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外伝  章努の話 

難民問題は難しい

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「皇女様、ショー殿は精神的に限界を超えておりますな。」
「バイエンス殿、それはどうしてでしょうか?」
「実は色々言われているのですよ。どうして私達を助けてくれなかったのかって。勝手でしょう?理由はとにかく追放したのはロンドロッグですからな。しかも魔王の脅威から身を守るために召喚した勇者を、間違って?確認もせずに放り投げ、あまつさえその結果魔王に滅ぼされたのですから。民衆は自分達に関係ない!と言うかもしれませんが、民衆はずっと皇族を支持をしてきました。残念ですがショー殿には助ける理由がありませんからな。」
「しかし、それと精神的な限界はどう関係しているのでしょう?」
「ショー殿はなんだかんだで・・・・自分を窮地に追い込んだ皇族はもう既に鬼籍に入っておりますからどうにもなりませんが、そのせいで国を失くした民衆に手を差し伸べたいのですよ。しかし未だ16歳。今も魔物と戦い勇者としての力を鍛えておりますが、知識がありません。それに先程も言いましたが、助けを求めても助けてもらえないからとショー殿に食ってかかる連中もいるのですよ。」

 そんなバカな!とピートロネラは思ったが、皇女が見ていない、いない時にそう言った出来事は起こっている。
 そんなピートロネラにバイエンス氏は、

「何せショーは勇者としての修行を兼ね、現在支援している集落の周りで魔物と戦っております。ショー殿は人が自分に言った罵詈雑言を決して人に、私共に言おうとしませぬ。そもそもそう言った対処は私共がすべきなのですが、全てできる事ではありませぬ。ショー殿が戦っている最中に押しかけて来る連中を私共は全て捌く事が出来ないからです。ショー殿は中々に図太い神経をしていると思われますが、実はそうではない事は皇女様もご存知でしょう。」
「ええ、それは知っています・・・・ではどうしろと?」
「難しいですな。大々的に何処かへ来るよう難民に伝え、一ヶ所に集めるのが一番なのですが、それをすると魔王軍に知れてしまい、最悪魔王自ら襲撃に来るでしょう。」
「しかし、このままではロンドロッグの人々はずっと苦しんでしまいます。」
「ですので今できる事はこうして各地へ向かい、それぞれ自分達で暮らしていけるだけの支援をしているんのですよ、皇女様。」

 そうは言っても前例のない出来事なだけに、バイエンス氏も苦心している。
 どうするのが正解なのか、わからないからだ。

 民衆が求める支援は多岐にわたり、その全てに応える事ができないからだ。
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