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外伝  章努の話 

章と順平

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  その後ゲートから出現したオイヴィの案内で俺達もゲートをくぐり、出た先でオイヴィはわんこに跨って先に行っちまった。

 おいおい案内人が先に、しかも俺達を突き放して行くとかどうなっているんだ?

「ガルムさんと言ったかしら?行先は分かりますの?」
 おいピーちゃん、何暢気にわんこと語っているんだよ!
【問題ありませんわ。夫の向かう先は、我が家のある場所ですから。それに私はこれだけ人数を抱えていますから速度が出ないのよ。】
 確かわんこが妻と言っていたな?ガルムだったか?
 で、遅れる事数時間?やっと目的地である・・・・常山領というらしいが、そこへ到着したぜ!

 もう少し近くにゲートを出せなかったのかよ!
 だが色々あるらしい。
 色々ってなんだよ全く!

「なんだよ?オイヴィに言われてやってきたって言うのに何で誰もいないんだよ!」
「ここに案内するあんたが気配を含め居なくなるってなんだよ全く!」
「なあもう帰っていい?」
 俺はピーちゃんやおっさんに苦言を言いまくった!何せやる事が無いからな!
 暫くしてオイヴィが出迎えに現れたが、どっから現れた?さっきまでここに居なかったじゃないか!
「あ、オイヴィお帰りなさい。到着したはいいのですが、貴女がいなくて困惑していましたのよ?」
 おお?珍しく苦言を放つピーちゃん。

「申し訳ございません皇女様。」

 そして・・・・後から誰かやってくるな!あれが召喚に巻き込まれたおっさんか?
「常山様、改めましてご挨拶申し上げます。ロンドロッグの元皇女・ピートロネラ・フェリシア・ファン・ディーレンでございます。オイヴィより常山様の事常々お聞きしておりましたので、他人のような気がしませんわ。」

 とても上品に自己紹介をしたピーちゃん。何でこんなあいさつする必要あるんだよ!

「ふん!何ネコかぶってんだか。ああ、俺は章努だ。こいつのせいでこの地に連れ去られたんだ。ゲームと思ってはいと返事をしたら、まさかの異世界への転送だったんだぜ?いや転移つうのか?」

「章様、その節は申し訳ありませんでしたわ。」

「ふん!分かればいいんだよ分かれば!」
 どうでもいいがこいつが上目使いで俺を見つめると・・・・何も考えられなくなるぜ!

「ふふ。そんな章様も素敵ですわ。」

「そ、そうか?まあ俺様は常に・・・・ってあんた、なんで俺達を待たせてんだ、ああ?」

 するとオイヴィが何やらおっさんに耳打ちをしているぞ。

【申し訳ない。彼は勇者として召喚されたはずなのだが、手違いで・・・・いや間違いかな?城をいきなり追われ、死にかけた経緯があってな。人間不信に陥っているようなのだ。】

【はあ・・・・そう言われても僕それには関係ないよな?】
【個人的には。しかし大きな流れでは大いに関係しているのだ。】
【いったい何が関係しているんだ?】
【ロンドロッグとしては勇者召喚が失敗したとされてな、その直後に魔王が我が国を滅ぼし、慌てたグビッシュ王国が準備不足のまま勇者召喚を行ってしまい、順平殿達がこの地にやってきたのだ。】
 あんた達の声駄々洩れだよ!

「えっと、僕の事は知っているようだけれど、常山順平です。この地で公爵として領地を治めています。一応勇者となっていますね。」

「はい、承知しておりますわ。私が行った召喚の失敗・・・・姉の不始末が原因と後から知りましたが、結果私が行った召喚のミスにより、ご迷惑をおかけしてしまいましたわ。」

「皇女様、ミスとは?」

「姉が、いえ、皇族の誰かが召喚の儀により召喚をお受け下さった方の為に、カードを用意する必要がありましたの。それを誰も用意を・・・・いえ、姉がそのカードを隠していたようで、急ぎ用意する必要がありましたが誰も・・・・仕方なく私が急ぎ用意致しましたが、言語の違いそ失念し変換を間違えてしまい、【勇者ゆうしゃ】となるべき所を【游者ゆうしゃ】と、そして他のステータスにも表記の不具合が起きてしまい・・・・色々申し訳ございません。」

【後で説明しよう順平殿。】
【頼むよオイヴィ。訳が分からない。】

 何でこんな簡単な事が分からないんだよ!
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