勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ

文字の大きさ
上 下
623 / 736
召喚から15年が経った

第617話 精練しすぎて大変な事に

しおりを挟む
早速魔道具を起動、確認します。
 しかしここでいきなり想定外の出来事が。

 大気中の魔素を精練し、人工魔石に変換する魔道具がいきなり動作不良に。

 どうやら魔素が濃すぎて精練する能力が追い付かなかったようです。

 流石にこんな濃厚な魔素は想定して作っていないので、改良の余地がある?

 つまりは魔素を取り込む速度及び濃度に制限を設け、許容量以上の魔素が周囲にあった場合、能力以上の魔素を取り込まないようにリミッターを設ける事にしました。

 グビッシュ王国において一番魔素の濃い常山領のダンジョン周辺、そこでもこの魔道具は余裕をもって稼働する能力がありました。

 まあこのぐらいならスキルで対処。

 そしてこの魔道具、大きさは実にコンパクトなので片手で持てます。
 但し魔大陸で稼働させるにあたりもう一つネックがあります。

 想定以上の速度で精練され人工魔石に変換されていきます。
 この為に魔石となった塊が魔道具からどんどん落下していくんです。
 魔道具に合わせた収納かばんを用意し、そのまま収納かばんに入っていくようにした方がいいのかな。
 ないと思うけれど、これを稼働させて移動した場合、落ちている人工魔石を辿られてしまうと移動した経路が簡単に特定されてしまう恐れがある。
 これを避けるためにもすべて回収したほうがいい。

 そう結論付け早速改良を加えます。

【日々改善】
 うん。何事にも現状で満足する事無くよりよい環境で行動ができるようにしないと。
 そうじゃなかったらいいものができた瞬間現状に満足し慢心してしまいます。

 例えば武器を打つ鍛冶職人。
 職人のプロフェッショナルである本物の鍛冶師は業物を打っても更なる武器を打ちたいと日々精進するそうです。

 何処かで妥協しないと生活できないので、ある程度の品質で落ち着いてしまう職人も少なくない中、そう言った本物の職人はほんのわずかしかいません。
 そしてその中で本当に才能に恵まれ、尚且つ努力をする職人は両手に砂をすくい、その中の一粒を探すような確率しかいないでしょう。
 僕もそう言った職人になりたいと思いますが、領主としての立場がそれを許さない。いえこれは言い訳ですね。

 落ち着いたら本当は何をしたいのか、真剣に自分を見つめてみよう。
 何故かここにきてそう思ってしまいました。



 さて、出来上がった魔道具。
 これを何個も複製します。
 僕とオイヴィが背負っているカバンに2個ずつ括り付けます。
 早起にはどうするか・・・・
 そんな事を考えていると、
「それ面白そうねえ?それ私にも着けてよう?」

 一応彼女もかばんを背負っています。
 流石の彼女も万が一の場合に備えて必要最低限の物資を持ち歩いています。

 もし魔道具が使えなくなった場合を想定し、リュックは魔道具ではありません。
 中身も基本魔道具ではないです。
 飲み水や食料、ポーションをいくつかと布や着替え。
 まあ彼女なら多少重量が増えても問題ないだろうから僕達と同じように2つ括り付けます。

 これで多少は魔素の濃度が緩和されたらいいんだけど。

 で、出発します。
 そうは言っても目的地は既に視界にとらえています。
 ただ普通に歩いて辿り着けるのか?
 空から向かった方がいいかもだけど、魔導船が使えるのかも分かりません。
 危険があるかもしれないし、魔素が濃すぎて操船に影響が出るかもなので慎重に考えないと。

「ちょっと待ってえ?」

 早起がいきなり止まってそう声をかけてきました。
 何か違和感でもあったのかな。
「どうした?何か違和感でもあったのかい?」

「それなんだけどお、誰もいないのがおかしいのよねえ。この辺りならあ、誰かいるはずなんだけどお、誰もいないのよねえ。」

 それはつまり章君が城の魔族を軒並み消滅させたって事?
 あれ?
 あれ?章君はここに来たのかな?
 そもそも何処で魔王を消滅させたのか確認した覚えがない。
 魔王の居城で魔王と対峙したと思い込んでいた・・・・思い込みって駄目なんだけど、先入観があると思い込んでしまう。
 今更章君に確認できないし。
「何か周囲を調べてみるかい?」
 何やら顎に手を持っていき、考え込む早起。
「もう少し進んで見ようかなあ?」
 この周囲は知り尽くしているであろう早起。
 僕等が異変を感じるまではさきの判断に従い行動しよう。
 ただ、初めて来た場所だから以前の状態がわからないので僕等では判断できにくいなあ。

しおりを挟む
感想 394

あなたにおすすめの小説

俺だけ2つスキルを持っていたので異端認定されました

七鳳
ファンタジー
いいね&お気に入り登録&感想頂けると励みになります。 世界には生まれた瞬間に 「1人1つのオリジナルスキル」 が与えられる。 それが、この世界の 絶対のルール だった。 そんな中で主人公だけがスキルを2つ持ってしまっていた。 異端認定された主人公は様々な苦難を乗り越えながら、世界に復讐を決意する。 ※1話毎の文字数少なめで、不定期で更新の予定です。

えっ、じいちゃん昔勇者だったのっ!?〜祖父の遺品整理をしてたら異世界に飛ばされ、行方不明だった父に魔王の心臓を要求されたので逃げる事にした〜

楠ノ木雫
ファンタジー
 まだ16歳の奥村留衣は、ずっと一人で育ててくれていた祖父を亡くした。親戚も両親もいないため、一人で遺品整理をしていた時に偶然見つけた腕輪。ふとそれを嵌めてみたら、いきなり違う世界に飛ばされてしまった。  目の前に浮かんでいた、よくあるシステムウィンドウというものに書かれていたものは『勇者の孫』。そう、亡くなった祖父はこの世界の勇者だったのだ。  そして、行方不明だと言われていた両親に会う事に。だが、祖父が以前討伐した魔王の心臓を渡すよう要求されたのでドラゴンを召喚して逃げた!  追われつつも、故郷らしい異世界での楽しい(?)セカンドライフが今始まる!  ※他の投稿サイトにも掲載しています。

毎日スキルが増えるのって最強じゃね?

七鳳
ファンタジー
異世界に転生した主人公。 テンプレのような転生に驚く。 そこで出会った神様にある加護をもらい、自由気ままに生きていくお話。 ※ストーリー等見切り発車な点御容赦ください。 ※感想・誤字訂正などお気軽にコメントください!

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク 普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。 だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。 洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。 ------ この子のおかげで作家デビューできました ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

処理中です...