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異世界にやってきてから10年

第489話 難民の年齢分布が問題

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難民を保護?してから1週間が経過。

住居も恐ろしい勢いで建ち、既に全世帯に住む場所が行き届くという、考えられないスピードで出来上がる。

ただ、あくまで建物だけで、いすやテーブルと言った必要なものは全くない。
どうしても必要な竈や料理をするのに必要な水回り、そしてトイレは備わっている。

そして、集落ごとに公衆浴場も整備され、必要ならば格安で入浴ができるという、他の都市に比べても贅沢な環境。

そして水に関しても、元々常山領は道の横に水が流れていて、今回新たに作られた街もこの道沿いの水を引き込んでいる。

そのおかげで新たな住居も水の心配をしなくて済む。

因みに常山領は、新たな街は全て同じ考えで都市計画を進めており、土地特有の問題がなければ似た造りになっている。

なのでこれを忘れると、今いる街がどこだっけ?となる可能性があるので、一応街ごとに違いを設けている。

それは色であったり、壁に描かれている模様であったり。


新たな街は4つに分かれている。
いずれはこの難民、また別の街に移動する事になるのだが、今は出身国ごとに分けている。

で、今一番の問題は、難民の年齢、性別に偏りがありすぎるという事。

まず幼い子供、いやまだ幼児だったり乳児だったり、幼すぎる子供が多い。

そしてその母親。

大人の大多数が幼い子供を連れている母親なのだ。

父親はどうしたの?

そう思うが難民は皆自らの意志で此処にやってきたわけではないそうで、恐らく父親は国に残っている・・・・若しくは何かしらの行動を強要されているはず。

こればかりは実際に現地に向かわないとわからないらしい。何でこの場には男がかなり少ないからだ。

魔王は一体何の目的でこのような事をしたのか。
そしてある程度若い独身の男女の姿がほとんどない。
これの意味する所は何か?

さらに言えば、お年を召した人々がいない。

彼らもどこへ行ったのか?

若しくは国に残ったままなのか。

この1週間、まとめ役を含め、色んな当事者に聞き込みをしたのだが、残念な事に今回のこの騒動、自ら望んでの出来事ではない・・・・結果的に今までよりいい環境での生活が送れるわけだが、大多数の人々は家族と離れ離れになってしまっており、一概に平和が訪れたとは言えない状況。

「では、ここに居ない人々は、元の場所にそのままいる、という事ですか?」

「ええ、恐らくそうなります。ただ残された人の中にはまだまだ戦える人も多くおりまして、もしかして今後家族を取り戻すべく、こちらにやって来るやもしれませぬ。」

「ええとそれはどういう事ですか?」

「言いにくいのですが、残された人はこちらの事情がわからないと思われます。なのでもしここに家族がまとめて集まっているとわかれば、家族を取り戻すべく、大挙してやってくるかもしれない、という事です。」

・・・・つまり家族を取り戻すべく、死を覚悟してでも家族を取り戻そうと?

こちらとしては保護しているつもりだし、手厚い福利厚生宜しく十分な対応をしているつもりなんですが。

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