21 / 262
事実上の追放
第21話 受付のお姉さんに聞いてみる
しおりを挟む
父上からの連絡によれば、クツーゴ領はドラゴンにより破壊されたらしい。
クツーゴ男爵とその取り巻きが生存しているかどうかは不明らしいが、まず生きていないだろう、と。
そりゃそうだ。
3つの領地をブレスで焼き尽くされたら、その場にいた生身の人間が生きていられるわけがない。
さて今後はどうするか。
2人の弟、妹の事もある。
今の所薬草採取で生計は立てられそうだが、長期的に俺はこの2人とずっと行動を共にすべきかどうか、考えてしまう。
いや、かわいい弟と妹だ。
出来ればずっと一緒にいてやりたいが、それは過保護と言うものだ。
実際ニールスにいは10歳で独立し王都暮らしをしているんだ。
弟はそれでいいかもしれないが、問題は妹の方だな。
小さな女の子が一人で生きていくにはあまりにも厳しい世の中だ。
せめて15歳になるまでは傍に居てあげたい。
ああそうだ、女の子と言えば昨日もそうだが2人組の女の子を見かけたんだっけ。
今日なんて買い取りの時にすぐ近くに居たから驚いたが、冷静に考えれば暗くなる前に買い取りにやってくるんだから、時間的にも同じになるのは当然。
しかし気になる。何だかじーっと見られていた気がするからだ。
同じぐらいの年代に見えるけれど、2人で暮らしているのだろうか?
それに近くに控えていた爺さんだな。
さっき近くで見たからわかるが、あれは強者だ。
それもとてつもなく強い。
うん、お姉さんに聞いてみよう。
俺は受付のお姉さんに、このお姉さんはどうやらこの部屋を出るまで同席するつもりみたいだから、近づいて聞いてみた。
「なあ、一つ聞きたい事があるんだが、答えられる範囲で教えてほしい。」
「あら、何かしら?」
「昨日もそうだが、今日も俺達が薬草採取の後にあんたの所で買取をしてもらっただろう?その後2人組の女の子があんたの所にやってきたはずだ。あの2人と後ろに控えている爺さんってな、あれは一体何者だ?薬草採取をしていると、少し離れた場所にいるのを見かけたが、どう見てもいいところの、つまり身分のある女の子だろう?」
すると受付のお姉さんは微妙な表情を。
「あら、クーン様はあのお二人がお好みのようね。特に隠し立てするような事でもありませんし、この近辺では有名ですからね、教えて差し上げないでもないですが、クーン様はどちらが好みだったかしら?」
うん?何を言っているんだこのお姉さんは?
「なあ、好みとか関係あるのか?まだ小さな女の子じゃないか。それに俺が薬草採取をしている近くでわざわざ採取しているんだ。気になるだろう色々と。危険がないのかとか何か仕掛けて来るんじゃないかとか警戒して当然だと思うんだが。」
「ま、まさかあ?あのお二人がそのような事をするはずがありませんわ。あのお二人はクーン様同様一つスキルなのですわ。そのせいでパーティーを組めずにああしてお付きの老執事の警護の下、薬草採取で身を立てようとしているのですわ。それにきっと、あのお二人はクーン様の薬草採取の効率の良さを目の当たりにし、どうしたらいいのか聞きたいのではないかと思いますのよ。」
「なあ何を言っているんだあんた。あの2人は俺と同じ一つスキルなのか?それは今はどうでもいい。俺の薬草採取が効率いい?農民出身ならこれぐらい当然だと思うんだが、他に教えられるような人はそこらにいるんじゃないのか?」
薬草採取なんて誰でもできるだろう?
現にティーデとヒセラは俺と同じ程度に採取をしている。
「いえいえ、スキルも無いのにあれほどの量と品質の薬草を採取するとかどう考えても異常ですよ?」
俺は異常なのか?だが俺以外にも現に採取しているんだが。
「もしよろしければあのお2人と一緒に薬草採取をして頂けませんか?あの2人は一つスキルでさえなければそれなりに良い所に嫁げたのですけれど、1年前の祝福の後、破談になってしまわれて、なんてお可哀想。」
うわ、これ絶対貴族だ。それも上位の。
こんな厄介ごとに農民を巻き込むなよ!
