306 / 735
常山公爵
306話 男性不信
しおりを挟む
座ったはいいけど、どうしよう。綺麗な顔や整った顔はアーダをはじめ、侍女さんを毎日見ているし、友郁や泉みたいな日本人的な美女も毎日のように見てるからその、今更新たな美女を前にしてもどうって事はないはずなんだけど、なんだか彼女を見ると緊張してしまいます。
彼女の眼を見ると、こちらを真っすぐ見つめているので余計かもしれないけど、まるで吸い込まれそうなその瞳。全てを見られているようなそんな感じ。
これは困った、大いに困りました。
だけど僕はこれでも領主・・・・のはず。
まだ領主らしい事をしてない気がするし、肝心な時に寝たきりで、この領地の発展にも殆ど関わってないと言う、まあ
なんちゃって領主の僕に、この女性の射貫くような目に耐えるだけの精神力があるのでしょうか?否、無いですねきっと。
「ええと、改めまして常山順平です。知ってるか知らないかわかりませんが、魔王と退けた功績でこの領地を賜りました。そして王家の女性を妻に迎え、身分も公爵に。分不相応なのですが、まあ一応そんなわけなんです。」
自分で何言ってるのかわからないけれど、何言ったのかな?駄目ですね舞い上がってしまい頭が混乱してしまいます。
「私オイヴィ・ラハテラ、元聖騎士だ。ご領主様のうわさを聞き、どのような人物か見極めようとここに参った次第。」
ええ?僕見極められている?それにどんなうわさを聞いたのかもわからないし。
「あ・・・・その、ごめんなさいこんなので。がっかりしたでしょ?たぶんオイヴィさんの期待とかけ離れてるでしょう?」
すると何を思ったのかオイヴィさんは突然立ち上がり、
「何をがっかりするというのです?貴方は立派な方だ。勇者召喚に巻き込まれたと聞いた。しかし腐らずあの魔王を見事退けたというではないか。それの何処をどうすればがっかりなのだ?」
・・・・何かこう、きっと盛られた話ですよそれって。
実際僕の力はただのスキルのごり押しだし、スキルがなければ魔王に一撃すら与えられなかっただろうし。
「まあ、それは後でいいでしょう。オイヴィさんは、僕に会いに来たのですか?」
「いや、会うのは想定外だ。本来は魔王を退けた人物を調べるだけのつもりだったのだ。だから困惑している。」
「困るよね、いきなり見ず知らずの僕みたいなのが領主ですとか名乗ってそれに会ってしまうんだから。」
「あ、いや困っているのは別の理由だ。私はこう見えて男性が嫌いなのだ。ここ数年まともに会話もしていない。まして触れさせるなど、言語道断。」
・・・・あ!僕手を繋いじゃったよ。しまった!
「あ!ごめんなさい!そうとは知らず、2度も手を握ってしまいましたね。しかもオイヴィさんは僕が領主と気が付いていたから、拒否できないですし。」
「いや、それはいい。信じられぬのは、我がこのように殿方に手を取られるのを許してしまった事なのだ。1度ならず2度までも。何故あの時あっさり握らせてしまったのか、未だに混乱している。本来そんな隙を与えぬのだが・・・・いや、好きとかではないな。我は貴殿の事を認めているのか?」
ええと、どうしたら?なんか途中から独り言みたいになっているようですし。
そしてこの後、ちょっとしたハプニングが発生します。
オイヴィさんが何か感じたのかわからないけれど、
「何故だ・・・・どうしたら・・・・」
何かそう呟きつつ、テーブルに手をバン!と両手で体重をかけるように手をついたのだけど、信じられない事にテーブルがその衝撃で倒れたんです。
「きゃっ!」
僕の方に頭から突っ込んでくる格好になってしまったので、思わず受け止めます。そのままオイヴィさんは僕の腕の中に納まって、こう抱きしめる形になってしまいました。
え?なんでテーブルが壊れるの?
オイヴィさんはそんなに力を込めた感じには見えなかったのだけど。
「あ・・・・うわ・・・・男の人に抱かれた・・・・」
うん、確かに抱きかかえてるけど、嬉しいけれど!これはその不可抗力と言うやつで!
しかも何このいい香り?
何でいい女ってのは匂いもいい香りなの?
