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外伝 章努の話
教会から人がやってくる
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俺は今、先程案内されて待っていた部屋に、受付のお姉ちゃんと一緒にいたりする。
この世界で最初に出会ったあの女、あれは顔とスタイル共によかったが、二度と会いたくない。
俺をこんな目に合わせた張本人だからな。
しかもなんだかんだと俺を置き去りにしてさっさと自分だけ消えて(召喚時の負荷のせいで気を失った)、残された俺は丁重に扱ってくれると思い、最初は確かにそういう扱いを受けていたようで、その実俺は罵倒され捕らわれた訳なんだよな。
気が付けばどうやら気絶してたようで、身動きが取れないよう何やら布で簀巻きにされ、乗り物の荷台へ乗せられ終いにはよくわからん場所に捨てられる始末(本当は魔物から逃げている最中に落下しただけ)。
何だよこれは。
そして今、目の前に居るねーちゃん。
あの女には劣るが、これはこれでなかなかにいい顔だ。
しかし残念ながら年上だな。
結構離れていそうだから、きっと男として見られていないんだろう。
「それではショー様、もう暫くお待ち下さい。」
何だか疲れたからもう俺は椅子に座って、すぐに寝てしまったぞ。
・・・・
・・・
・・
・
何だか騒がしいな。
そう思うと誰かがゆすってくる。
目を開けるとそこには美人のねーちゃん・・・・ではなく、バイエンス氏だっけか、おっさんがいた。
「ショー殿、教会の人が今死体を検分してるのですよ。その関係でギルマスと受付の女もここにはいないのです。先程中断した続きをしようと思うのですが、今大丈夫でですかな?」
俺はまだ頭がぼーっとしているので、生返事をしてしまった。
「ではここに手を置いて下され。少しちくっとするかもしれませぬが、血を取るだけですので我慢を。」
そう言って何だか知らねえが、針みたいのを出してきたぞ。
俺の指がちくっとしたかと思えば、そのまま俺の手を取り石板に置いているカードに血をたらしやがった。
俺はまた椅子に座りなおし、目を瞑る。
「ショー殿、上手くいきましたぞ!」
何が上手くいったのか知らんが、寝かせてくれ。
・・・・
・・・
・・
・
気が付けば誰かの話声が聞こえる。
「・・・・ではこれが買い取り額となります。」
「確かに。それと、金は半分は現金でくれ。残りはショー殿のカードに入れておいてくれ。」
「畏まりました。では少々お待ちを。」
何の事を言ってるんだ。
俺は目を覚ます。
「ショー殿、丁度よかった。買取価格が出たので半分は現金で、残りはカードに入金してもらいましたぞ。」
「・・・・あ?なんだ?」
バイエンス氏は俺にもう一度説明をしてくれたようだが、眠くて頭に入らん。
そしてせかされるようにギルドを出る。
「ショー殿、少し歩きますぞ?」
いや俺眠いんだけど。
疲れているし、体の節々が痛いし。
休ませてくれ!
この世界で最初に出会ったあの女、あれは顔とスタイル共によかったが、二度と会いたくない。
俺をこんな目に合わせた張本人だからな。
しかもなんだかんだと俺を置き去りにしてさっさと自分だけ消えて(召喚時の負荷のせいで気を失った)、残された俺は丁重に扱ってくれると思い、最初は確かにそういう扱いを受けていたようで、その実俺は罵倒され捕らわれた訳なんだよな。
気が付けばどうやら気絶してたようで、身動きが取れないよう何やら布で簀巻きにされ、乗り物の荷台へ乗せられ終いにはよくわからん場所に捨てられる始末(本当は魔物から逃げている最中に落下しただけ)。
何だよこれは。
そして今、目の前に居るねーちゃん。
あの女には劣るが、これはこれでなかなかにいい顔だ。
しかし残念ながら年上だな。
結構離れていそうだから、きっと男として見られていないんだろう。
「それではショー様、もう暫くお待ち下さい。」
何だか疲れたからもう俺は椅子に座って、すぐに寝てしまったぞ。
・・・・
・・・
・・
・
何だか騒がしいな。
そう思うと誰かがゆすってくる。
目を開けるとそこには美人のねーちゃん・・・・ではなく、バイエンス氏だっけか、おっさんがいた。
「ショー殿、教会の人が今死体を検分してるのですよ。その関係でギルマスと受付の女もここにはいないのです。先程中断した続きをしようと思うのですが、今大丈夫でですかな?」
俺はまだ頭がぼーっとしているので、生返事をしてしまった。
「ではここに手を置いて下され。少しちくっとするかもしれませぬが、血を取るだけですので我慢を。」
そう言って何だか知らねえが、針みたいのを出してきたぞ。
俺の指がちくっとしたかと思えば、そのまま俺の手を取り石板に置いているカードに血をたらしやがった。
俺はまた椅子に座りなおし、目を瞑る。
「ショー殿、上手くいきましたぞ!」
何が上手くいったのか知らんが、寝かせてくれ。
・・・・
・・・
・・
・
気が付けば誰かの話声が聞こえる。
「・・・・ではこれが買い取り額となります。」
「確かに。それと、金は半分は現金でくれ。残りはショー殿のカードに入れておいてくれ。」
「畏まりました。では少々お待ちを。」
何の事を言ってるんだ。
俺は目を覚ます。
「ショー殿、丁度よかった。買取価格が出たので半分は現金で、残りはカードに入金してもらいましたぞ。」
「・・・・あ?なんだ?」
バイエンス氏は俺にもう一度説明をしてくれたようだが、眠くて頭に入らん。
そしてせかされるようにギルドを出る。
「ショー殿、少し歩きますぞ?」
いや俺眠いんだけど。
疲れているし、体の節々が痛いし。
休ませてくれ!
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