勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず！

常山公爵

２６１話 柚奈の理想の城と現実

「だって・・・・お城と言えば●イシュヴァンシュタイン城！」

あ・・・・僕も聞いた事のある名前ですね。

だけどあの城って・・・・今いる場所はどうやら城壁に囲まれていそうですが、●イシュヴァンシュタイン城は確か山の中と言うか・・・・
中々険しい場所に建っていたような・・・・
それと、あの城って新しいんだよね・・・・

まあでも、写真で見るあの城は、ただただ美しい・・・・

だけど、ここにはそんな険し場所はなさそうです。

但し、もう人が住まなくなってから相当月日が流れてそうだから、辺りは木々に覆われ、森そのもの。

こんな場所に建つ城って・・・・城じゃあなく、宮殿が建っていたんじゃ？
だけどそんなのなさそうですし。

そんな事を話していると、ふと視線の隅にヘルトラウダがいる。
あれ？彼女は今まで何をしていたんだっけ？
侍女さんと行動を共にしていた？

だけど、その後ろにいる人物の姿を見て僕は驚きます。

そこには僕のどうやら家臣団なる者に加わった・・・・
ユハニとその一行、ゴンザレスやビーチェさんがいたから。

え？どうやってここに来たの？
もしかしてドラゴン？

ドラゴンが王都へ戻って連れてきた？

だけどさらに陸続と人がやってきます。

火炎の罪のメンバーもやってきているようですし。

え？だけどその、流石に多いよ？
どうやって連れてきたの？

僕はヘルトラウダの所へ向かうとヘルトラウダが笑顔でしゃべります。

「あ！旦那様！沢山人がいるので連れてきましたよ！」

そう言いつつ、今度は知らない人がいます。

どうやら職人さんみたい。

何だか壁をじっと見たり触ったり。

「ヘルトラウダ、色々突っ込みどころ満載なんだけど、まずはどうやってここに人を連れてきたの？」

「え？普通にゲートですけど何か？」
え？ゲート？
だってあれまだ未完成・・・・

「ちょちょ！ちょっと待って！まだゲート完成してないんだよ？調整もしないといけないし、そもそも遠距離の試用とかしてないし？」

僕はヘルトラウダの発言に驚き、慌てます。

「あ、もしかしてご存じない？」

「え？何も聞いてないけれど？」

「え？何々？どうしたの、ヘルトラウダ？」
今度はザーラがやってきました。
「あ、ザーラ様、実はですね・・・・」
何かザーラに説明をしています。

「あ、そうか、旦那様が意識を失っている間の事なのね？私の方が先に動くことができるようになったから。そう言う事ね？」

「ええそうなんです。すっかり失念していました。」

何を言ってるのかわかりません。

「ええとね旦那様、旦那様が私を助けてくれた後、どうにかしてゲートを使えるようにできないか、色々試行錯誤したの。で、結果が・・・・これよ？」

説明端折りすぎのような。それでは何の事やらさっぱりですよ？

だけど、目の前には僕がとりあえず作ったゲートがベースになっているけれど、何かこう、改良されたと一目でわかる状態。
「あ、魔石と・・・・後は何かな？」
「ここに手をかざすと、起動するんです。そして１０秒後に転送開始ですわ。」


僕は暫くゲートとにらめっこしてました。