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外伝  章努の話 

スマホで撮影していた動画を見る

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 俺はスマホが動くか確認をするが、問題なく動く。

 そして気になったのが、動画だ。
 もしかして何か撮影していないか確認しようと思いアルバムを見ると、俺の知らない写真が数枚と、動画があった。
 つまり俺のスマホには入っていない、つまり召喚されてから撮影したやつって事だ。
 俺は動画を確認する。

 ●   スマホの動画   ●
 ●が動画の声です。

 ●「撮れているよな?いやマジ何これ?風呂に入っていたはずなんだけど?タブレットでなんか【はい】を押したんだよな?で、なんだか怪しげな片言の美少女が何か言っていると思ったら、残り時間が何たらって出て、慌てて体拭いて服を着たんだけどさ、いやマジ何これ、転移か?」
 俺の声だな。
 確か俺は風呂の湯ごと女にダイブしたんじゃなかったか?
 で、見ているとひとりの美女が映っている。
 だが俺の時とは少し違うか?きつめの顔の美女だな。
 少し年上か?

 ●「え?ええ?何でこっちに現れるのよ!嘘でしょ?!マジ何で?ちょっとピートロネラの邪魔をしようと思っただけなのに!ぎゃあ!どうしようどうしよう!何でこっちに現れるのよ!」

 何だこれ?

 ●「うわ、何言ってんのかわかんねえ!」

 うん?どういう事だ?言葉がわからない?
 今俺は、このスマホで再生している言葉がわかるぞ?

 ●「ちょっと!こいつを鑑定しなさいよ!」
 ●「は!少々お待ちを・・・・ペトロネラ姫!これはまずいですぞ!勇者ですぞ!」
 ●「ぎゃあ!ヤバイやばい!どうすんのよ!嫌よ私!こんなのと絆を結ぶなんて!お前、捨ててきなさい。」
 ●「え?捨てるとは?」
 ●「ピートロネラには絶対気づかれないよう、こっそりと場外へ連れ魔導車で運んで、途中で捨ててきなさい。さすれば魔獣が食べてくれるでしょ?」
 ●「し、しかし、この者は勇者ですよ?」
 ●「嫌よ!召喚した私ががこんなのと絆を結ばないといけないのよ!絆ってどうやって結ぶかあんた知っているの?」
 ●「いえ、詳しくは。」
 ●「こいつとセ▽クスしないといけないのよ!大体ね、召喚の儀は異性しか呼べないのってこれが理由なのよ!もっと年上で素敵なおじさまがやってくればまだましだけど、なんでこんなクソガキが!そうそう、このまま捨てたらばれるからさ、適当に冒険者の恰好させときなさいよ!ついでに、一応これ持たせとくといいかしら。」
 何だこいつ。それとあれはカードか?
 あ、ここで終わっているな。
 次のはなんだ?

 ●「ひょお!なんか渡してくるから受け取ったけどよ、見ろよこれ本物の剣だぞ!それにこれ金貨?ずっしりしているぞ?」
 うわ、あれって拾った剣だよな。
 あ、なんだか乗り物が止まったぞ?
 ●「降りろ!」
 ●「何言ってんのかわかんねえ!」

 ここで終わっているな。お、まだあるな。

 ●「いてえ、なんだよあれ。しかもここ何処だ?あいつ等俺をこんな所に置き去りとか、どういうつもりだ!しかもなんか生臭い!」

 うわ、何かの死体が転がっているじゃねえか!

 ●「あ?今なんかうなり声がしたか?」

 何だかあちこち映していると思ったら、
 ●「うぎゃああ!」

 なんじゃこりゃ。

 スマホが吹き飛んだ?
 あ、地面に落ちたのな。

 で、なんか聞こえてる?

 ●「いてええってなんだこれ!死ぬ!死ぬ!痛い痛い!そ、そうだ剣!剣があったはず!これだ!くそ死ね!」

 え?何これ?

 ●「う・・・・し、死んだ?終わったのか?あ、スマホ何処だ?あ、あった。」

 うわ、血だらけじゃねえかよ。しかも顔が半分血で真っ赤じゃねえか。
 で、ここで終わっているのな。

 この後はないな。
 スマホをカバンに仕舞ったのか?

 そして、死んだのか?
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