上 下
234 / 735
再び王都

234話 ザーラと順平の目覚め

しおりを挟む
アーダはザーラに駆け寄り・・・・本当は順平に駆け寄りたいが、このメンツでザーラを気にかけるのは私だけだろうとの判断なので致し方がないのですが。
「ザーラ!しっかりしろ!」
「う・・・・お・・・・お姉さま?ここは何処?」
「其方何て事をしてくれたのだ!自身だけでなく、常山殿まで危険な目に合わせてしまったのだぞ?」
混乱するザーラ。
「ええと・・・・私は何でこんな所で寝てたのかしら?」

その横では6人が順平とその従魔を診ています。
「うわあ!順平さんは任せましょう。従魔さん、貴方達の治療をしますよ?酷い怪我ですからね?」
伊知地さんがそう言い、吉安さんと2人で従魔に回復魔法を使います。
【ぬ・・・・すまぬな女。主はどうなのだ?こちらから働きかけても反応がないのでな。】
【ええとこれでいいのかしら?念話よね?】
【我が同調させたゆえ問題ない。】
【今4人が何かしているわ。皆回復魔法を使えますから、問題ないでしょう?】
【ならよいが、ドラゴンはどうしたのだ?主が何やら発した後、ドラゴンの気配が途絶えたようだが?】
【わかりません。私達がここに到着するまでの間、見かけたドラゴンは皆倒れてましたから。あ、消えますね。】

この時7人は分からなかったのですが、ダンジョンから外に出てきたドラゴンは、全滅をしたのだった。
ただ一体、順平が直接魔法で切り裂いたドラゴンを除いて。ただこのドラゴンは、ダンジョンに居たドラゴンではなく、山に居たドラゴンなのですが、今この場の誰もそれを知る由もなく。
【ぬ?我は助かったのか?】

すぐ目の前に力なく倒れているドラゴンの存在を誰も気が付いていなかったのだった。



何やらベッドに寝かされていたザーラはアーダが引き受けてくれたので、友郁達4人がその下で倒れていた順平に声をかけます。
「順平さん!」

友郁が順平を抱え起こし、膝枕をします。
泉が順平の顔に手を触れ、腕を取り脈を図っていきます。
「うん・脈はある。またスキルを使いすぎたかしら?順平さん?」

柚奈と瑞華は周囲の警戒をしてくれていて、手が離せません。

そして友郁と泉の2人で一応回復魔法を使用していきます。

怪我らしい怪我はしていないようですが、

「あ!ちょっと止まりなさいよ!」
柚奈がそう言いますが、
「駄目!まだ順平さん気が付いてないから!」
瑞華もそう言うのですが、

「ああ・・・・私のために!」

友郁と泉が回復魔法を使い終えたその時、2人は対応が遅れ、ザーラが順平に抱き着くのを阻止できなかった。
無論友郁から順平を奪って。

「これザーラ!今は駄目だ!其方もボロボロではないか!」
「常山殿・・・・ごめんね私の為に。」

我に返った友郁ですが、
「私の為?私の所為での間違いじゃないの?」
いつもと違い、凄い剣幕でザーラに詰め寄る友郁。
「私の為に・・・・」
よりにもよって5人が。いや、フェンリルの治療を終えた2人もいるので7人の前で、順平にキスをするザーラ。
すると、先ほどまで全く動かなかった順平が、ザーラを抱きしめ、
「む・・・・ん!ん・・・・!」
どうやら無意識にザーラの身体を弄り始めたようです。

「だめえ!」
友郁と泉が2人を引きはがします。

「う・・・・?あ・・・・あれ?」

「順平さまあ――――!」
泉に引きはがされていたザーラですが、信じられない力で泉を振り払い、またもや順平に抱きます。
「あれ?え?ザーラさん?え、ええ?ここは何処?僕何してたんでしたっけ?って皆もいるじゃない?」

順平は目覚めた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク 普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。 だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。 洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。 ------ この子のおかげで作家デビューできました ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。 目覚めると彼は真っ白な空間にいた。 動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。 神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。 龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。 六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。 神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。 気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい

増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。 目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた 3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ いくらなんでもこれはおかしいだろ!

神々に育てられた人の子は最強です

Solar
ファンタジー
突如現れた赤ん坊は多くの神様に育てられた。 その神様たちは自分たちの力を受け継ぐようその赤ん 坊に修行をつけ、世界の常識を教えた。 何故なら神様たちは人の闇を知っていたから、この子にはその闇で死んで欲しくないと思い、普通に生きてほしいと思い育てた。 その赤ん坊はすくすく育ち地上の学校に行った。 そして十八歳になった時、高校生の修学旅行に行く際異世界に召喚された。 その世界で主人公が楽しく冒険し、異種族達と仲良くし、無双するお話です 初めてですので余り期待しないでください。 小説家になろう、にも登録しています。そちらもよろしくお願いします。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

処理中です...