上 下
32 / 262
融合

第32話 クーン融合

しおりを挟む
  俺の名は土砂剛史。そしてこの世界ではクーン・カウペルと言う名前らしい。
 元々日本で暮らしていたが、思い出すと神のせいで俺は死んだんだった。
 24歳だったはずだ。

 そして今この身体は11歳。
 最近まで前世の記憶がない状態。
 時々謎知識が頭の中に入り込む事があったが、今思えば日本で過ごした時の知識が、何かのきっかけで思い出せていたのか、それとも別の要因があったのか、クーンが知らず引き出していた、たぶんこんな感じだろうと仮定しておく。

 恐らく10歳の時に祝福と言う名のスキルの把握時に、俺の身体か頭に何か刺激があったのだろう。
 この時に前世の、転生前に封印されていて引き出せなかった記憶が、引き出しやすくなったんだろうな。何故封印されていたかは分からんが。
 注:封印されていません。神のミスです。
 あれから可也の頻度で謎知識が頭の中に入り込んでいたしな。

 そして今回あの唯我独尊の襲撃だ。
 物理的に頭へ強烈な衝撃が何度も、つまり頭に何度も攻撃をくらってしまい、そのせいで俺は意識を失い、どうやらそれがきっかけで記憶を取り戻したようだ。(実際は違います。たまたま神があのタイミングで土砂剛史としての記憶の封印を解いた効果があらわれただけ。)

 そうだ、これはやはり俺には何かの使命があるんだな!まだそれが何かは分からんが、まずはあの2人の少女の手助けなのだろう。
 よし、そうと決まれば・・・・だが彼女達はヒロインなのか?
 こういった話にヒロインは必ず登場する。

 まあいい。今はあの2人と、双子の弟と妹を見守り、成長を助ける事だ。爺さんは論外だろうから無視しておこう。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

「クーンさまおはようございます。本日もよろしくお願いしますわ。」
「おはよう。今日こそは俺の言う通りに採取をしてくれ。」

 この礼儀正しい女はフロリーナだ。元公爵家の娘らしい。
 但し俺の言う通りに中々採取をしてくれない。話をきちんと聞いているのか?
 こんな彼女は聖魔法、つまり回復魔法の使い手だ。
「おはよう。今日こそちゃんと教えなさいよ!いい事?私達の覚えが悪いと思っているかもしれないけれど、それは違うわ!あんたの教え方が悪いのよ!分かった?」
 口の悪いのがヤーナと言う少女だ。元侯爵家の娘らしい。
 風魔法の使い手と思っているがそう言えばこいつの属性ってなんだ?
 俺がこいつに襲われた時に、勝手にそう判断したんだが。
 しかし相変わらずの口の悪さだ。あまりにも酷いんだが、こいつの口の悪さはどうにかならないのか?
 教えを乞う立場なのに、上から目線なのはどうしてだ?
「クーン様おはようございます。本日もよろしくお願い致します。」
「ああおはよう。あんたはそろそろ採取じゃなく、魔物を狩りに行った方がいいんじゃないか?」
 セバスチャンだ。
 2人の護衛兼執事なのだが、唯我独尊との争いであっさり無効化されていたから、あまり戦闘時の能力を過信しない方がいい気がする。

 はあ、どうしてこうなった。

 今日もニールスにいが双子の面倒を見てくれている。感謝しかない!

 3人の準備は既に終わっていたので、今日も草原に向かう。

 今日は見かけないパーティーをいくつか見た。

 そのうちの一つはどうやらテイマーがいるパーティーのようだ。
 時々魔物をテイムして、街に連れているのを見かける。
 テイムしているのは俺と同じぐらいの年齢の少年だ。
戻ってくるときはテイムした魔物がいなかったから、どこかで預かってもらうか売っていたのだろうか。
まあ俺には縁がないだろうから、どうでもいいのだが。
 他は年齢高めだな。
 何となく唯我独尊に見えたが、あいつ等は奴隷落ちして、既に王都から違う場所に連れていかれたと聞いているから、他人の空似なんだろう。
 姿はそっくりなんだが、顔が違う。

 あのパーティーはああして魔物をテイムし、そしてそれを街に連れて行き、また戻ってきてテイムしているようだ。

 魔物って従魔にできるのか?そして需要があるのか?

 馬車のような乗り物を動かすのに、馬の替わりとして魔獣を活用しているのか?
 それより馬はいないのだろうか。
 いや待てそもそも魔物と魔獣は別物か?これは知識がないな。
 俺達が戦った事のあるのは魔物?

 いかん、俺は魔物に関して知らなさすぎだ。こうも?が多いと不安になるな。
 それにテイマーがいるという事は人に従がう魔物か魔獣がいるという事だよな。
 それともテイムできるのは魔物や魔獣ではなく獣なのかもわからんしな。
 いかん、考えれば考えるほどわからなくなってきた!
 今度あのテイマーの少年が居たら聞いてみよう!
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

聖女?魔女? 実は……【創造】魔法が使える忘れ去られた伝説の【召喚士】でした~私の邪魔だけはしないでよね!~

小鳥遊ことり
ファンタジー
気晴らしのつもりで参加したパワースポットへの旅行で、不思議な体験をしてしまった。 森の奥で1000年前から生きているという神聖な聖樹、それと知らずに近付いてしまい、私はまばゆい光に包まれて……! そこから始まる異世界転移。 聖樹からもらった加護により類まれな魔法を使えるようになったフィーネは、異世界の様々に立ち向かう。 その行いは聖なる力で民を慈しむ癒やしの聖女か。 はたまた、破壊の限りを尽くすような魔女なのか。 「いいえ、私は自由にさせていただきます!」 その正体は…… 自由自在に"創造"魔法を操り、精霊を契約召喚する忘れ去られた伝説の"召喚士"だった!? 人生は一度きり! 自分の好きなように生きたいじゃない? 邪魔するなら、容赦はしません! 異世界の人々や精霊たちとの喜びと悲しみ、出会いと別れ、感動もりもり盛りだくさんの長編ファンタジー☆ これはフィーネと精霊の物語。

虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~

すなる
ファンタジー
追記《イラストを追加しました。主要キャラのイラストも可能であれば徐々に追加していきます》 猫を庇って死んでしまった男は、ある願いをしたことで何もない世界に転生してしまうことに。 不憫に思った神が特例で加護の力を授けた。実はそれはとてつもない力を秘めた創造神の加護だった。 何もない異世界で暮らし始めた男はその力使って第二の人生を歩み出す。 ある日、偶然にも生前助けた猫を加護の力で召喚してしまう。 人が居ない寂しさから猫に話しかけていると、その猫は加護の力で人に進化してしまった。 そんな猫との共同生活からはじまり徐々に動き出す異世界生活。 男は様々な異世界で沢山の人と出会いと加護の力ですべてを解決しながら第二の人生を謳歌していく。 そんな男の人柄に惹かれ沢山の者が集まり、いつしか男が作った街は伝説の都市と語られる存在になってく。 (

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

処理中です...