彼女の眼を見ると、こちらを真っすぐ見つめているので余計かもしれないけど、まるで吸い込まれそうなその瞳。全てを見られているようなそんな感じ。
これは困った、大いに困りました。
だけど僕はこれでも領主・・・・のはず。
まだ領主らしい事をしてない気がするし、肝心な時に寝たきりで、この領地の発展にも殆ど関わってないと言う、まあ
なんちゃって領主の僕に、この女性の射貫くような目に耐えるだけの精神力があるのでしょうか?否、無いですねきっと。
「ええと、改めまして常山順平です。知ってるか知らないかわかりませんが、魔王と退けた功績でこの領地を賜りました。そして王家の女性を妻に迎え、身分も公爵に。分不相応なのですが、まあ一応そんなわけなんです。」
自分で何言ってるのかわからないけれど、何言ったのかな?駄目ですね舞い上がってしまい頭が混乱してしまいます。
「私オイヴィ・ラハテラ、元聖騎士だ。ご領主様のうわさを聞き、どのような人物か見極めようとここに参った次第。」
ええ?僕見極められている?それにどんなうわさを聞いたのかもわからないし。
「あ・・・・その、ごめんなさいこんなので。がっかりしたでしょ?たぶんオイヴィさんの期待とかけ離れてるでしょう?」
すると何を思ったのかオイヴィさんは突然立ち上がり、
「何をがっかりするというのです?貴方は立派な方だ。勇者召喚に巻き込まれたと聞いた。しかし腐らずあの魔王を見事退けたというではないか。それの何処をどうすればがっかりなのだ?」
・・・・何かこう、きっと盛られた話ですよそれって。
実際僕の力はただのスキルのごり押しだし、スキルがなければ魔王に一撃すら与えられなかっただろうし。
「まあ、それは後でいいでしょう。オイヴィさんは、僕に会いに来たのですか?」
「いや、会うのは想定外だ。本来は魔王を退けた人物を調べるだけのつもりだったのだ。だから困惑している。」
「困るよね、いきなり見ず知らずの僕みたいなのが領主ですとか名乗ってそれに会ってしまうんだから。」
「あ、いや困っているのは別の理由だ。私はこう見えて男性が嫌いなのだ。ここ数年まともに会話もしていない。まして触れさせるなど、言語道断。」
・・・・あ!僕手を繋いじゃったよ。しまった!
「あ!ごめんなさい!そうとは知らず、2度も手を握ってしまいましたね。しかもオイヴィさんは僕が領主と気が付いていたから、拒否できないですし。」
「いや、それはいい。信じられぬのは、我がこのように殿方に手を取られるのを許してしまった事なのだ。1度ならず2度までも。何故あの時あっさり握らせてしまったのか、未だに混乱している。本来そんな隙を与えぬのだが・・・・いや、好きとかではないな。我は貴殿の事を認めているのか?」
ええと、どうしたら?なんか途中から独り言みたいになっているようですし。
そしてこの後、ちょっとしたハプニングが発生します。
オイヴィさんが何か感じたのかわからないけれど、
「何故だ・・・・どうしたら・・・・」
何かそう呟きつつ、テーブルに手をバン!と両手で体重をかけるように手をついたのだけど、信じられない事にテーブルがその衝撃で倒れたんです。
「きゃっ!」
僕の方に頭から突っ込んでくる格好になってしまったので、思わず受け止めます。そのままオイヴィさんは僕の腕の中に納まって、こう抱きしめる形になってしまいました。
え?なんでテーブルが壊れるの?
オイヴィさんはそんなに力を込めた感じには見えなかったのだけど。
「あ・・・・うわ・・・・男の人に抱かれた・・・・」
うん、確かに抱きかかえてるけど、嬉しいけれど!これはその不可抗力と言うやつで!
しかも何このいい香り?
何でいい女ってのは匂いもいい香りなの?
2
お気に入りに追加
4,607
あなたにおすすめの小説
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。
破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。
小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。
本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。
お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。
その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。
次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。
本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
W職業持ちの異世界スローライフ
Nowel
ファンタジー
仕事の帰り道、トラックに轢かれた鈴木健一。
目が覚めるとそこは魂の世界だった。
橋の神様に異世界に転生か転移することを選ばせてもらい、転移することに。
転移先は森の中、神様に貰った力を使いこの森の中でスローライフを目指す。
死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜
猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。
ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。
そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。
それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。
ただし、スキルは選べず運のみが頼り。
しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。
それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・
そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる