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外伝  章努の話 

野良神

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 野良神とは読んで字の如く、野良の神である。
 そもそも野良の神とは何?と思うかもしれないが、野良は野良なのである。
 有り体に言えば、神界を放逐され、神でありながら地上で暮らす神の事である。

 そんな野良神が章の所にいるのだ。
 何故か?それは・・・・

【何故私が君の所で絆を結びたいか知りたいのだろう?それはね、勇者として召喚された人物と契約を結び結果を残せば、神界へ戻る資格を得られるからだよ。ここにいる召喚士は何ていったらいいのか、神に対して素晴らしい心を持っている!だから本来自分だけで独占すべき絆を、何と僕にもその一部を許可してくれると言うのだよ!なんて慈悲深い女性なんだ!そんな女性を伴侶にしちゃうとか君は本当に恵まれているね!】

 なんか勝手に語り始めたぞ?そして意味が分からなさ過ぎて色々聞きそびれてしまったが・・・・まあいいか。
【つまり神界へ戻る為に俺を利用しようとしているって事か?】
【いやいや待ってくれないかい?確かに利用すると言うのは否定しないが、それは君との絆を結んで、君を補佐しない事には意味を成さないからね?つまり君が死ぬまで補佐が続くんだよ?そして君の死に方次第では絆を結んだ意味が無くなるから、僕は君を全力で補佐しないと神界へ戻るチャンスを得る事すらできないんだよ?】

 何か必死だな。さてどうすっかなあ?
 わざわざこいつと何かをしなくても生きていけそうだし?
 ピー何とかちゃんさえいればいいんだよな?あの子とっても素敵だし?
 目に見えん謎の脳内野郎とかいらないぞ?

【いやいやちょっと待ってくれ!これでも神の末席にある身だよ?君も僕の助言で嫌だけれども現実を知り、結果的に役だったはず。今後もある意味無償でそう言った助言を出せるんだよ?言っておくけれど絆を結んだからって君の魂や命に影響はない!僕が神界へ戻るには君が老衰で死んで、来世で無事に新たな生命として生まれない事には意味がないんだ!だから君には得はあっても不利益になる事はないんだ!信じてくれ!それに何か勘違いしているようだ。】
 必死だが・・・・俺が一体何を勘違いしているっていうんだ?

「ゆう・・・・ショー様、警戒されるのは分かりますし、それに理解もできないのでしょう、それはこの世界にやってきて間もないので仕方のない事だと思いますわ。私が言える事は、ショー様に語り掛けている野良神ですが、野良神は神界へ戻るつもりであれば相手に嘘を付けません。それに絆を結ぼうとしている相手を騙す事は決してありません。騙してしまうと神界へ戻る機会を失う事を意味します。」
「そうなのか?えっと・・・・」
「ピートロネラですわ、ショー様。」
「長いな、ピーちゃんでもいいか?」
「・・・・何かそれはいけないと本能が警告しています。せめてロネラで、若しくはピート・・・・ああ、何て事でしょう!私の名前を短縮すると、何か酷い事になる未来しか見えませんわ!」
 ピートってなんかあったよな?あとピートロ・・・・とろ?ロネラは知らんが頑張って覚えるか?
「そこは何とか譲歩しよう、ピ・・・・ピートロネラだったな?」
「はいゆう・・・・ショー様!」
 俺はピートロネラに、野良神をどうすべきか助言を受けていた。
【あーすまないがそろそろ本当に頼むよ?】

 野良神の扱いはあまりにも雑だった。
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