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メールロー

172話 今思うとこんなに治療をした経験が無い

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そうそう、フェンリルには、可能な限りダンジョンからあふれた魔物を仕留めてもらうように伝えてある。

【ダンジョンの魔物は喰えんからなあ。ドロップした肉なら喰えるからよいが。】

【いないのかい?】

【探せばまあ、居るな。】

【じゃあ頼むよ。怪我人が多すぎて、元を絶たないと意味が無さそうだからさ。】

【わかった。】

【あ、そうだ。魔物を仕留めたら、ドロップアイテム落ちるよね。ゴンザレスにでもカバン持たせるから、拾わせて?】

【ゴンザレス?なんだそれは。】

【昨日の馬鹿。】

【わかったのだ。】

これで運ばれてくる怪我人が減るといいけれど。


「ゴンザレスいる?」

「ああ、いるぜ?」

「あんたは今から外へ行く。僕の従魔が魔物を仕留めるから、このカバンにドロップアイテム拾って回収して。従魔には伝えてるから。」

「へ?今この状況で?」

「じゃあ聞くけどあんた今ここにいて役に立つの?」

「う、それを言われると役には立たねえな。」

あ、トビーと一緒に向かったようだね。

だけどね、重症者を中心に回復魔法を使っているけれど、次から次へと怪我人がやって来る。

キリがない!

そんな折僕になんか言ってくる奴がいる。
「おい、こっちもしろよ!」

ナンダアイツ メイレイスルナ

「順平さん、少し休もう?」

僕はその暴言を吐いた奴を無視し、怪しい人を回復させます。

「おい、仲間も早く回復させろよて言ってんだよ!」

そいつは僕の肩に手を置きそう言ってくる。
「あ?」

「こっちも早くしろよ!」

見ると腕を押さえてるだけ。ただの骨折じゃないか。あんなの後回し。
「腕が折れてるだけじゃないか。後回しだ。」

「おい、あんな奴らどうでもいいだろ!身分のあるやつを優先しろ!」


ナニイッテンノコイツ

「ジャマダ ドケ!」

僕は手を振り払い、他の場所へ。

だが食い下がってくる愚か者がいる。

「こっちっつってんだろうが!」

「てめえが自分で回復させろ!うるせえんだよ雑魚が!」

うう?何だか鼻から鼻水が。気持ち悪い。

「順平さん!これ以上は駄目!少し休んで?」
たかが鼻水で何?

僕は気が付いてなかったのですが、鼻血が出ている模様。

「おいジョーちゃん、あんたでもいい、早くしろよ!」
「きゃあ!」

僕の友郁に触れるな愚か者!

僕はそいつを突き飛ばします。

「ぐぎゃ!」

どうやら仲間にぶつかった模様。

「友郁、浄化をしないと。」

あいつが触れた部分は、綺麗にしましょうね。

「順平さん、そんなのいいですから!私がエリクサー複製しますから!」

「だけどほら、まだ沢山やって来るよね怪我している人。」

「だからと言って、これ以上は駄目!」

見ると友郁が顔をぐちゃぐちゃにしながら訴えてます。
あ、ごめん。友郁を泣かせてしまった。

そして友郁がやさしく抱きしめてくれます。
ああ、何だか気持ちいいです。
そういえば、ここまで回復魔法使った事なかったっけ。
そんな事をを思いながら身を委ねてしまいます。

僕は、気が付けば力なく横たわっています。

「うわ、すさまじいね!スキルの使い過ぎか。こんなになるまで、すまないね。」

誰かがそんな事を言っているようですが、どうでもいいです。

「まだいるようでしたら、これを使って下さい。」

友郁?何か差し出してる。

「いいのかい?」

「一応、秘密ですよ?」
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