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外伝  章努の話 

ギルドマスターとか言うのがやってくる

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 バイエンス氏がカードに何かをしていると、ドアからノックの音が聞こえてきた。
 バイエンス氏が急いでカードと石板を自身のカバンへ入れているが、何でだ?
「ショー殿、カードと石板は秘密ですぞ?時間がありませんので一旦私が預かります!」

 そう言ってドアを開けたが、何で秘密なんだ?
 するとさっきのお姉ちゃんと、もう1人知らないおっさんがやってきた。
「お待たせいたしましたわ。私では荷が重いのでギルマスに来て頂きました。」
 ギルマス?ギルドマスターか?

「そちらの方は初めまして。当ギルドでギルドを任されております、テオ・フルンと申します。以後ご承知おきを。」

 そう言って目の前に座りやがった。

「バイエンス殿、本日はどうされましたか?」
 何だか勝手に話し始めるし。
 俺って空気か?
「こちらのショー殿ですが、王都方面よりこちらへ向かう途中に、魔物に襲われましてな、その折どうやらそれら魔物がショー殿より前に別の誰かを襲っていたようで、魔物が殺害したと思われる死体を3体回収して下さって、その報告に来たんだ。」

 概ね合ってるから俺は何も言わない方がいいのだろうな?
 こういう時は交渉になれていると思われる人に任すのが吉だな。
「それはそれは。で、その死体はどちらに保管されておられるのでしょうか?」

「ああ、こちらにいるショー殿、こう見えて収納持ちでね。」
「それは貴重なものをお持ちで。ではここでは無理ですから、解体場で出して頂けますかな?死体は後で教会の関係者に引き取らせましょう。」

 教会って何だ?しかもまた移動とかどうなっているんだ。

「ショー殿、こちらですよ。」
 バイエンス氏に言われ俺も動き出すが、解体場ってなんぞ?
 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・
 おお!広いというか血なまぐさいぞ!
 何か分からんが死体を切り刻んでいるのか?
 ここで素材やら必要な部位を選別しているのか?
 ネットの写真で豚や牛を解体した精肉場だったか?そういうのを見た事がある程度だからな。
 勿論血がドバってのは見た事ないぞ。

「ショー殿でしたかな?解体場は初めてですか?」
 テオとかいうおっさんが声をかけてくるが、そんなの当り前じゃないか。
「ああ、解体場なんて入った事ないな。」
「まあ魔物を仕留めないとここには用がありませんからな、はははは!」
 笑いのツボが分からん!
 そして少し広めの場所をこのおっさんが指さしてるが、ここに出すのか?

「ではショー殿、死体をここへ出して頂いても宜しいか?」

「あんまり見たくないんだよなあ。まあ出すぞ?」

 どうやってあんな大きなのを出したらいいんだ?
 分からんままお腹に手をやると、なんだか頭に思い浮かんでくる、そんな感覚がするがこうか?
 そう思っていると手に何かが触れた感覚。
 それを引っ張るようにすると、出てくる出てくる。
 死体が3体、床に転がり乗り物の残骸も出てきたがまあいいか。

「うわ!乗り物まで入れていたのですか!」
 驚いているな?
 そして死体に目線が釘付けだぞ?
「こ・・・・これは?これは神聖帝国の兵士と御者ではありませんか?これはいったい?」
 おっさんいい格好をしている方の死体をじろじろ見ているな。
 あ、魔物だっけ?あれも出しとくか。
「その乗り物の所にこいつらがいてさ、生きている魔物は俺がとどめを刺したんだが、出すぞ?」
 俺はそのまま隣のスペースに魔物の死体を出していく。
 うげ、イノシシみたいだが、でかいな。
「これは!レッドボアですか?それも10体とは!」
「俺が通りがかった時はもう何体かは死んでいたけどさ、生きているのもいたぞ?」
「この人数で10体ものレッドボアに襲われたとなると、納得ですな。どうされますか?こちらで全て引き取りましょうか?」
 俺はバイエンス氏を見るが、
「特にいらないのなら、全て引き取ってもらっても宜しいと思いますよ?金に換えたほうがいい。」
 そういうもんか?
「じゃあ買取でいいよ。」
「ありがとうございます。ではレッドボアに関しては早速解体作業に取り掛かりますので、少々お待ちを。それとこの死体は、教会の方に連絡致しますので後はお任せ下さい。では先程の部屋へ戻っておいて下さい。」

 また戻るのか?

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