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召喚から5年が経過
第385話 勇者召喚 その5
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宰相の身分は侯爵だ。
この国の爵位、身分は国王が最上位、そして王族。
王族の中には公爵の身分の者がいる。
公爵は王族しかなれない。
なので、王族以外での爵位は、事実上侯爵が最高位。
その侯爵の一人が宰相。
しかし彼は自身の領地を持たない、いわゆる法衣貴族。
彼の家系は代々国王の傍に仕えてきた。
そんな宰相だが、ライバルは数多存在していた。
だが彼は運が良かった。
国王と学友だったのだ。
王族、しかも将来国王になる者であろうと、国立アカデミーで学ぶ必要がある。
王族貴族、富裕層の一部のみが学べる王国随一の教育組織。
宰相はそんな中、国王と年も近いという事でもあり、親が侯爵という身分で、自身は長男、将来侯爵を継ぐ存在だった事もあり、国王の側近として常にアカデミーでは国王、当時はまだ王太子と共に過ごした。
そんな王太子は、若くして親が亡くなってしまい、20代の若さで国王に即位する運びに。
そして宰相は国王の相談役として常に傍らに控えていたが、彼の前任の宰相が病没すると、国王の鶴の一声で宰相に抜擢。
以来数十年、親友でもあり学友でもあり、そして国王を心服している宰相。
一方の国王も宰相を腹心と思っており、妻にも言えない事を相談できる唯一の存在であり、唯一国王に忠言してくれる存在であり、諫言をしてくれる数少ない人物なのだ。
因みに数少ない人物の一人は国王の弟。
そんな宰相は、国王が命を、本当に命をかけて成しえた召喚の儀が成功していたのだ、と僅かな期待をもって広間へと駆けていく。
だが年なのでそう速く走れない。
それでも可能な限り早く着いた(と本人は思っている)宰相は、広間の床を見て言葉を失った。
床は綺麗にしたはずだが、染み込んだ血が完全に取り除く事ができず、今現在広間の床は絨毯を全部取り除き石の床。
しかしそれでも血を吸ったはずで、恐らく今目の前で起こっているのは、その血を起因とする魔法陣。
そのどす黒い血の色をした魔法陣が、赤黒くうす気味悪い輝きを放ちながら回転しているのだ。
「こ・・・・これは!」
宰相も貴族として最低限の魔術は学んできたし、魔力を感じる事はできる。
そんな彼もこの魔法陣には驚愕を禁じ得ない。
何せこの魔法陣からは大量の魔力を感じたからだ。
あの杖、粉々に砕けてしまったがとんでもない量の魔力をため込んでいたはずで、その魔力は今思うと何処へ消えてしまったのだと気が付くのだが、もしや消えてはおらずずっとこの部屋に魔力がたまったままだったのでは、と思ってしまう。
本来なら宮廷魔術師が指摘するはずだが、今回の召喚の儀で全員絶命しており、誰も指摘をできなかった。
「召喚者の世話役を全員此処に連れて来い!」
その場にいたのが誰か今更確認しなかったが、居合わせているのだから従ってもらうしかない。宰相は近くに居た誰かに命令をする。
「は!今すぐ連れてまいります!」
誰かはすぐに駆けていき、宰相は待った。
待っているうちに、魔法陣は安定し始め、やがて動きが止まり、輝きが消えた。
うん?と思っている間に、
「宰相閣下、只今侍女候補がここにやってまいります!」
「よし、恐らくだが今から何かが起こる。念のため騎士も控えさせよ!」
「既に展開済みでございます!」
そして宰相は相手が誰かやっとわかる。
騎士団長だった。
そして侍女候補が全員この場にそろう。
この国の爵位、身分は国王が最上位、そして王族。
王族の中には公爵の身分の者がいる。
公爵は王族しかなれない。
なので、王族以外での爵位は、事実上侯爵が最高位。
その侯爵の一人が宰相。
しかし彼は自身の領地を持たない、いわゆる法衣貴族。
彼の家系は代々国王の傍に仕えてきた。
そんな宰相だが、ライバルは数多存在していた。
だが彼は運が良かった。
国王と学友だったのだ。
王族、しかも将来国王になる者であろうと、国立アカデミーで学ぶ必要がある。
王族貴族、富裕層の一部のみが学べる王国随一の教育組織。
宰相はそんな中、国王と年も近いという事でもあり、親が侯爵という身分で、自身は長男、将来侯爵を継ぐ存在だった事もあり、国王の側近として常にアカデミーでは国王、当時はまだ王太子と共に過ごした。
そんな王太子は、若くして親が亡くなってしまい、20代の若さで国王に即位する運びに。
そして宰相は国王の相談役として常に傍らに控えていたが、彼の前任の宰相が病没すると、国王の鶴の一声で宰相に抜擢。
以来数十年、親友でもあり学友でもあり、そして国王を心服している宰相。
一方の国王も宰相を腹心と思っており、妻にも言えない事を相談できる唯一の存在であり、唯一国王に忠言してくれる存在であり、諫言をしてくれる数少ない人物なのだ。
因みに数少ない人物の一人は国王の弟。
そんな宰相は、国王が命を、本当に命をかけて成しえた召喚の儀が成功していたのだ、と僅かな期待をもって広間へと駆けていく。
だが年なのでそう速く走れない。
それでも可能な限り早く着いた(と本人は思っている)宰相は、広間の床を見て言葉を失った。
床は綺麗にしたはずだが、染み込んだ血が完全に取り除く事ができず、今現在広間の床は絨毯を全部取り除き石の床。
しかしそれでも血を吸ったはずで、恐らく今目の前で起こっているのは、その血を起因とする魔法陣。
そのどす黒い血の色をした魔法陣が、赤黒くうす気味悪い輝きを放ちながら回転しているのだ。
「こ・・・・これは!」
宰相も貴族として最低限の魔術は学んできたし、魔力を感じる事はできる。
そんな彼もこの魔法陣には驚愕を禁じ得ない。
何せこの魔法陣からは大量の魔力を感じたからだ。
あの杖、粉々に砕けてしまったがとんでもない量の魔力をため込んでいたはずで、その魔力は今思うと何処へ消えてしまったのだと気が付くのだが、もしや消えてはおらずずっとこの部屋に魔力がたまったままだったのでは、と思ってしまう。
本来なら宮廷魔術師が指摘するはずだが、今回の召喚の儀で全員絶命しており、誰も指摘をできなかった。
「召喚者の世話役を全員此処に連れて来い!」
その場にいたのが誰か今更確認しなかったが、居合わせているのだから従ってもらうしかない。宰相は近くに居た誰かに命令をする。
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待っているうちに、魔法陣は安定し始め、やがて動きが止まり、輝きが消えた。
うん?と思っている間に、
「宰相閣下、只今侍女候補がここにやってまいります!」
「よし、恐らくだが今から何かが起こる。念のため騎士も控えさせよ!」
「既に展開済みでございます!」
そして宰相は相手が誰かやっとわかる。
騎士団長だった。
そして侍女候補が全員この場にそろう。
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