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外伝  章努の話 

なかなか出発してくれねえ!

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「さあ行くぜ!」

 一体何度俺が催促しているって思っていやがるんだ!
 こんな調子だからいつまでたっても魔王がのさばっているんだよ!

「章君、君には荷が重すぎる。」

「は?見ての通り身軽だぜ!さっさと連れていけや!」
 何言っているんだよ!
 するとバイエンスのおっさんがリア充野郎に、

「彼は終始こう言った感じですな。我々はどう扱ったらいいか分かっておるのですが、流石に会ったばかりの常山様には理解できない御仁でしょう?」
「残念ながら僕には一生理解できそうにないですね。」

 俺こそあんた達を理解できねえよ!
「まあ我々は10年向き合ってきましたからな。さて章殿ですが、常山殿が思っている以上に彼は強いですよ?魔王と対峙しても十分対処できるはずです。まあ、あんな性格ですが。」
 対処って、俺は魔王相手に毎回勝っているんだよ!どこ見てやがる!

「命の保証はできませんよ?」

「本人が行くと言っているので、問題ないでしょう。彼は元々勇者としてこの地にやってくるはずでした。皇女様には今は亡き姉上がおりましてな、件の事さえなければ、彼が勇者となって魔王と対峙していたはずですから。」

「なんだよ?ようやく連れていく気になったんか?」
 お供の人選にこうも手間取るとか。
 でもなんだ?今更装備を貰ってもなあ。
 俺は未だかつて魔王から一撃を受けた事はねえ!
 だがまあ、貰えるって言うのであれば受け取ってあげない訳じゃないんだからね!とか思ってみる。
 まあ汚れたりはいいが、破れると面倒だからな、着替えぐらいは頂いておこう。

 だが・・・・折角だ、今着てサイズが合うか試すか。

「章様、他人の前でお着替えはなさらないで下さい。」
 俺は野郎だし、冒険中ってこんなもんだぜ?

「あ?別にいじゃねえか。つうかあんたも着替えろよ?」

「私が着替えるとすれば、更衣室で着替えますわ。」

「は?面倒な奴だな。まあいいさっさと着替えてこいや!」

 でもなんか受け取ったのか?今着ている装備で充分な気もするんだが。

「その、一応私にも何か見繕っていただければ、章様のお守ぐらいは致しますので・・・・」
 お守って・・・・俺がピーちゃんを守っているんだが?
 で、何やら別の人がやってきて・・・・

「魔王を攻撃するのは、魔王がいる町の都合で明日となりました。」

 はあ?なんじゃそりゃ!
 着替えた意味ねえし!
 だがさあ・・・・確かに腹は減った。
 折角だから飯ぐらい食べておくか!

 飯は旨かった!

 握り飯が出てきた時には感動して漏らしそうになったのは内緒だ。
 因みに汚れは浄化で綺麗になるんだが、折角だから大風呂につかるか・・・・
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