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王都襲来
第61話 ワンチャンス
しおりを挟む一通り説明が終わり、いよいよ書面での手続き。
「特に書面で何かをする必要は無いのですが、パーティー名とリーダー名の記載が必要なのでお願いします。」
俺はパーティー名を
【ワンチャンス】
リーダー名を
【土砂剛史】って書く所だった!危ない!
【クーン・カウペル】
とちゃんと記載したぞ!
「では皆さまカードを提出して下さい。一応説明しますが、何かトラブルがあってパーティーを抜けたい場合でも、ギルドで手続をして下さいね。」
一応現地で・・・・例えばダンジョンでのトラブルでパーティーを解散、若しくは追放されると言った事がよくあるようで、特に追放の場合、追放した側にあまりもの理不尽さがあれば、ギルドが介入し、追放を取り消す、金銭の保証を行うと言った申請ができるようだ。
ただ、仲間が犯罪を犯した場合にはこれが適応されないので、万が一罠で犯罪者に仕立てられた場合の救済が難しいそうなので、くれぐれもそのような事にならないよう念押しされた。
まあ俺を罠にはめた所で何のメリットもないんだけどな。
クーンはそんな事を思ったが、実はクーンを罠にはめるメリットはかなりあったりする。
もし見つかった場合のデメリットを差し置いても魅力があるのだ。
何の?
クーンには2体の従魔がいる。
一体は直接契約なので、本人による契約の移譲を行わないと従魔を得る事が出来ないのだが、クーンのもう一体の従魔はそうではない。
魔道具を用いての契約なので、魔道具を奪う事が出来ればその従魔は奪った相手の物となる。
既にクーンが二体の従魔を従えている姿は結構な人数が見ているので、そう言った危険な相手が欲をかく事もあり得るのだが、そんな事は全く分かっていないクーンだった。
「はいできましたよ。では皆さまのカードには【所属パーティーの欄】に【ワンチャンス】という表記がありますので後で確認して下さいね。」
こうして俺達6人はパーティーとしての絆を得たのだった。
その喜びを皆で分かち合おうとしたのだが、
「あの、折角パーティーを結成して嬉しい所邪魔をしてしまい申し訳ありませんが、ひとつ提案があります。」
受付のお姉さんがそんな事を言ったのだが、一体何だろう。
「提案って?それは今じゃないと駄目なのか?」
「折角こうして全員、そしてお付きの方もおられるようなので、今伝えた方が良いかと思いまして。」
「時間はかかるのか?」
「単なる提案ですので、後で皆さまでそれについて相談していただく事になりますが、私の提案自体はすぐに済みます。」
もったいつけて何だろう。
すると横からヤーナが、
『あのねクーン、私分かっちゃったんだけど。』
『うーん、もしそれ正解だったら、お姉さんが可哀想じゃないか?』
『だってあの女性、ニールスさん狙いがミエミエなんだもん。』
うーん、何だろう。
「あ!ヤーナさん、私に言わせて下さい!ええとですね、皆さまは雲外蒼天のパーティーの皆様とも親しいですよね。特にクーン様、ティーデ様、ヒセラ様はニールス様とご兄弟。今後も一緒に活動する事も多いでしょう。このような場合に、【クラン】という制度があるのですが、皆さまクランを立ち上げませんか?」
お姉さんの提案はクランの立ち上げだった。
今パーティーを結成したばかりなんだが。
「特に書面で何かをする必要は無いのですが、パーティー名とリーダー名の記載が必要なのでお願いします。」
俺はパーティー名を
【ワンチャンス】
リーダー名を
【土砂剛史】って書く所だった!危ない!
【クーン・カウペル】
とちゃんと記載したぞ!
「では皆さまカードを提出して下さい。一応説明しますが、何かトラブルがあってパーティーを抜けたい場合でも、ギルドで手続をして下さいね。」
一応現地で・・・・例えばダンジョンでのトラブルでパーティーを解散、若しくは追放されると言った事がよくあるようで、特に追放の場合、追放した側にあまりもの理不尽さがあれば、ギルドが介入し、追放を取り消す、金銭の保証を行うと言った申請ができるようだ。
ただ、仲間が犯罪を犯した場合にはこれが適応されないので、万が一罠で犯罪者に仕立てられた場合の救済が難しいそうなので、くれぐれもそのような事にならないよう念押しされた。
まあ俺を罠にはめた所で何のメリットもないんだけどな。
クーンはそんな事を思ったが、実はクーンを罠にはめるメリットはかなりあったりする。
もし見つかった場合のデメリットを差し置いても魅力があるのだ。
何の?
クーンには2体の従魔がいる。
一体は直接契約なので、本人による契約の移譲を行わないと従魔を得る事が出来ないのだが、クーンのもう一体の従魔はそうではない。
魔道具を用いての契約なので、魔道具を奪う事が出来ればその従魔は奪った相手の物となる。
既にクーンが二体の従魔を従えている姿は結構な人数が見ているので、そう言った危険な相手が欲をかく事もあり得るのだが、そんな事は全く分かっていないクーンだった。
「はいできましたよ。では皆さまのカードには【所属パーティーの欄】に【ワンチャンス】という表記がありますので後で確認して下さいね。」
こうして俺達6人はパーティーとしての絆を得たのだった。
その喜びを皆で分かち合おうとしたのだが、
「あの、折角パーティーを結成して嬉しい所邪魔をしてしまい申し訳ありませんが、ひとつ提案があります。」
受付のお姉さんがそんな事を言ったのだが、一体何だろう。
「提案って?それは今じゃないと駄目なのか?」
「折角こうして全員、そしてお付きの方もおられるようなので、今伝えた方が良いかと思いまして。」
「時間はかかるのか?」
「単なる提案ですので、後で皆さまでそれについて相談していただく事になりますが、私の提案自体はすぐに済みます。」
もったいつけて何だろう。
すると横からヤーナが、
『あのねクーン、私分かっちゃったんだけど。』
『うーん、もしそれ正解だったら、お姉さんが可哀想じゃないか?』
『だってあの女性、ニールスさん狙いがミエミエなんだもん。』
うーん、何だろう。
「あ!ヤーナさん、私に言わせて下さい!ええとですね、皆さまは雲外蒼天のパーティーの皆様とも親しいですよね。特にクーン様、ティーデ様、ヒセラ様はニールス様とご兄弟。今後も一緒に活動する事も多いでしょう。このような場合に、【クラン】という制度があるのですが、皆さまクランを立ち上げませんか?」
お姉さんの提案はクランの立ち上げだった。
今パーティーを結成したばかりなんだが。
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