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クーン・カウペル
第2話 クーン・カウペル
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俺の名はクーン・カウペル
もうすぐ10歳になる。
そう、明日は俺の誕生日だ!
カウベルじゃないからな!カウペルだ!
ここは【ロッベモント王国】、【クツーゴ領】だ。
この地を治めているのはクツーゴ男爵。
ロッベモント王国にあって最も辺境に位置するこの地。
そして俺はこの地の領主・クツーゴ男爵の息子・・・・とは縁もゆかりもない。
ただの農家の4男だ。
ちなみに8人兄弟の6番目だ。
上には兄が3人と姉が2人いる。
下は弟と妹が一人ずつ。
この地のすぐ近くには強い魔物が住む土地があり、魔境に接している。
正確には緩衝地帯があり、
◇◇◇◇←魔物の住む土地
■■■■←魔境
□□□□←緩衝地帯
●●●●←人の住む領地
とまあこんな風になっている。
尤も魔物はそこら辺に常に居るんだが、ここで言う魔物とは縄張りを持つ強い魔物の事だ。
その昔ロッベモント王国と魔物との間で話し合いがもたれたらしい。魔物と会話がどうやったら成立するのかは甚だ疑問だが。
その時の話し合いで人の住む領地と魔物の住む土地の間に緩衝地帯を設け、尚且つ魔境という境界線を引き、棲み分けを行ってきたと聞いている。
だが今のクツーゴ領の領主、クツーゴ男爵は欲が深く俺達農民に領地の拡大を命令してきた。
農民は土魔法を使える割合が多いようで、土魔法の使い手は領地に其れなりの人数が居て、土魔法を使える者は皆領地の開墾をさせられていた。
最初は辺境ゆえに手付かずの場所が多かったのだが、沼地や湿地帯が多い上に、バカでかい岩がその辺にごろごろ鎮座していて撤去が殆ど出来ず、あまり芳しくなかった。
そこでクツーゴ男爵が目を付けたのが、あろう事か緩衝地帯。
緩衝地帯は肥沃な土地。
特に魔物も出ない事もあり、あっという間に領地は広がった。
そしていよいよ魔境付近。
最近クツーゴ男爵は魔境をも開墾せよと言っているらしい。
まあこれが今の俺の住んでいる場所の現状だ。
そして今、親父の元には長男と次男がいる。
姉は2人供既に他の農家に嫁いでいて、この場にはいない。
そして3男、俺の2つ上の兄貴は・・・・残念ながらスキルを2つしか得る事ができなかったと、親父から感動させられたらしい。いや勘当だ。
つまり、たった2つのスキルしかないんなら出て行け、と追放されたらしい。
実際には追放させられた訳ではないのだが、俺が真実を知るのはもう少し時間が経ってからだ。
その兄の名はニールス・カウペル。
剣術と火魔法のスキルだったらしく、今は王都で冒険者になっているらしいが、たった2つのスキルって実際どうなんだろうな?
運がよかったのか、得たスキルは剣術と火魔法。この2つのスキルは相性がよく、ある意味この2つの組み合わせがあれば、剣に炎を纏わせられるから中々活躍できるのではないか?
そんな中親父は領地の主だった連中と話し合いに行っているらしい。
というか全世帯の家長が集まっているはずだ。
ざっと100世帯だな。
クツーゴ領自体は700世帯程と聞いているが、流石に領地は広く、こうした集まりは村ごとになっているようだ。
そんな中俺はそろそろ王都でスキルの確認をしに行く事となった。
道中1ヶ月程かかるらしく、大人の護衛数人と共にクツーゴ領地からは同年代20人程が一斉に向かう事になる。
実際には大人は護衛ではなく案内人らしい。
そして得たスキルの数・種類によっては二度と故郷の土を踏めないらしい。
例えばスキルが8程あればどうなるか?
有力貴族が雇う可能性もあり得る。
それに冒険者としての成功が約束されているようなものだから、冒険者として身を立てる場合もある。
だが逆にスキルが平均以下、それも1~3個だった場合なのだがこちらも事情が変わってくる。
これらはどうにもならんと家元や領地から見放される場合がある。
たった10歳で、しかも少ないスキルで見放されたらどうなるのか?
この世界は子沢山だから、そんな低性能の奴等が死んでも誰も何とも思わないらしい。
低性能の奴等って・・・・何とも世知辛い世界だ。
「親父、行ってくるぜ。」
「ああ、結果はどうあれ一度戻って来い。たとえスキルが10あっても1であってもだ。」
「まあ10はないだろうが、1もない・・・・よな?」
「お前にはすまないが、俺は4しかなかった。幸い他の子は4から6だったからまだいいが、ニールスには悪い事をした。」
「ニールスにいは2だったよな。」
「ああ。」
「だけど冒険者としてそれなりに活躍しているって聞いているけれど。」
「そうらしいな。王都に行けば会う事もあるだろう。俺がすまぬと言っていたと伝えてくれ。」
「分かったぜ親父!それにお袋!行ってくるぜ!」
「ついにクーンまで行くのね。気を付けて行くのよ?」
「ああわかっているって。じゃあなお前等。」
「気を付けてクーンにい!」
「クーンにい来年は私も行くよ!」
弟と妹は双子だ。
来年はこいつらも10歳か。
俺は同年代の連中と共に王都に向け出発した。
もうすぐ10歳になる。
そう、明日は俺の誕生日だ!
カウベルじゃないからな!カウペルだ!
ここは【ロッベモント王国】、【クツーゴ領】だ。
この地を治めているのはクツーゴ男爵。
ロッベモント王国にあって最も辺境に位置するこの地。
そして俺はこの地の領主・クツーゴ男爵の息子・・・・とは縁もゆかりもない。
ただの農家の4男だ。
ちなみに8人兄弟の6番目だ。
上には兄が3人と姉が2人いる。
下は弟と妹が一人ずつ。
この地のすぐ近くには強い魔物が住む土地があり、魔境に接している。
正確には緩衝地帯があり、
◇◇◇◇←魔物の住む土地
■■■■←魔境
□□□□←緩衝地帯
●●●●←人の住む領地
とまあこんな風になっている。
尤も魔物はそこら辺に常に居るんだが、ここで言う魔物とは縄張りを持つ強い魔物の事だ。
その昔ロッベモント王国と魔物との間で話し合いがもたれたらしい。魔物と会話がどうやったら成立するのかは甚だ疑問だが。
その時の話し合いで人の住む領地と魔物の住む土地の間に緩衝地帯を設け、尚且つ魔境という境界線を引き、棲み分けを行ってきたと聞いている。
だが今のクツーゴ領の領主、クツーゴ男爵は欲が深く俺達農民に領地の拡大を命令してきた。
農民は土魔法を使える割合が多いようで、土魔法の使い手は領地に其れなりの人数が居て、土魔法を使える者は皆領地の開墾をさせられていた。
最初は辺境ゆえに手付かずの場所が多かったのだが、沼地や湿地帯が多い上に、バカでかい岩がその辺にごろごろ鎮座していて撤去が殆ど出来ず、あまり芳しくなかった。
そこでクツーゴ男爵が目を付けたのが、あろう事か緩衝地帯。
緩衝地帯は肥沃な土地。
特に魔物も出ない事もあり、あっという間に領地は広がった。
そしていよいよ魔境付近。
最近クツーゴ男爵は魔境をも開墾せよと言っているらしい。
まあこれが今の俺の住んでいる場所の現状だ。
そして今、親父の元には長男と次男がいる。
姉は2人供既に他の農家に嫁いでいて、この場にはいない。
そして3男、俺の2つ上の兄貴は・・・・残念ながらスキルを2つしか得る事ができなかったと、親父から感動させられたらしい。いや勘当だ。
つまり、たった2つのスキルしかないんなら出て行け、と追放されたらしい。
実際には追放させられた訳ではないのだが、俺が真実を知るのはもう少し時間が経ってからだ。
その兄の名はニールス・カウペル。
剣術と火魔法のスキルだったらしく、今は王都で冒険者になっているらしいが、たった2つのスキルって実際どうなんだろうな?
運がよかったのか、得たスキルは剣術と火魔法。この2つのスキルは相性がよく、ある意味この2つの組み合わせがあれば、剣に炎を纏わせられるから中々活躍できるのではないか?
そんな中親父は領地の主だった連中と話し合いに行っているらしい。
というか全世帯の家長が集まっているはずだ。
ざっと100世帯だな。
クツーゴ領自体は700世帯程と聞いているが、流石に領地は広く、こうした集まりは村ごとになっているようだ。
そんな中俺はそろそろ王都でスキルの確認をしに行く事となった。
道中1ヶ月程かかるらしく、大人の護衛数人と共にクツーゴ領地からは同年代20人程が一斉に向かう事になる。
実際には大人は護衛ではなく案内人らしい。
そして得たスキルの数・種類によっては二度と故郷の土を踏めないらしい。
例えばスキルが8程あればどうなるか?
有力貴族が雇う可能性もあり得る。
それに冒険者としての成功が約束されているようなものだから、冒険者として身を立てる場合もある。
だが逆にスキルが平均以下、それも1~3個だった場合なのだがこちらも事情が変わってくる。
これらはどうにもならんと家元や領地から見放される場合がある。
たった10歳で、しかも少ないスキルで見放されたらどうなるのか?
この世界は子沢山だから、そんな低性能の奴等が死んでも誰も何とも思わないらしい。
低性能の奴等って・・・・何とも世知辛い世界だ。
「親父、行ってくるぜ。」
「ああ、結果はどうあれ一度戻って来い。たとえスキルが10あっても1であってもだ。」
「まあ10はないだろうが、1もない・・・・よな?」
「お前にはすまないが、俺は4しかなかった。幸い他の子は4から6だったからまだいいが、ニールスには悪い事をした。」
「ニールスにいは2だったよな。」
「ああ。」
「だけど冒険者としてそれなりに活躍しているって聞いているけれど。」
「そうらしいな。王都に行けば会う事もあるだろう。俺がすまぬと言っていたと伝えてくれ。」
「分かったぜ親父!それにお袋!行ってくるぜ!」
「ついにクーンまで行くのね。気を付けて行くのよ?」
「ああわかっているって。じゃあなお前等。」
「気を付けてクーンにい!」
「クーンにい来年は私も行くよ!」
弟と妹は双子だ。
来年はこいつらも10歳か。
俺は同年代の連中と共に王都に向け出発した。
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