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常山公爵
263話 女性陣の話し合い その2
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ここ最近、順平は女性を抱くと、ひょっとして昏睡状態なのでは?と思うほど、寝入ってしまう。
それこそ殴られても起きないほど。
今順平の周りには才村をはじめとした召喚組と、アーダや侍女をはじめとした現地組がずらっと囲んでいる。
人の気配があっても、周りがざわついていたり、うるさかったりしても全く起きないのだ。
暑くても寒くても起きない、揺すっても起きない・・・・
「ではその、一度順平さんのスキルを奪う形になります。そして複製して戻します。」
才村のやり方は、対象のスキルを所有している人物に触れ、そのスキルを奪う事から始まる。
これは元々順平が持っていたスキルで、順平は才村にそのスキルを複製して授けていた。
他の女性陣も・・・・召喚者の妻予定の面々は皆所有しているのだが、何故か順平には才村だけが使えるという、よくわからない状況になっている。
現地組はこのスキルが使えない。
なので、才村がスキルを得、皆に複製して渡すという事で手に入れるしかない。
「すぐに返しますからね。」
そう言って才村は順平の手を取り、スキルを発動させていく。
一瞬順平の身体がびくっとしたようだが、それもほんの一瞬の事であり、”奇跡”という名のスキルは無事才村に渡ったのだった。
「ごめんね順平さん、すぐに返しますからね。ええとまず森江さんからにしましょうか?」
「え、では私から。その後は私も皆さんにお渡ししますわ。」
今度は才村と森江が手を取り合う。
どこかに触れていればいいのだが、手を握っておくのが手っ取り早い。
暫くして森江にわたるスキル。
「うまくいきました。才村さんありがとう。」
「いえ、では順次。私は順平さんにスキルを戻しますね。」
正確には戻すのではないのだが、まあ似たようなものだろうとあまり気にしないようだ。
順次複製していくのだが、ここで問題が発生。
召喚組にはいきわたったのだが、現地組がスキルを受け取れないのだ。
何かあるようなのだが、他にもそう言った事案があり、このスキルもですか・・・・と。
「まあ仕方あるまい。どうする才村殿、早速その”奇跡”を使ってみるか?」
アーダがそう言う。
「ええとアーダさん?使うと言っても何をどう”奇跡”で願う、のでいいのかしら?何か今ありましたか?」
「うむ・こう言っては何だが、私達のような元々この世界にいる面々と、其方ら召喚された面々では、どうしても超えられぬ壁があってな。その、奇跡と言うので何とかならぬかと思ったのだ。」
「ええとその、考えの違いや、今までの生活の仕方、過ごした環境等々、全く違いますから、まだ私達がこの世界にやってきてから一ヶ月経ってませんし、侍女さん達はまだ並行世界でのことがあるので、理解できなくはないですが、アーダさん達とはまだ私達、それほど親しい間柄ではないので今はちょっと。」
「そ・・・・それなのだ!私もザーラも、才村殿や森江殿ともっと仲ようなりたいのじゃが、こう何と言っていいのか、見えない壁があってだな。その、奇跡で何とかならぬかと思ったのじゃ?」
「はあ。それこそ短期間で何とかは・・・・”奇跡”を願うしかないですね。」
才村がそう思った瞬間、才村から何かが発し始めた。
最初に気が付いたのはザーラ。
「あ、才村さん?何か変ですわ?」
指摘をうけた才村は気が付いていないが、森江が変化に気が付く。
「あ、才村さん?何か貴女輝き始めましたよ?」
そう言われて、皆が才村を見る。
「え・・・・え・・・・ええ?」
そして・・・・部屋全体に才村から発している光が拡がっていき、順平がザーラを生き返らせた時のようなそんな光が。
ほどなくして光は消えた。
「あれ?もう終わったのかしら?私別に順平さんの時のように、気絶もしてないけれど、”奇跡”が発動したのよね、きっと?」
才村はそうとは知らず、”奇跡”を発動させていた。
しかし、周りを見ても別段皆に変わったところはない。
