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異世界にやってきてから10年

第505話 章君の主張する所によれば

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「だあ!何でわかんねえかな?」

電波の子?
僕にはさっぱり理解できない・・・・

何か言っているんだが、僕には難解すぎてお手上げ。
周りを見るも、【皆我関知せず】の感じで明後日の方向を見ているね。

はあ・・・・どうしろと?

「何でわかんねえんだよ!今がチャンスなんだって!」

「その、チャンスとはどういう事か具体的に教えてくれないかな?」

僕は章君に聞いてみます。

「は?魔王がだな、せっかく召喚者に憑依したんだ!そのまま切っちまえばいい!」

「いやいや仮にも森信君は・・・・まあ僕も切られたし、その前に内元君も切られたし、今更彼を助けようと思わないけど、だからといって憑依してるから切っちゃおうとは思えないんだけど。」

正直魔王となった・・・・魔王に乗っ取られた森信君を切る事にためらいはない。

どちらかと言えば、その後どうなるかが心配。
切った人に憑依しに来るとか、もっと別の何かを仕掛けて来るとか。

しかし森信君に憑依しているという事は、事実か小津か確かめた方が良いとは思うのですが、やはりここは自分で確認しに行くべき。

「おっさんいくぜ!おばちゃんらもさっさと行く!」

・・・・僕をおっさん呼ばわりは・・・・まあいい。妻達をおばさん呼ばわりとか・・・・本当に空気が読めない。

バイエンス氏があほの子と断言するのがわかる。

そして皇女様が章君の頭を思いっきり張り飛ばしてる。

「いてえ!なんだよ!」

「こんな美しい女性を目の前にして、そんな言い方はないですよ。」

「はあ?どう見ても年上。年上をおばちゃんと呼んだら駄目なのかよ?」

章君、周りを見ようね。

皆避けてるよ。

「章様、私悲しいですわ・・・・」
あ・・・・泣き始めたけど何これ?

「あ・・・・わあ!泣くなよ!」

「章殿、女性を泣かすとはいけませんなあ。」

「何だよどいつもこいつも!う・・・・わかったよ泣くな!」

「常々言っていますが、女性の扱いをもっと学んだ方がよろしいですわ。」

皇女様、そもそもそれ以前の問題かと。彼には常識を学んでもらった方がいいのでは?

「それはもう、手遅れですから。」

僕口にしていた?

「いえ、口に出してはいませんわ。」

彼女は僕の思考を読めるのでしょうか?

結局この後も章君のズレっぷりが凄すぎて話が進まず、結局ここに来た男性たちが全員移動を完了するまでこんな調子でした。

しかし皇女様疲れないのかな?
僕はもう数年分の疲れが出てしまった気がします。
「もう慣れましたわ。10年ですもの。」

10年。短いような長いような時間。
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