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常山公爵

304話 剣の達人・・・・元聖騎士の女性

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僕はふと、どう声をかけるべきか悩みました。

僕が領主と名乗った方がいいのか、ただの偶然出会っただけの人として接するべきか。

今その彼女は僕の遥か後方にいます。
何故なら僕は門から出てきたのであって、問題はその門付近で発生していたわけで、そして割り込もうとした冒険者を諫めた?後、彼女は本来の順番の所へ戻ったので、僕はその場で見ると彼女ははるか向こうと言う訳です。

そして彼女の凛とした立ち姿。フードを被っているので顔は分かりませんが、その所作には只者ではない何かを感じます。

アーダやザーラは、あくまで王族としての所作であって、優雅と言うか。
今目の前にいる彼女は、恐らく相当の手練れ。
何故この街にやって来たのか知らないけれど、何故か僕は相当気になってしまいました。

すると後方から、何人かの女性が声をかけてきました。
「ご領主様お初にお目にかかります。ユハニさまよりたった今、ご領主様のお傍に仕えるよう命じられましたので私以下4名が参りました事、ご報告させていただきます。」

もう決めた?早いね。しかも4人?

「あ、そうですか。ええと詳細は後程、夕方に確認しましょう。今は、あそこにおられる女性なのですが一寸興味があってね。」

すると声をかけてきた女性がその僕の言っている女性をじっと見つめます。
「宜しければこちらにお連れ致しましょうか?先ほどの騒ぎを引き起こしていた女性ですね?」

「ええ。あ、あくまでも友好的に、好意的にお願いします。上から目線は禁物ですよ?もしかしたら、家臣になってもらうかもしれませんし、そうでなく客人扱いになるかもですから。」

「承知いたしました。では、1名ついて来い。」
「はい!」

2人して向かったようです。傍には残り2名が。
僕の護衛なのでしょうか?
この女性2人も無駄がないですし、隙もないです。少なくとも素人目には全く隙がないです。

僕がじっと順番の列を方を見ていると、早速話しかけてくれているようで。
あ、来たようです。

「ご領主様、お連れ致しました。」
「あ、ありがとう・・・・って、あ、立って下さい!」

連れて来てもらった女性は、その場に膝をつき、僕に対し礼を取るというのかな?
明らかに身分の上の者に対する礼儀作法なのだろうけど、そう言うつもりじゃなかったので困惑してしまいます。

「この度の騒ぎ、申し訳ございませぬ。まさかご領主様が起こしなさっておられるとは存じませんでした。」
「え、ええと僕が領主とこの2人から聞いた?」
「そうお聞きいたしました。」
「ええとその、貴女をどうこうするつもりはないので、まずはお立ち下さい、そして、先ほどの対処お見事でした。感謝いたします。」
「いえ。そう言って頂けるとは。申し訳ございませぬ。」
また跪くので無理やり立たせます。

「ええと、貴女を歓迎しますよ?あ、名乗ってませんでしたね?僕はここの領主としてここに今暮らしています、常山順平と申します。以後お見知りおきを。」
「先に名乗らせてしまい、騎士の風上にも置けぬこの失態お許し下さい。私はの名はオイヴィ・ラハテラ、元聖騎士でございます。」


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