そう、影響はこの部屋全体に及んでいたため、誰も暫くどのような影響があったのかわからなかったのだった。
それこそ殴られても起きないほど。
今順平の周りには才村をはじめとした召喚組と、アーダや侍女をはじめとした現地組がずらっと囲んでいる。
人の気配があっても、周りがざわついていたり、うるさかったりしても全く起きないのだ。
暑くても寒くても起きない、揺すっても起きない・・・・
「ではその、一度順平さんのスキルを奪う形になります。そして複製して戻します。」
才村のやり方は、対象のスキルを所有している人物に触れ、そのスキルを奪う事から始まる。
これは元々順平が持っていたスキルで、順平は才村にそのスキルを複製して授けていた。
他の女性陣も・・・・召喚者の妻予定の面々は皆所有しているのだが、何故か順平には才村だけが使えるという、よくわからない状況になっている。
現地組はこのスキルが使えない。
なので、才村がスキルを得、皆に複製して渡すという事で手に入れるしかない。
「すぐに返しますからね。」
そう言って才村は順平の手を取り、スキルを発動させていく。
一瞬順平の身体がびくっとしたようだが、それもほんの一瞬の事であり、”奇跡”という名のスキルは無事才村に渡ったのだった。
「ごめんね順平さん、すぐに返しますからね。ええとまず森江さんからにしましょうか?」
「え、では私から。その後は私も皆さんにお渡ししますわ。」
今度は才村と森江が手を取り合う。
どこかに触れていればいいのだが、手を握っておくのが手っ取り早い。
暫くして森江にわたるスキル。
「うまくいきました。才村さんありがとう。」
「いえ、では順次。私は順平さんにスキルを戻しますね。」
正確には戻すのではないのだが、まあ似たようなものだろうとあまり気にしないようだ。
順次複製していくのだが、ここで問題が発生。
召喚組にはいきわたったのだが、現地組がスキルを受け取れないのだ。
何かあるようなのだが、他にもそう言った事案があり、このスキルもですか・・・・と。
「まあ仕方あるまい。どうする才村殿、早速その”奇跡”を使ってみるか?」
アーダがそう言う。
「ええとアーダさん?使うと言っても何をどう”奇跡”で願う、のでいいのかしら?何か今ありましたか?」
「うむ・こう言っては何だが、私達のような元々この世界にいる面々と、其方ら召喚された面々では、どうしても超えられぬ壁があってな。その、奇跡と言うので何とかならぬかと思ったのだ。」
「ええとその、考えの違いや、今までの生活の仕方、過ごした環境等々、全く違いますから、まだ私達がこの世界にやってきてから一ヶ月経ってませんし、侍女さん達はまだ並行世界でのことがあるので、理解できなくはないですが、アーダさん達とはまだ私達、それほど親しい間柄ではないので今はちょっと。」
「そ・・・・それなのだ!私もザーラも、才村殿や森江殿ともっと仲ようなりたいのじゃが、こう何と言っていいのか、見えない壁があってだな。その、奇跡で何とかならぬかと思ったのじゃ?」
「はあ。それこそ短期間で何とかは・・・・”奇跡”を願うしかないですね。」
才村がそう思った瞬間、才村から何かが発し始めた。
最初に気が付いたのはザーラ。
「あ、才村さん?何か変ですわ?」
指摘をうけた才村は気が付いていないが、森江が変化に気が付く。
「あ、才村さん?何か貴女輝き始めましたよ?」
そう言われて、皆が才村を見る。
「え・・・・え・・・・ええ?」
そして・・・・部屋全体に才村から発している光が拡がっていき、順平がザーラを生き返らせた時のようなそんな光が。
ほどなくして光は消えた。
「あれ?もう終わったのかしら?私別に順平さんの時のように、気絶もしてないけれど、”奇跡”が発動したのよね、きっと?」
才村はそうとは知らず、”奇跡”を発動させていた。
しかし、周りを見ても別段皆に変わったところはない。
そう、影響はこの部屋全体に及んでいたため、誰も暫くどのような影響があったのかわからなかったのだった。
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