殊なスキルだったりするのではなかろうか。
離れた場所まで、あんな衝撃を与えた何かに躊躇なく挑みに行ったんだ。
それなりに腕に覚えがあるに違いない!
そうと決まれば俺も急ぐぜ!
「天ちゃんかっ飛ばせ!」
【どうでもいいが、勢いがあり過ぎてさっきの二の舞に成らぬ様せいぜい気を付ける事だ。】
反省はしている。後悔はしていないが。
俺は他の天馬を引き離し、速度を上げまくり空を駆けて行く。
ヤーナが何か言っているが、今はそれどころではない!
あれ?今一瞬だが、街に入った時にデブったおっさんを見かけた気が・・・・しかも見知った顔に見えたんだが気のせいか?
天ちゃんは俺の言う通りにかっ飛ばしてくれてるから、さっき見たのがどんなおっさんなのかは確認できなかったが、まあいいか。
そうは言っても壁に囲まれた街だ。
あっという間に壁の反対側、つまり辺境側にやってきた。
ドゴ―――ン!!!!!!!
おうおう派手にドンパチやっているなあ!
空から見ればよくわかるが、壁の上から誰かが魔法をぶっ放しているのがよくわかる。
そして壁の向こうには多数の魔物がひしめいているのが見て取れる。
あれを相手にしているのか?
そして・・・・いた!確かビーフジャーキーだったか?
確かそんな名前だったよなあの天馬。
もう少しセンスのいい名前をだな・・・・
注:ディーデリック王子の事をそう評しているクーンだが、天馬の名前を間違える事といい、センスと言いどっこいどっこいなのだが、本人は全く気が付いていないのだった。
さてそんな風に再び名を間違えられているとはつゆ知らず、天馬のビーフストロガノフはディーデリック王子とサスキアや王女を乗せたまま、右に左へと忙しく駆けていた。
「ビーフカレー!今度は右上だ!」
三度間違えられた天馬だが、何故ビーフだけ合っているのだ!と憤懣遣る方無いのだが、従魔故その気持ちは心の中に押し込んでいた。
【我が名はビーフストロガノフ!そうと決めたのは其の方だが何故こうも間違えるのだ!】
心の中に押し込んではいなかった。
「兄さまあちらですわ!」
妹のサスキアは兄であるディーデリックに指示を出していた。
「我が妹ながら的確な指揮っぷり、私は大変うれしいよ!では魔物よこれでも喰らえ!」
妹共々何かを放ったようだが・・・・
うーん、何も変化がないな。
「兄さまのレベルではどうにもならないようですわね。私もですわ。」
じゃあ何で真っ先に飛び出したんだよ!
だが彼等は魔物の前方へ飛び出してしまったようで、魔物が攻撃をしようとしている!・・・・ってあれはまたもやトカゲじゃないか!
あの2人の目の前に!
「よし今だ!」
うわ!2人してトカゲの頭の上に飛び降りた!
で、トカゲが落下していくが何故だ?
「ふむ!やはり接触しないと無理だったか!うはははは!重いだろう!自重で押し潰れてしまえ!」
「うう、何故私の能力は【怪力】ですの!お陰でこうして鱗を引き抜く事が出来ていますけれど。」
王女は【怪力】?
魔法とは無縁な存在だな。
そして王子は・・・・【重力】でも操作しているのか?
いかん!俺も負けてはいられない!
「地面に降りられるか?」
【少し離れた場所であればなんとか。】
「よし頼む!」
俺は天ちゃんに地面に下ろしてもらい、直ぐに【土】を用いて周囲にいる魔物を仕留めていく。
「トカゲの分際で人間を襲うとは2万年早いぜ!」
●どっかの誰かが言ったようなセリフだが・・・・
これ分かる人いるかな?
特に後半。▲ロの言葉です。
●
クーンの認識としては相手はトカゲ。それ以外にも多数の魔物が居るが、まずはでかいトカゲを!
こう思い地面から出来る限り尖った、しかも硬くした棒状の物をどんどん出現させては串刺しにしていく。
まるで剣山。
クーンは以前にもこうして魔物を仕留めている。
「ふん!トカゲの分際で!そんな柔らかい鱗では俺の槍は防ぐ事はできないぜ!」
因みにドラゴンの鱗は、魔物の中でも随一を誇る強度がある。
目の前のトカゲもクーンに傷つけられるまで、同族以外から手傷を負った事が無かった。
【ぐわああ!我の鱗をこうも易々と突破するとは其方何者だ!】
あれ?何だか知らんがトカゲの念話?頭に入り込んでくるぞ。
「俺か?俺の名は土砂剛史!別の名はクーン・カウペル!もう死ぬから覚えなくてもいいぜ!」
【ま、待て!我は魔境を超えてきた3人を追っているだけだ!3人を引き渡せばこのまま魔境へ引き下がる!】
そんなの知らん!
あと途中からヤーナが妙に静かなんだがどうした?
出発した時何か言っていた気がするんだが。
今回ヤーナは俺の後ろだ。
後ろを見ると、
「何?今思い出そうとしているんだけど。王都の門をくぐった時、一瞬だったけど貴族らしい3人と商人風の人を見かけたわ。何故あんな場所にいるのかしらと思ったのよ。そして誰かしらって。」
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