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召喚から15年が経った

第619話 結界に守られた城塞都市

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「折角目の前に門があるんだから、先ずはここから入ってみようよ。」

僕は早起の教えてくれた裏門とでも言うのかな?
それとも今は方角がわからないから北門とか南門とか?
まあ目の前の門に入っていきます。

「私があ、先に行ってあげるう。」

早起が門に最初に辿り着きました。

しかし突然止まってしまいます。

「あ、あれ?あれれ?何だか進めないんだけどお?」
早起が門をくぐったと思ったら、それ以上進んでいかない様子。
僕とオイヴィもすぐに追いつき・・・・
見えない何かに跳ね返されました。
「何かある?でも全く見えないな。」
するとオイヴィが、
「結界だな。」
結界って・・・・
「なんでえ?今までこんなの無かったよお?」

早起は知らない様子。
「ちょっと色々調べようか?」
このままどうにもならない場合、力業での侵入がありそうなので、落ち着かせます。

「オイヴィ、どう思う?」
「さほど強い結界ではないが、何やら対象を絞っているようだ。そのせいで我らは結界に阻まれている。」
「何が対象か分かるかい?」
「ちょっと待ってくれ。調べよう・・・・」

オイヴィは何やら結界に手を触れて調べています。

早起は叩いたり殴ったりしている。
で、ナイフを取り出し、
「えい!」

わ!今オイヴィが調べてるのにそれはないよ?

だけど何故かナイフの先は結界を超え、ナイフを握っている早起の手の部分から阻まれています。

勢いあまってナイフが飛んでいきます。

・・・・あれ?何で物だけ飛んでくの?

どうやら調べながらオイヴィもその様子を見ていたらしく、

「なんと?」

とか言いながらオイヴィも何か取り出し調べています。
長い棒ですね。しかも2本。
それを出し入れしている様子。

そして1本を結界の向こうに落とします。

で、もう1本の棒でさっき落とした棒を・・・・こちらに戻してます。
で、上手く回収できたようです。

「どうする順平殿。物は行き来できそう。ゲートをあちらに置き、わたってみるか?」

暫く考えます。
オイヴィの言わんとする事は分かりますが、危険が伴います。
「オイヴィ、結界の厚みがわからないと危険すぎる。」
するとオイヴィは、
「それは問題ない。結界の厚さはせいぜいこぶし程度だ。それ以上の厚みでは魔力が足りぬ。」

「わかった。ゲートを設置し、先ずは物を送ってみよう。」

早速ゲートを結界の向こうに投げます。
筒状にしているのでソコソコ飛んでいきましたが、上手く広がり・・・・はしませんでした。

仕方がないので長尺の棒を用意し、それでゲートを拡げます。
今度はうまくいきました。

「じゃあ早速小さなものを送ってみよう。」

対になるゲートを設置し、手元にあった水筒を送ってみます。
・・・・うまくいきました。
で、端末で操作をし、向こうのゲートの水筒を戻します。

戻った水槽には特に変わった変化は見られないので、今度は人・・・・

誰にする?
僕が行くべき?それともオイヴィ?
危険な事に変わりがないので僕が・・・・と言いたい所ですが、きっとオイヴィが行くと言うんだろうなあ。
ただ早起には最初には行かせないほうがいい。
一番危険なのはある意味彼女。
何せ本来ここの住民?しかも身分のある立場だったはずで、それが例外なく締め出されているんだから。

そんな事を思っていたら、オイヴィが何も言わずにさっさとゲートに入っていました。
あ!と思ったけれど手遅れ。

オイヴィは既に結界の向こう側。
「オイヴィ!何で!」

「順平殿に万が一があるといけないものでな。だが私はこの通り問題ない。」
そう言う問題じゃないんだけど。

「あらあ?あんなので行けちゃうんだあ?私もいいかなあ?」
「オイヴィが行けたからと早起も行けるとは限らないんだぞ?」
「大丈夫よお?」
まあこの流れだと最後が僕で間違いないな。
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