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常山公爵

283話 解呪したら僕は・・・・

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「順平さん、これはもしかすると順平さんが思っているよりも重要な事柄なので、順平さんの妻全員で話をした方がよさそうですわ。」

「え?そこまで?」
「ええ。もし今解呪をしたとしますよ?それが成功したとして、今の順平さんの立場、つまり複数の女性を娶ってますがその、以前は嫌がってましたわ。それがまたいきなりそういうのが発生してしまえば皆悲しみ、不幸になります。もはや順平さん一人の問題ではないので、その辺を念頭に入れておいて行動をしてほしいと思ったのですわ」

つまりあの冥王夫妻の話を信じるならば、僕の今のこの振る舞いは、魔王の呪いのせいで、こうなっている?

それをいきなり取り除けば、僕は呪いを受ける前の状態になる可能性が高いわけで。
そうなると僕は以前の女性を複数とっかえひっかえ、つまりはハーレムになるのを嫌だと思っていたので、それが一気に来ると、既に関係を持っている16人の妻が全員不幸になる、と。

「その、今は理解できるけれど、実際解呪したらどうなるか分からないね。うん、僕は確かに以前の状態に直ぐにでも戻りたいけれど、それは親しい人を不幸にしてまで今すぐ行うものでもないね、確かに。」
「ええ、ですから解呪をするにしても、今暫らくどうすればいいのかを見極めておいた方がよろしいかと。」

「わかったよ。ただ、その方法もわからないよね。何か書類で拘束する?僕が本来の状態に戻っても、妻と今まで通りに接するとか?」

「その辺りは、ヘルトラウダさんや、アーダさん、ザーラさんの方が詳しいかもなので、後で聞いてみましょう。」


・・・・
・・・
・・



「え?解呪のスキルを所有しておるのか旦那さまは?」
アーダが驚いたように聞き返してきます。

今はまたまた全員妻が一堂に会しています。

「ねえ旦那さま?今解呪したら、私達を捨てるの?」
ザーラがそう聞いてきます。
捨てるとか・・・・捨てないよ?たぶん。

「その、どうなるか分からないんだ。僕は確かに複数の女性とこういった関係になるのを希望していなかった。だけどもう既にこうなってしまっているんだよね。しかももう今更だよね?それを解呪して、元に戻ったからって、皆と別れるとか、結果皆が不幸になる。これは僕が複数の女性に手を出す以前の問題で、そっちの方が僕にとっては辛いかな。だけど、こればかりは分からないんだよ。もしかしたら、記憶もおかしくなるかもだから。だからと言ってこのまま放置するわけにもいかないしね。」

現状維持が一番なんだけど、それでは今後僕を含め全員不幸になるんだろうと思うと、どうすべきか悩みます。



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