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異世界にやってきてから10年

第501話 游者・章 努

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この青年の職業は勇者・・・・游者?

勇者と思ったら字が違うらしい。

何だよ游者って。

まあ立ち話も何だからと、館に案内をする事にして、そこで落ち着いて話をしようという事に。

ええとあの聖騎士の2人の兄妹はいないよな?

つい最近まで一緒だったようだけど、今は別行動とか。

・・・・
・・・
・・



「常山様、改めましてご挨拶申し上げます。ロンドロッグの元皇女・ピートロネラ・フェリシア・ファン・ディーレンでございます。オイヴィより常山様の事常々お聞きしておりましたので、他人のような気がしませんわ。」

とても上品に自己紹介をしてくれた皇女様だけど、その横の青年のせいですべてが台無しだ。

「ふん!何ネコかぶってんだか。ああ、俺は章努だ。こいつのせいでこの地に連れ去られたんだ。ゲームと思ってはいと返事をしたら、まさかの異世界への転送だったんだぜ?いや転移つうのか?」

「章様、その節は申し訳ありませんでしたわ。」

そう言いつつ皇女様はこの青年の手を取る。

「ふん!分かればいいんだよ分かれば!」

皇女様に手を取られ、顔を真っ赤にしているな。
何てちょろいんだ・・・・

「ふふ。そんな章様も素敵ですわ。」

「そ、そうか?まあ俺様は常に・・・・ってあんた、なんで俺たちを待たせてんだ、ああ?」

うわ、めんどくさそう。いきなり言われても、アポなしだから仕方ないだろう?
何なんだろうこの青年は?

するとオイヴィが何やら耳打ちを?

【申し訳ない。彼は勇者として召喚されたはずなのだが、手違いで・・・・いや間違いかな?城をいきなり追われ、死にかけた経緯があってな。人間不信に陥っているようなのだ。】

【はあ・・・・そう言われても僕それには関係ないよな?】


【個人的には。しかし大きな流れでは大いに関係しているのだ。】

【いったい何が関係してるんだ?】

【ロンドロッグとしては勇者召喚が失敗したとされてな、その直後に魔王が我が国を滅ぼし、慌てたグビッシュ王国が準備不足のまま勇者召喚を行ってしまい、順平殿たちがこの地にやってきたのだ。】

一寸色々端折りすぎのような気がするけど、まあ後でもう一度確認しとこう。
それよりもこの章という青年。
彼の職業が【勇者ゆうしゃ】ではなく【游者ゆうしゃ】となっている事が気になるんだよ。

「えと、僕の事は知っているようだけど、常山順平です。この地で公爵として領地を治めています。一応勇者となってますね。」

「はい、承知しておりますわ。私の召喚の失敗・・・・姉の不始末のせいと後から知りましたが、結果私の召喚のミスにより、ご迷惑をおかけしてしまいましたわ。」

「皇女様、ミスとは?」

「姉が、いえ、皇族の誰かが召喚の儀により召喚をお受け下さった方のために、カードを用意する必要がありましたの。それを誰も用意を・・・・いえ、姉がそのカードを隠していたようで、急ぎ用意する必要がありましたが誰も・・・・仕方なく私が急ぎ用意いたしましたが、言語の違いで変換を間違えてしまい、【勇者ゆうしゃ】となるべきところを【游者ゆうしゃ】と、そして他のステータスにも表記の不具合が起きてしまい・・・・色々申し訳ございません。」

色々ありすぎてよくわからない。

【後で説明しよう順平殿。】

【頼むよオイヴィ。訳が分からない。】

色々端折りすぎだろうこれ。
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