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召喚から15年が経った

第592話 魔族って身体能力が桁違いなんだな

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僕とオイヴィはそれぞれフェンリルとガルムに跨って移動しているんだけど、あの魔族の女性は殆ど飛ぶ勢いで駆けていきます。

それもフェンリルたちの全力に等しい速度で。
【あ奴、あの速度でずっと駆ける事ができるのか?】
フェンリルが不思議がっているんだけど、どうなんだろう?
フェンリルは4脚・・・・って数え方でいいのかな?で力強く駆けているんだけど、あの女性はあくまで人型なので普通に走っているのですが、その速度が尋常じゃない。
普通に全速力で駆ける速度と違い、多分時速100キロオーバー。
もしかしたら時速200キロぐらい出ているかも?
ぶっちゃけフェンリルに跨っているとその感覚がわからないんです。
何せフェンリルの速度の秘密は単に脚力ではなく、身体に纏う魔法にあるからです。風の抵抗を一切感じませんから。
もはや人間やめています。あ、魔族だっけ。
どれぐらい時間が経ったか分かりませんが、魔族の女性は何か合図をしています。
すると速度を落とし、最後には止まりました。

「どうする?いくらあたいが速いからって、流石に魔大陸へはこのままでは渡れないよ?」
周りは岩だらけで海とか見えないけど。

「この先は海なのかい?」

「ああそうだよ!そうは言ってもこのまま馬鹿正直に浜に行けば、あんたは兎に角あたいは襲われるからね!」
彼女は魔族。で、魔大陸との境と言うべき浜には魔族を嫌う人が住んでいる?

「じゃあ君はどうやってここに来たんだい?」

「え・普通に泳いできたけど?」

泳ぐって・・・・
「因みに泳ぐって距離は?」

「100キロぐらい?」

・・・・やっぱりとんでもないな彼女は。

「ねえ、あたい疲れたんだけど、ちょっと回復させてくんないかな?」

「そりゃああんなに走れば疲れもするだろう?と言うか君は何ていう名前なんだ?」

「あ!ごめんあたいすっかり忘れてた?あたいはあたい。」

・・・・馬鹿な娘さんだった・・・・
「あ!今失礼なこと考えたでしょ?言っとくけどあたいがあたいって言うのはね、そもそも名前なんかないからさ!世間では魔王の娘で通ってたし?たまには姫様って言われてたけど。」

「え?あのおっさん自分の娘に名前つけてなかったのかい?」

「あ?やっぱりあんたが父の仇?」

「いや、戦った事があるけど、逃げられた。側近が罠を仕込んでね。あとで酷い目に遭ったよ。」
「そ、そう。ならいい。じゃあ、あたいはもうあんたの物だからさ、あんたが名前つけてよ。それとあんたの事は何て呼べばいい?旦那さま?ご主人様?それともダーリンかしら?」

「ちょっと待って。オイヴィ、少しいいか?」

「かまわんが、いいのか?魔族の異性に名付けをするというのは特別な事だぞ。既に角を触りまくっているから今更だが。角を触り従えさせてからの名付け。自らあの女を所有物と宣言するようなものだな。」

「なあ、あの女性はそれでいいの?何だかとんでもない話なんだけど。」

「さあ、流石にわからんな。私も何度か魔族と対峙したが、あそこまで頭のおかしい魔族は出会った事がない。」

あ、オイヴィでもあの女性は頭がおかしいと思っているんだ。

「まあ名前がないのはかわいそうだから、何かつけてあげよう。」

「・・・・順平殿の決める事だ。口出しはすまい。」

さて、どんな名前にしよう?やっぱり日本人ぽいのがいいかな?



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