勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず！

魔王の天敵・勇者と聖騎士

３３３話 アリアネ・メリッサ・ハールトセン

僕との接点が多いもう一人の侍女さん、それは友郁の侍女さんなんです。
事実上、僕と友郁の侍女さんは、２人で行動する事も多く、プライベートでも親しいらしいです。

彼女の名は

アリアネ・メリッサ・ハールトセン

ハールトセン子爵家の４女らしいです。

そしてこのハールトン子爵領、僕の侍女さんの実家トーンデル子爵領とは隣らしいです。

しかも、細く絡まるような両方の領地。
道がこの２つの領地を行ったり来たりしているのだとか。

勇者召喚時に、最後まで残ったこの２人の侍女さん、元々顔見知りだった事もあり、２人で残ったのだとか。

そしてお約束というべきでしょうか、この２つの領地、まあ似たり寄ったりの窮状のようです。

なのでアリアネも、ティルザと共にこの侍女の話があった時、選ばれたのだとか。

そしてティルザの両親もやってきて、ティルザは両親と会っていて、僕もまあ挨拶程度は済ませたので、一度席を外します。

今度はアリアネの番です。

どうやらアリアネの兄弟のうち、一番年の近い兄が優秀らしく、僕が面談を行う、となった時一人だけ推薦してくれましたが他の兄弟はいいのかな？

どうやら他の兄弟、長男以外は冒険者として独立しているようです。

そういえばティルザの兄弟の事も詳しく聞きませんでしたが今思うと、トーンデル子爵、息子を一人だけ連れていたような。
まさかと思いますが、兄弟集まって冒険者？

まあ今は連絡が付かないようなので、連絡が付き次第話をしてくれるようですが、貴族の息子も冒険者として活動するとか。
中々世の中は厳しいようです。

僕は今、アリアナを呼びつけたところです。
探しに行こうとしましたが、オイヴィに止められました。
「公爵なのだ、人に頼む事を覚えてくれ。」

どうやら身内を探すのも、人に探させないといけないらしいです。なんとまあ厄介な事で。

オイヴィが暫く僕から離れたと思っていたら戻ってきました。アリアネも一緒です。
「オイヴィありがとう。落ち着いたら、君の話も聞くよ。何か頼み事があるようなら、遠慮なく言ってね。」
「そうか。まあ頼み事というか・・・・考えておく。」

いや、何かあるようだけど、何だろう？まあ今はアリアナだね。
「忙しかったんじゃないかい？呼び出してすまないね。」
「いえ、主に仕えている身ですので、お気遣いなく。」
「うーん、ティルザもそうだけど、もう少し砕けた言い方でもいいんだよ？」
「私どもは常山公爵様の妻でもありますが、それ以前に侍女でございます。」

「それを言うなら確かに侍女だけど、妻でもあるだと思うんだよね。できれば妻としての立ち位置をもっと強調してほしいんだよ。」
「いえ、他の奥方様、つまり友郁様と同様の立場になるわけにはまいりません。」

いつもこの調子なんです。
「はあ・・・・まあ今はそんな問答をするつもりはないですけど、今からちょっと付いてきて下さい。」
「かしこまりました。」

そしてどこへ向かうとか一切聞き返してきません。
信用の証なのか、僕に聞く事を控えているのかは分かりませんが。

そして僕は一つの部屋に。
ここには別の女性が控えています。側仕えの人だったかな？秘書だったかな？最近僕の近辺の人が増えすぎていまいち把握できていません。その女性の立場もいまいち理解してなかったりするんです。側仕えと秘書の違いも何となくしか理解できてなかったり。

まあ、その彼女は此処でずっと待ってくれていたようで、
「少々お待ちください。」

そう言って部屋に入っていきます。
そしてすぐに戻ってきました。
「どうぞ。」

僕は先にアリアネを行かせます。
「先に話をしてきて下さい。」

「え？わ、わかりました・・・・」
意外だったのか、戸惑っています。
アリアネが一人部屋に入るとそこには・・・・

「あ・・・・お父様！お母様！」

「おお！アリアネ！」
「アリアネ！」

僕の妻でもある侍女さんたちは、召喚があってから、一度も実家に帰っていないそうです。
無論身内には一切会っていません。

まあ暫くこうしておきましょう。