そしてこれは絶対あれだ、おなじみのあれだ!
【異世界あるある】来たああ!!!!
【美少女イベント】来たあああ!!!!
ここは薬草採取を教える事で親密になり、その後同じ一つスキル同士として【パーティー】を組む【イベント】ですね!!
また変な考えがわいてきたぞ。なんだか俺の頭の中はおめでたいようだ。
【美少女イベント】ってなんだ?
確かに顔は整いすぎているから美少女?美しいというよりまだ10歳前後だから可愛いだろう?
その後は【親密】になるのか?
【パーティー】を組む事になる?
どう見ても足手まとい。
厄介ごとの臭いがプンプンするんだが。
クツーゴ男爵とその取り巻きが生存しているかどうかは不明らしいが、まず生きていないだろう、と。
そりゃそうだ。
3つの領地をブレスで焼き尽くされたら、その場にいた生身の人間が生きていられるわけがない。
さて今後はどうするか。
2人の弟、妹の事もある。
今の所薬草採取で生計は立てられそうだが、長期的に俺はこの2人とずっと行動を共にすべきかどうか、考えてしまう。
いや、かわいい弟と妹だ。
出来ればずっと一緒にいてやりたいが、それは過保護と言うものだ。
実際ニールスにいは10歳で独立し王都暮らしをしているんだ。
弟はそれでいいかもしれないが、問題は妹の方だな。
小さな女の子が一人で生きていくにはあまりにも厳しい世の中だ。
せめて15歳になるまでは傍に居てあげたい。
ああそうだ、女の子と言えば昨日もそうだが2人組の女の子を見かけたんだっけ。
今日なんて買い取りの時にすぐ近くに居たから驚いたが、冷静に考えれば暗くなる前に買い取りにやってくるんだから、時間的にも同じになるのは当然。
しかし気になる。何だかじーっと見られていた気がするからだ。
同じぐらいの年代に見えるけれど、2人で暮らしているのだろうか?
それに近くに控えていた爺さんだな。
さっき近くで見たからわかるが、あれは強者だ。
それもとてつもなく強い。
うん、お姉さんに聞いてみよう。
俺は受付のお姉さんに、このお姉さんはどうやらこの部屋を出るまで同席するつもりみたいだから、近づいて聞いてみた。
「なあ、一つ聞きたい事があるんだが、答えられる範囲で教えてほしい。」
「あら、何かしら?」
「昨日もそうだが、今日も俺達が薬草採取の後にあんたの所で買取をしてもらっただろう?その後2人組の女の子があんたの所にやってきたはずだ。あの2人と後ろに控えている爺さんってな、あれは一体何者だ?薬草採取をしていると、少し離れた場所にいるのを見かけたが、どう見てもいいところの、つまり身分のある女の子だろう?」
すると受付のお姉さんは微妙な表情を。
「あら、クーン様はあのお二人がお好みのようね。特に隠し立てするような事でもありませんし、この近辺では有名ですからね、教えて差し上げないでもないですが、クーン様はどちらが好みだったかしら?」
うん?何を言っているんだこのお姉さんは?
「なあ、好みとか関係あるのか?まだ小さな女の子じゃないか。それに俺が薬草採取をしている近くでわざわざ採取しているんだ。気になるだろう色々と。危険がないのかとか何か仕掛けて来るんじゃないかとか警戒して当然だと思うんだが。」
「ま、まさかあ?あのお二人がそのような事をするはずがありませんわ。あのお二人はクーン様同様一つスキルなのですわ。そのせいでパーティーを組めずにああしてお付きの老執事の警護の下、薬草採取で身を立てようとしているのですわ。それにきっと、あのお二人はクーン様の薬草採取の効率の良さを目の当たりにし、どうしたらいいのか聞きたいのではないかと思いますのよ。」
「なあ何を言っているんだあんた。あの2人は俺と同じ一つスキルなのか?それは今はどうでもいい。俺の薬草採取が効率いい?農民出身ならこれぐらい当然だと思うんだが、他に教えられるような人はそこらにいるんじゃないのか?」
薬草採取なんて誰でもできるだろう?
現にティーデとヒセラは俺と同じ程度に採取をしている。
「いえいえ、スキルも無いのにあれほどの量と品質の薬草を採取するとかどう考えても異常ですよ?」
俺は異常なのか?だが俺以外にも現に採取しているんだが。
「もしよろしければあのお2人と一緒に薬草採取をして頂けませんか?あの2人は一つスキルでさえなければそれなりに良い所に嫁げたのですけれど、1年前の祝福の後、破談になってしまわれて、なんてお可哀想。」
うわ、これ絶対貴族だ。それも上位の。
こんな厄介ごとに農民を巻き込むなよ!
そしてこれは絶対あれだ、おなじみのあれだ!
【異世界あるある】来たああ!!!!
【美少女イベント】来たあああ!!!!
ここは薬草採取を教える事で親密になり、その後同じ一つスキル同士として【パーティー】を組む【イベント】ですね!!
また変な考えがわいてきたぞ。なんだか俺の頭の中はおめでたいようだ。
【美少女イベント】ってなんだ?
確かに顔は整いすぎているから美少女?美しいというよりまだ10歳前後だから可愛いだろう?
その後は【親密】になるのか?
【パーティー】を組む事になる?
どう見ても足手まとい。
厄介ごとの臭いがプンプンするんだが。
14
お気に入りに追加
938
あなたにおすすめの小説
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
ファンタジー
物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
スキル『モデラー』で異世界プラモ無双!? プラモデル愛好家の高校生が異世界転移したら、持っていたスキルは戦闘と無関係なものたったひとつでした
大豆茶
ファンタジー
大学受験を乗り越えた高校三年生の青年『相模 型太(さがみ けいた)』。
無事進路が決まったので受験勉強のため封印していた幼少からの趣味、プラモデル作りを再開した。
しかし長い間押さえていた衝動が爆発し、型太は三日三晩、不眠不休で作業に没頭してしまう。
三日経っていることに気付いた時には既に遅く、型太は椅子から立ち上がると同時に気を失ってしまう。
型太が目を覚さますと、そこは見知らぬ土地だった。
アニメやマンガ関連の造形が深い型太は、自分は異世界転生したのだと悟る。
もうプラモデルを作ることができなくなるという喪失感はあるものの、それよりもこの異世界でどんな冒険が待ちわびているのだろうと、型太は胸を躍らせる。
しかし自分のステータスを確認すると、どの能力値も最低ランクで、スキルはたったのひとつだけ。
それも、『モデラー』という謎のスキルだった。
竜が空を飛んでいるような剣と魔法の世界で、どう考えても生き延びることが出来なさそうな能力に型太は絶望する。
しかし、意外なところで型太の持つ謎スキルと、プラモデルの製作技術が役に立つとは、この時はまだ知るよしもなかった。
これは、異世界で趣味を満喫しながら無双してしまう男の物語である。
※主人公がプラモデル作り始めるのは10話あたりからです。全体的にゆったりと話が進行しますのでご了承ください。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
転生したらただの女の子、かと思ったら最強の魔物使いだったらしいです〜しゃべるうさぎと始める異世界魔物使いファンタジー〜
上村 俊貴
ファンタジー
【あらすじ】
普通に事務職で働いていた成人男性の如月真也(きさらぎしんや)は、ある朝目覚めたら異世界だった上に女になっていた。一緒に牢屋に閉じ込められていた謎のしゃべるうさぎと協力して脱出した真也改めマヤは、冒険者となって異世界を暮らしていくこととなる。帰る方法もわからないし特別帰りたいわけでもないマヤは、しゃべるうさぎ改めマッシュのさらわれた家族を救出すること当面の目標に、冒険を始めるのだった。
(しばらく本人も周りも気が付きませんが、実は最強の魔物使い(本人の戦闘力自体はほぼゼロ)だったことに気がついて、魔物たちと一緒に色々無双していきます)
【キャラクター】
マヤ
・主人公(元は如月真也という名前の男)
・銀髪翠眼の少女
・魔物使い
マッシュ
・しゃべるうさぎ
・もふもふ
・高位の魔物らしい
オリガ
・ダークエルフ
・黒髪金眼で褐色肌
・魔力と魔法がすごい
【作者から】
毎日投稿を目指してがんばります。
わかりやすく面白くを心がけるのでぼーっと読みたい人にはおすすめかも?
それでは気が向いた時にでもお付き合いください〜。
元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。
しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた!
今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。
そうしていると……?
※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる